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カルバゾクロムスルホン酸(Carbazochrome sulfonic acid)とは、止血薬である。アドレノクロムセミカルバゾンスルホン酸(Adrenochrome semicarbazone sulfonic acid)とも。
カルバゾクロムスルホン酸は、カルバゾクロム系の止血薬・血管強化薬である。脆弱化した血管を強化して止血作用を示すと考えられている。
アドレナリンの酸化物であるアドレノクロムに止血作用があることが発見され、化学的に安定なカルバゾクロム(アドレノクロムセミカルバゾン)が止血薬として利用された。注射剤にするため水溶性を高めたカルバゾクロムスルホン酸ナトリウム水和物も開発され、アドナ®の名でニプロESファーマ株式会社より製造販売されている。剤形は錠剤、散剤、注射剤があり、それぞれジェネリック医薬品も上市されている。
錠剤や散剤の場合、1日30~90mgを3回に分割して経口投与する。注射剤の場合、1回25~100mgを静脈内注射または点滴静注する。ただし、注射剤には1回10mgを皮下注射または筋肉内注射する製剤もある。それぞれ、年齢や症状に応じて適宜増減。
カルバゾクロム系止血薬の詳細な作用機序は明らかになっていないが、毛細血管透過性亢進を抑制し血管抵抗性を増強させ、出血時間を短縮して止血作用を示すと考えられている。また、血液凝固系および線溶系に影響を与えず、呼吸や血圧も変化させない。
禁忌はとくに定められていない。過敏症の既往歴のある患者への投与は慎重投与となっている。
カルバゾクロム系止血薬として、カルバゾクロム、アドレノクロムモノアミノグアニジンがある。本邦ではカルバゾクロムが一般用医薬品の痔疾用薬や動脈硬化用薬に配合されている。しかし、いずれも医療用医薬品としてはすでに販売が終了している。
ビタミンCとして知られるL-アスコルビン酸も、止血薬・血管強化薬である。ビタミンCの欠乏に起因する壊血病やメレル・バロウ病(乳児期のビタミンC欠乏症)の治療などに用いられる。ただし、ビタミンCの欠乏による出血ではないならば、止血効果は得られない。
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最終更新:2024/12/05(木) 10:00
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