ガルリ・カスパロフとは、1963年生まれの元チェス選手。ヨーロッパにおける「頭のいい人」の代名詞とすら言われ、初戴冠した22歳から15年連続で世界王者に君臨し続けた伝説のチェスチャンピオンである。
日本では特に、IBM製チェス専用コンピュータ・「ディープ・ブルー」と「人類代表」として闘いを繰り広げた人物としても有名。
旧ソビエト連邦・アゼルバイジャン共和国、バクー生まれ。10歳の頃にチェス学校に入学、15歳でグランド・マスター(チェスの最高タイトル)を獲得、17歳で世界ジュニアチャンピオン獲得と、怪物じみた強さを早くから発揮。21歳で世界チェス選手権初出場を果たすと、破竹の勢いで勝ち進んで世界チャンピオンであるアナリー・カルポフに挑戦する。
チェス史に残ると言われるこのタイトルマッチ(6勝でタイトル獲得)は、なんと48局に渡って行われ、カスパロフ側から見て「3勝5負40引き分け」の末いったん無勝負となる。翌年の再戦でカスパロフはカルポフを破り、史上最年少・22歳で世界チェスチャンピオンのタイトルを獲得。以来15年連続で世界タイトルを獲得し続け、チェス界の生ける伝説として世界に名を轟かせる。
2000年に記録した「R2851」と言う最高レーティング値、22歳での世界チャンピオン戴冠は13年後にマグヌス・カールセンと言う若き天才によって破られるか並ばれるまで、カスパロフが記録保持者であった。
2005年に公式戦から引退。現在は公演などを行いながら、政治家としてロシアの民主化運動に携わって…おっと、こんな夜更けに誰だ?
チェスをよく知らなくとも、「なんか凄いコンピュータとチェスのチャンピオンが戦ってる」シーンをなんとなく知っている人も多いのではないだろうか。そのチャンピオンこそ、カスパロフである。
1989年に「カスパロフに勝つ」ことを使命として、グランドマスター含む6人で開発がスタートしたIBM製コンピュータは1996年、念願のカスパロフ挑戦を果たす。1秒間に2億手を読み、カスパロフの棋譜を元に洗練された評価関数を用いた「ディープ・ブルー」に相対した「人類代表」カスパロフは、まず3勝1敗2引き分けを収めて挑戦を退ける。しかし翌年の再戦ではカスパロフから見て1勝2敗3分けとなり、「ディープ・ブルー」が勝利を収めた。そのうち、ディープ・ブルーが勝利した一局で指された鬼手は実は「バグによるもの」であったことが後々判明するなど、今も対局自体のインパクトや後世への影響の強さは語り草となっている。
再戦を要求するカスパロフに対し、IBMは「(カスパロフに勝ったので)プロジェクトは終わった」としてディープ・ブルーをあっさり解体。シリーズで見れば1勝1敗とは言え、ある意味での勝ち逃げを収めた。
とは言うものの、カスパロフはその後も当代最強とされるコンピュータチェスソフトとの対局を続け、互角の戦績を収めていた。「コンピュータソフト」と「人間」がタッグを組んで行う「アドバンスト・チェス」の考案者でもあり、「ディープ・ブルー」との死闘からイメージされるようなコンピュータとのギスギスした関係より、共存共栄の途を早くから探っている。
同じボードゲームである将棋を少し嗜んだりもしているようで、日本とは縁がありそうで…なかったが、2014年、ついに来日。コンピュータ将棋ソフトと棋士との団体戦である「将棋電王戦FINAL」の発表会にて、なんと振り駒を務めた。さらに将棋界の伝説、羽生善治名人(タイトル戦の傍ら趣味でチェスやって日本チャンピオン倒す程度の強さ)と対局することも決定。ファン大歓喜。
掲示板
14 ななしのよっしん
2015/12/13(日) 17:53:03 ID: ZGLWzswzh4
>>10-11
****「そうだ、テロリストに襲われたことにしよう。一石二鳥だ」
15 ななしのよっしん
2016/07/07(木) 01:09:25 ID: 9wZfnk7xZr
カールセンが彼のレーティング値を破ったのはチェスのレーティングがインフレしてる影響がでかい
2000年と今の値を比べると50程度は上がってるのでカスパロフのR2851は現代換算だと恐らくR2900オーバー
歴代最高のチェスプレイヤーは今でもこの人だろう
15年連続の世界王者等の記録含めてカールセンは彼を超えられるんだろうか
16 ななしのよっしん
2022/03/06(日) 18:34:19 ID: k2PEaD9daz
ウクライナ侵攻で彼の予測が正しかったことが証明されちゃったな…
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最終更新:2024/03/29(金) 18:00
最終更新:2024/03/29(金) 18:00
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