カンディル(Candiru)とは、アマゾン川などの南アメリカの熱帯に生息するナマズ目の肉食淡水魚の総称である。その恐ろしい摂食行動は有名。
表記揺れとしてカンジェロ、カンジル、カンジルー、カンジール、カンビルなどがある。
カンディルと呼ばれる魚の範囲は、
と幅があるが、少なくとも日本では最後のトリコミュクテルス科およびセトプシス科のナマズの総称としてカンディルと呼ぶのが一般的。
トリコミュクテルス科の種は「pencil catfish(鉛筆ナマズ)」「parasitic catfish(寄生ナマズ)」、セトプシス科の種は頭部がクジラに似ているので「whale catfish(クジラナマズ)」とも呼ばれる。
カンディルは種によって摂食行動が異なり、他の魚の鰓に体を潜り込ませて吸血したり、内側から食らい付くものもいれば、自ら生きている魚や動物の死骸の体表を食い破りながら中へ侵入していくものもいる。性格は獰猛で、集団で襲い掛かってくる。犠牲者にとってはたまったものではないだろう。
大雑把だが、トリコミュクテルス科が前者の吸血性・寄生生活者のカンディルで、セトプシス科が後者の肉食性のカンディルだと思えば大体あってる。
カンディルのヒレには返し針のようなトゲがあり、一旦体に入り込んでしまうと引き抜くのが困難で、これもカンディルを恐ろしい魚にしている要因の1つである。
人間や大きな動物も水中に入れば襲われるため、現地ではピラニアより危険とされ恐れられている…らしい。
なお獰猛な摂食行動の種ばかりが有名だが、昆虫や砂の中の微生物を食べるなど比較的大人しい種もいる。
カンディル(特に吸血性の種であるVandellia cirrhosa)は人間や動物の穴という穴から侵入してくるという悍ましい「伝説」が有名。
昔からそのような事が起こりうるという話は有名で、日本でもカンディルと言えばアマゾン川で用を足したら最後、尿道や肛門から侵入されそこから内臓を食い荒らされるというイメージがある人は多いはず。
実際にカンディルが尿道に侵入したという報告も1件あるので嘘とは言い切れない(これも信憑性が疑問視されているが)。ケーブルテレビ・衛星放送向けのチャンネル「アニマルプラネット」の番組『怪物魚を追え!』では実際にカンディルが尿道に侵入したという男性が登場している。
ただし、さすがに狭い尿道を遡るのは不可能なので、尿道から内臓まで到達してしまうというのはデマだろう。
ちなみに肛門に侵入したという記録は無い。が、実は女性の膣内に侵入したという記録は多かったりする。
尿道に侵入するのはアンモニアに反応しているから、というのも間違いのようで、実際には視覚で獲物を見つけているとの研究がある。他にも、用を足している時のアソコを排水している魚のエラと勘違いしているのではないか?という説も。そもそも、カンディル以外にもピラニア等の危険生物や寄生虫・病原体がうじゃうじゃいるアマゾン川に生身で入るのは推奨されないが…。
また、これは吸血性のカンディルの話で、後述の鋭い歯と強靭なあごを持つCetopsis candiru等の種は酔っ払って川の中へ入ったり溺れたりした人間を集団で食いつくすという。
以上のことから、カンディルが尿道や肛門から侵入することは稀としても、人間にとって危険な魚であることは間違いないだろう。
現地の住民が局部を保護する衣服(タンガ)を身に着けており、それがTバックの元になったという逸話も広まっている。ただし、カンディル対策ではなくピラニア対策ではないか?とも言われている。
他多数。
そんなカンディル達だが市場で流通しており、アクアリウムで飼うことができる。肉食性の種はエグい摂食行動から人気だが、皮膚に噛みついて穴を開けてくる為取り扱いには注意が必要。
間違って人間の体内に侵入してしまったカンディルはその人に多大な苦痛を与えるが、大抵は自身も死んでしまう運命にあると言える。人間ではなく魚のエラに侵入できた方がカンディルにとっても幸運のはずなのだ。
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最終更新:2024/03/30(土) 16:00
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