カーボンナノチューブ 単語

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カーボンナノチューブ

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カーボンナノチューブ(CNT:Carbon nanotube)とは、炭素同素体の一つである。

概要

カーボンナノチューブ
Armchair (10,10)
カーボンナノチューブの構造式

カーボンナノチューブは、炭素を意味する「カーボン(carbon)」、10-9(10億分の1)を意味する接頭辞ナノnano-)」、円筒を意味する「チューブ(tube)」の3つの言葉を合わせたもの。

カーボンナノチューブの直径は、人の髪の毛の約5万分の1。炭素原子六角形に配置されたグラファイトシートを、円筒状に丸めた形をしている。

層構造の違いによって、単層のもの(SWNTシングルウォールナチューブ)、単層のものが入れ子になった多層のもの(MWNTマルチウォールナチューブ)の2つに分けられる。また、原子配列の違いによって、アームチェア構造(Armchair)、ジグザグ構造(Zigzag)、らせん構造(Chiral)に分けられる。

一般に電気伝導率・熱伝導率が高く、耐熱性である。立体構造の違いで半導体となる。

発がん性やアスベスト石綿)様の性を有する可性が摘されている。

応用

ナノテクノロジー(耐摩耗性、軽量高強度性、高熱伝導性)

炭素繊維と同様に金属脂と混合して強度を向上させる試みはくから行われている。金属の場合は粉末状の材料を焼き固める「粉末」で実現した。だが、脂とカーボンナノチューブは相性が悪い。液体中ではカーボンナノチューブが凝集してしまうため、溶かした脂に混ぜるという手法が使えない。なんとかむらを作らず分散させる方法を開発したものの、今度はナノチューブ表面で脂の分子が滑ってしまい、思ったほどの強度を発揮することができなかった。それでもテニスラケットバンパーなどの応用品は存在する。

両者ともナノメーターサイズの細い針で試料表面を走査することで試料の原子サイズ凹凸映像化する装置である。カーボンナノチューブの先端を加工すると、炭素原子が鎖のように連なった分子が発生する。これを針として利用することで解像度を向上することができる。

環境(高比表面、低価格)

エネルギー(高比表面、超軽量)

いずれも電極の表面積を増やすことでを向上させられる。カーボンナノチューブは単位体積あたりの表面積が極めて大きいので最適な電極材料となる。

バイオ・医療(ナノ構造、生体適合、中空構造)

エレクトロニクス(ナノ構造、高電流密度、高融点/高強度)

一言で言うのならば「ブラウン管」。ブラウン管の電子は熱をかける必要が有るため、予熱による待機電の消費が問題になっていた。カーボンナノチューブで作った電子は熱する必要がなく、低い電圧でも電子を放出するため、消費電を小さくでき、コントラストもよく、応答速度ディスプレイを作ることができる。……はずのだが、開発は遅れに遅れ、その間に液晶ディスプレイが普及しきってしまったため、今更普及させるのが困難なのが現状である。

半導体ナノチューブはそれだけで高速トランジスターとなりうる。金属ナノチューブはある距離までなら電子が炭素原子と衝突することなく極めて高速で流れる(バリスティック伝導という)ため最適な配線材料となる。2019年MITは半導体ナノチューブを用いた16ビットRISC-Vプロセッサを制作、"Hello world"を出する事に成功した。

  • スピン素子

リスティック伝導の状態にある電子はスピン(コマの自転、の偏に相当する量子状態)が長期間にわたって維持される。これを利用してスピンを情報媒体にしたコンピュータを作れる可性がある。高磁性半導体と組み合わせることで演算と記憶の両方の機をもたせたスピン素子を作ることも可で、将来的には量子コンピュータや、電を落としても計算内容を保持できるスピンコンピュータの実現が期待される。

複合材料

電磁波吸収材料

カーボンナノチューブを面から垂直に高密度に生やした素材は極めて高い電磁波吸収特性を持つ。ナノチューブの「」に一旦迷い込んだ光子は多数のナノチューブの間を乱反射してなかなか外に出られないからだ。こうして作られた新素材ベンブラック」は紫外線からマイクロ波までの広帯域の電磁波のほぼ全てを吸収する現在最も「体」に近い素材である。

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