ガンダムウインドノーツとは、空を駆けることに命をかけた一人の青年の物語である。
宇宙世紀2011年大災害と気象変動で陸地の82%を失った地球。人々は僅かな陸地とそこに根差す超々高層エレベーター上に空中国家を築いた。最大勢力国ノースイースト連邦は、空中都市間を疾風の如く自在に駆けるMSパイロット隊を編成する。連邦の礎である伝説の研究者チームの名にあやかり「ウインドノーツ」と名付けられたそれをもって、連邦は大空を一つにしようと画策していた。
このまま統一がなるか、という逼迫した情勢の中、前大戦以来行方不明だったWN(WindNauts)チームは、傲慢にも一勢力のみで空を掌握しようと考える連邦に対し、反旗を翻した。その本拠地である東北大学にて、総力を結集。あえて原動力をペラ、座標把握方法をGPSにすることで、パイロットの力を最大限に引き出し、その左足が攣る代わりに、通常の3倍程度では済まないほどの力を発揮するという卓越した設計思想に基づき、一機のモビルスーツを製造する。
その頃、ノースイースト連邦の「ウインドノーツ計画」により理想的なMSパイロットとして「創造」された男がいた。その名はタクマ・ナカムラ。連邦にとっては皮肉なことに、彼に与えられた理想以上の適正は、連邦の圧政がもたらす未来を正確に予測させることとなった。
連邦の育成施設から脱出したタクマは追手から逃げるうち、何かに導かれるように一機のモビルスーツを発見する。乗り込んだ機体内で、彼はそこに刻印された運命の名を知る。
ガンダムウインドノーツ。それが、独特の設計思想はそのままに、連邦から流出したアルミフレームサイコフレーム技術を援用することで、東北大学WNチームが開発・完成させた、新型モビルスーツの名だった。迫りくる敵モビルスーツに対抗するため、心ならずも機体を制御するタクマ。タクマ自身の手足であるかのように、空を飛ぶ鳥のように、ガンダムウインドノーツはその真価を発揮する。左足の痛みも忘れ、タクマはいつしか喜びに打ち震えていた。
彼が琵琶湖の空を翔け、その仲間である無数の鳥人間達の中でも、もっとも長く、もっとも高く、もっとも優美に飛んだ男として、愛機と共に歴史に名を刻むことを、まだ誰も知らない。
掲示板
37 ななしのよっしん
2013/04/26(金) 19:46:44 ID: UgVbCaD9YB
俺はガンダムウインドノーツと聞いて思い浮かべたイメージは
航空機の勉強をしながらお金をもらえるからと軍航空学校に志願
しかし翌年、開戦……
多くの兵を失った軍は、繰り上げ編入を実施。戦地へと向かう兵士達の中には“彼”の姿もあった。
コクピットに被弾し、左足へ重傷を負いつつも飛び続けた彼の機体から回収されたフライトレコーダーに残された最後の言葉……
「まだ…… まだ飛びたかった……」
これは、歴史の影に散っていった青年の物語
38 ななしのよっしん
2013/07/15(月) 02:35:08 ID: 7udhQWybcj
39 ななしのよっしん
2017/09/20(水) 18:54:14 ID: UgVbCaD9YB
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最終更新:2023/05/31(水) 20:00
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