ガメラ2 レギオン襲来とは、1996年7月13日に公開されたガメラ映画である。
『ガメラ 大怪獣空中決戦』と同じ金子修介監督、樋口真嗣特技監督、伊藤和典脚本のトリオで製作された平成ガメラシリーズの第2弾。
ちなみに、ガメラ映画で初めてインターネットにホームページが開設された作品でもある。内容は簡単なストーリーやスタッフの紹介と、ごく短いGIFアニメからなる『GAMERA2』の音声が流れる予告があるものだった。
前作から1年後に公開された直接の続編で、本編でも同じだけの時間が経過している設定となっている。
続編ではあるものの、前作から続投する登場人物は草薙浅黄(演:藤谷文子)と大迫力(演:螢雪次郎)、大野一等陸佐(演:渡辺裕之)だけで、本作の主演陣は次回作に登場しない(本来出演予定だったが、水野美紀が踊る大捜査線の映画撮影のため出演不可能だったため)。
金子監督お得意のカメオ出演も本作は多めになっており、ワンシーンだが強烈な印象を発揮する小林昭二(怪獣映画の遺作)、当時両津勘吉として活躍していたラサール石井などがいる(ちなみに、昭和ガメラ最終作「宇宙怪獣ガメラ」では両津そっくりの警察官が登場している)。
よって、金子3部作シリーズ中では前作や次回の最終作を知らずとも、本作のみで楽しめる要素が多く、比較的独立性の強い作品となっている。
実際に、平成3部作シリーズでは観客動員120万人、配給収入7億円と最大のヒット作となったほか、1996年第17回日本SF大賞、1997年第28回星雲賞映画演劇部門・メディア部門賞の両方を受賞(どちらも怪獣映画としては初めて)と内容そのものも前作以上に絶賛された。
しかし、1ヶ月後にディズニーの大ヒット作『ノートルダムの鐘』があったことも影響してか、目標の10億円に届くまでには至らず失速し、次回作が作られるまで実に3年もの歳月が開いてしまうこととなる(もし目標を達成していればさらに予算が増えてすぐ3作目になったという)。
前作がまずまずの成績だったことや、最終的に予算を超過したこともあって、本作ではあらかじめ前作のオーバー分を含めて比較的予算を割り増ししてもらうことができたため、怪獣のバトルシーンにより多くの時間と予算をかけることができるようになり、それまでの特撮映画をさらに一歩進めたかのようなリアリティある作品に仕上がった。
特に、樋口監督がイメージとして描いた復活ガメラがレギオンに向かってウミガメ状態で滑空し、滑り込むような形で着地したと同時に3発同時撃ちのプラズマ火球をお見舞いする(が、中和される)というシーンは、劇場パンフレットにも見所として記されており、ガメラ映画史上屈指の名シーンと名高い。
また、映画文法を逆手にとって、バトルシーン画面左側をガメラ、右側をレギオンとすることで、レギオンの強大さ、終末的な戦闘という演出を行っている。
前述のウミガメのヒレ状に腕が変形する案は、既に前作時点でも出されていたものの、前作が新旧ガメラファンに向けたニューガメラ誕生のエピソードといったテーマ性も含んでいたこともあり、本格採用は見送られていた(但し、前作でも一瞬ヒレ状になっているように見えるシーンはある)。
ガメラの造型も、リニューアルされ、隠し武器扱いだったエルボークロー(腕の間接部分にある角)が常時突き出した状態になり、頭が小柄で目つきが鋭く、アゴが外れるのを意識した、と語るほど口部分が大きく開く、といった特徴があり、旧ガメラの面影が強かった前作とは一線を画している。このG2ガメラはオールタイムガメラの中でも、そのシャープな印象から特にファンが多い。
また、本作では初登場シーンからいきなり回転ジェットで現れるなど、CG技術の躍進も大いに役立っており、昭和作品では不可能だったイルカが飛び跳ねる海面からガメラが登場したり、ソルジャーレギオンを振り払うために縦横無尽にフラフラと回転しながら飛び去る描写(このシーンはよく見ると手や顔を引っ込める様まできちんと描かれている)など、リアリティの演出方面にも活かされ、前作に比べてパワフルかつ迫力のある場面が多い。
