カロ(競走馬)

カロ(Caro)とは、1967年生まれのアイルランド生まれ、フランス調教の競走馬である。牡・芦毛。

概要

父*フォルティノ、母Chambord、母父Chamossaireという血統。
父*フォルティノはGrey Sovereignの直仔で、短距離重賞を中心に17戦8勝。日本にも輸入され、シービークロスを出すなど活躍した。
母Chambordは英国で走りニューマーケットオークスなど11戦4勝。
母父Chamossaireは1945年のセントレジャーステークスの優勝馬で11戦4勝。英ダービー馬Santa Clausなどを輩出し、種牡馬としても活躍した。

ドイツ出身と言われるフランス貴族のバッチャーニ伯爵夫人によって所有され、イタリア語で「親愛な」という意味のCaroという女性オーナーらしい名前を付けられ、フランスの名調教師クリムシャー師に預けられた。

2歳時(1969年)

2歳時は5月の未勝利戦にデビューして初勝利を挙げた。しかし、エクリプス賞やアランベール賞で2着と好走するが、重賞での勝ち星を挙げることはできなかった。

3歳時(1970年)

条件戦を2着としたあとにプール・デッセ・デ・プーラン(仏2000ギニー)に出走した。レースではFaraway Son(後のムーラン・ド・ロンシャン賞、フォレ賞などの勝ち馬)が1位入線し、カロは2着入線となったが、Faraway Sonが進路妨害したとされ3着降着となり、カロが繰り上がりで優勝馬となった。

続くリュパン賞は4着、ジョッケクルブ賞(仏ダービー)は3着とまたも勝ちきれないレースが続いたが、イスパーン賞では古馬相手に勝利を挙げた。

しかし、その後のコートノルマンディ賞では6着、プランス・ド・ランジュ賞でも6着と凡走し、3歳時のシーズンは8戦2勝で終えた。

4歳時(1971年)

4歳時は4月のアルクール賞(GII)から始動し、これを勝利した。ガネー賞(GI)ではコースレコードで快勝し、ドラール賞(GII)でも勝利して3連勝とした。

英国のエクリプスS(GI)に遠征するが、ここでは英ダービー馬のMill Reefが待ち構えていた。そしてレースでは先に抜け出したMill Reefをよく追ったが、結局引き離されて4馬身差をつけられる2着と完敗した。

フォア賞で2着となったあと凱旋門賞でMill Reefとの再戦となったが、ここでもMill Reefが勝利し、カロは4着に敗れた。

カロはこのレースを最後に通算19戦6勝で引退した。なお、この年のフランス最優秀古馬に選定された。

種牡馬として

フランスのボワルセル牧場で種牡馬として供用されると、初年度からクリテリウム・ド・プーリッシュ(GI)優勝馬のTheiaを輩出し、2年目の産駒からはジョッケクルブ賞(仏ダービー・GI)優勝馬の*クリスタルパレスを出した。これを見た米国の馬産家が購入を決定し、米国ケンタッキー州のスペンドスリフト牧場で供用された。米国でもBCマイル優勝のCozzeneやケンタッキーダービー優勝のWinning Colors、ジャパンカップ優勝の*ゴールデンフェザントなどを輩出し、1989年に心臓発作により22歳で死亡した。

血統表

*フォルティノ 1959 芦毛	Grey Sovereign 1948 芦毛	Nasrullah	Nearco
			Mumtaz Begum
		Kong	Baytown
			Clang
	Rabavalo 1954 鹿毛	Relic	War Relic
			Bridal Colors
		Navarra	Orsenigo
			Nervesa
Chambord 1955 栗毛 FNo.3-o	Chamossaire 1942 栗毛	Precipitation	Hurry On
			Double Life
		Snowberry	Cameronian
			Myrobella
	Life Hill 1940 鹿毛	Solario	Gainsborough
			Sun Worship
		Lady of the Snows	Manna
			Arctic Night
競走馬の4代血統表

クロス：Pharos 5×5(6.25%)、Nogara 5×5(6.25%)

主な産駒

1973年産

• Theia (牝 母 Cavadonga 母父 Dan Cupid)
  • 1975年クリテリウム・デ・プーリッシュ(仏GI)

1974年産

• *カーホワイト (牡 母 White Paper 母父 Honeyway)
  • 1978年イスパーン賞(仏GI)
• *クリスタルパレス (牡 母 Hermieres 母父 Sicambre)
  • 1977年ジョッケクルブ賞(仏GI)
• Madelia (牝 母 Moonmadness 母父 Tom Fool)
  • 1977年プール・デッセ・デ・プーリッシュ(仏GI)、1977年サンタラリ賞(仏GI)、1977年ディアヌ賞(仏GI)

1976年産

• Nebos (牡 母 Nostrana 母父 Botticelli)
  • 1979・80年ベルリン大賞(独GI)、1979年オイロパ賞(独GI)、1980年バーデン大賞(独GI)

1978年産

• Tropicaro (牝 母 Tropical Cream 母父 Creme dela Creme)
  • 1980年マルセル・ブサック賞(仏GI)

1980年産

• Cast Party (騙 母 Casting Call 母父 Stage Door Johnny)
  • 1982年ローレルフューチュリティ(米GI)
• Cozzene (牡 母 Ride the Trails 母父 Prince John)
  • 1985年ブリーダーズカップ・マイル(米GI)
  • 1985年エクリプス賞最優秀芝牡馬
• Smuggly (牝 母 Call Me Goddess 母父 Prince John)
  • 1983年サンタラリ賞(仏GI)

1981年産

• Dr. Carter (牡 母 Gentle Touch 母父 Chieftain)
  • 1983年レムゼンS(米GI)、1985年ガルフストリームパークH(米GI)
• Siberian Express (牡 母 Indian Call 母父 Warfare)
  • 1983年モルニ賞(仏GI)、1984年プール・デッセ・デ・プーラン(仏GI)

1982年産

• Padua (牡 母 Miss Magnetic 母父 Nodouble)
  • 1985年スワップスS(米GI)

1985年産

• Gabina (牝 母 Gold Bird 母父 *ラインゴールド)
  • 1989年フォレ賞(仏GI)
• Tejano (牡 母 *アンファンテ 母父 Exclusive Native)
  • 1987年アーリントン・ワシントンフューチュリティ(米GI)、1987年カウディンS(米GI)、1987年ハリウッドフューチュリティ(米GI)
• Winning Colors (牝 母 All Rainbows 母父 Bold Hour)
  • 1988年サンタアニタオークス(米GI)、1988年サンタアニタダービー(米GI)、1988年ケンタッキーダービー(米GI)
  • 1988年エクリプス賞最優秀3歳牝馬

1986年産

• Galetto (牡 母 Gold Bird 母父 *ラインゴールド)
  • 1989年リュパン賞(仏GI)
• *ゴールデンフェザント (牡 母 Perfect Pigeon 母父 Round Table)
  • 1990年アーリントンミリオン(米GI)、1991年ジャパンカップ(GI)
• Turgeon (牡 母 Reiko 母父 *ターゴワイス)
  • 1991年アイリッシュセントレジャー(愛GI)、1991年ロワイヤルオーク賞(仏GI)

1987年産

• Grand Flotilla (牡 母 *モリタ 母父 Harbor Prince)
  • 1994年ハリウッドパークターフH(米GI)
  • マーベラスクラウン(ジャパンカップ)の半兄

関連コミュニティ

関連項目

• 競馬 / 海外競馬
• 競走馬の一覧