ヴィランとしてガメラに立ちはだかる怪獣は当初昭和シリーズの敵怪獣でも人気の高かったギロンやバイラスが候補として挙がったものの、「リアリティが無い」という点と「自由な作劇を行いたい」という点、そして何よりゴジラシリーズが陥った「人気怪獣の回帰路線になるのはよくない」という考えから、それらの候補をより現実的にリファインしなおした新怪獣が造られることとなり、過去の特撮映画には類を見ない宇宙から共生関係にある植物とともに来襲し、シリコンを餌にする宇宙怪獣レギオンが誕生した。
巨大な角はギロンのそれを、ガメラの甲羅を貫くマイクロ・ビュートはバイラスの一面が見られるが、特に後者は過去作品のどの怪獣も成し遂げられなかったガメラの硬い腹部の皮膚と甲羅を完全に貫くというすさまじい威力を見せた。
造型や小型の群れで攻撃する点、レギオンそのものの破壊的なまでの強さから、同時期の「ゴジラvsデストロイア」に登場するデストロイアとよく比較されていた。
前回が王道怪獣映画だったことを踏まえ、本作は「怪獣映画とは元来軍人映画、戦争映画ではないのか?」という大人向けの題材を盛り込み、それまでは大抵架空の超兵器で出撃しては真っ先に撃ち落されたり踏み潰されるだけだった人間側の怪獣との戦いに、現実の兵器、現実と同じような法解釈、現実的な防衛ラインの設定といった実在の部分を取り込んだことにおける軍人ドラマにも力を入れている。
なお、ガメラ映画でロックバンドが主題歌を担当した(今回はウルフルズ)のは本作が今のところ最後である。
北海道に流星群が降り注ぎ、その1つが湖に落下した。
しかし、隕石本体は移動したかのような痕跡を残し、どこにも発見できない。
暫くすると、北海道では光ファイバやガラス壜が消えてなくなるという怪事件が発生。それは徐々に札幌に迫っていた。
そして、ついに姿を現したその事件の黒幕は甲殻類とも似つかないどの地球生物とも明らかに異なる生き物だった。そしてそれを追うかのように見たことの無い巨大な植物が姿を現した。
この怪生物はシリコンを餌としてその分解過程で発生する高純度の酸素で植物を育てるという共生関係にあり、すすきのがその植物の草体開花場所兼種子発射台として選定されてしまったのだった。
もし、種子が発射されれば、札幌は壊滅を免れない。
その時、ギャオスとの戦いから行方をくらましていたガメラが出現。高純度の酸素を逆利用したハイ・プラズマ火球で草体を爆破。それに怒った生物はガメラに無数にまとわり付く。
ジェット噴射で血だらけになりながら生物を振り払ったガメラは後に海へ墜落。
その群勢を見たある自衛隊員が聖書マルコ第5章の一説呟いた。
主が、『名は何か』とお尋ねになると、それは答えた。
『わが名はレギオン。我々は、大勢であるがゆえに』
こうしてレギオンとガメラ、そして人類による死闘の幕が開けられた。
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44 ななしのよっしん
2023/05/21(日) 18:21:05 ID: Ba69tSn2US
45 ななしのよっしん
2023/09/04(月) 11:44:05 ID: yX2xEUEoHU
ガメラが登場するのがやや遅かったり三陸沖から出現したりするの、三陸沖に落ちた隕石に乗ってたレギオンと草体を倒したあとだったからって初めて知った
逆に言えば冒頭はレギオンと人類社会の戦いがメインで、ガメラが出るのが遅い理由付けのために三陸沖にも落としたんだろうけど
海だったのでケイ素を補給できなかったそっちはサクッと倒せたらしいが、両方陸地に落ちてたら悪夢だったな
あとガメラさん過労すぎる
46 ななしのよっしん
2023/09/18(月) 10:18:14 ID: KHb74qsvZE
今ネトフリで見れるでー
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最終更新:2024/04/19(金) 09:00
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