ガンダム試作4号機とは (ガーベラとは) [単語記事]

ガンダム試作4号機（RX-78GP04）とは、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場しない人型機動兵器、モビルスーツの1機種である。

概要

ガンダム開発計画において、突撃・強襲・白兵戦を目的としたMSとして設計された機体。
通称は『ガーベラ』で、花言葉は「神秘」など。
設定だけは存在するが、画などは起こされなかった幻の存在。
何故に幻になったかと言えば、機体特性が1号機と類似していた事が大きい。

「あれ、これ1号機とあんま変わらなくね？」
「え？どれどれ………っておいおい、コンセプト被りすぎだろ、常識的に考えて」
「やっぱそうだよな。じゃあ作るのやめよっか？」
「ああそうだな、やめやめ、撤収ー」

アナハイム技術者の間でこのような会話が交わされていたかどうかは定かではないが、大体こんな感じで計画が被ってしまったために存在意義を失い、4号機としての開発は中断されることとなる。
しかし、機体自体はアナハイムがその後これを元にした別機体として完成させ、外装をジオン系の物に交換し、ガンダムタイプとは似ても似つかぬ姿――ガーベラ・テトラとしてシーマ艦隊へと引き渡されている。

ちなみに、『元々連邦軍の機体として開発されていたが、ジオン系の組織に秘密裏に引き渡されたアナハイム製MS』と言う意味では、『機動戦士ガンダムUC』のシナンジュもこれに当てはまる。
ただし、シナンジュの場合、ジオン系の外装への改装を行った主体はあくまでも袖付きであり、ガーベラとは設計変更を行った主体の点で異なる。

ガーベラ・テトラとの相違

では、アナハイム技術者はどのような魔改造を施して4号機をガーベラ・テトラへと仕立て上げたのか。
肩部に大型のスラスターを配置するなど、共通する意匠は確かに見られる。だが、単にガンダムフェイスをジオン系のモノアイ顔に置き換えるどころか、全身の装甲形状からスラスター類のレイアウト、シュツルム・ブースターの形状変更に固定武装の追加、ビームサーベルの収容位置変更など、大々的な仕様変更がなされており、事実上共通点は『突撃・強襲・白兵戦用』というコンセプトだけと言っても過言ではない。

極端な話、そうと知らなければ全く関連性の無い機体と思われても仕方が無い、とも言える。

GP01との相違

コンセプトとしてGP01と重複する点が多いことから廃案となった4号機だが、具体的な相違点としては以下の物が挙げられる。

コアブロックシステム非搭載
頭部バルカン砲非搭載
バックパックに大型のプロペラントタンクを3基装備

ライフルはそれぞれ2種類デザインがあり、GP01のそれを長砲身化したような物と、ガーベラ・テトラのビームマシンガンと同一の機関部を持つライフルがある。一応、前者の方が比較的メジャーだろうか。
シールドについては、GP01と同型の伸縮型の物を装備していた状態であることが多いが、それとは別に一体型のデザインの物が存在する。
プロペラントタンクは、ガーベラ・テトラの物と形状が全く異なるが、シュツルム・ブースターとしての機能も併せ持っており、本機が強襲用MSたる由縁となっている。

しかしゼフィランサスとはまた違う方向性にスッキリしたデザイン（を後に描き起こされたのだが）からファンはおり、何かとキット化自体はされている。

SDで重宝されるガーベラ

と、概要を見てもその存在の微妙さが見て取れるガーベラだが、元のモチーフを参考に設定を作っていくSDガンダムにおいては、何かとその美味しい設定を利用されやすい。
基本的には「本当ならガンダムだったはずなんだけど、いろいろあってジオニックメカになっちゃった、てへぺろ☆」という立場を生かし、「普段はジオン系っぽい仮面を被ってるけど、中身はガンダムだよ！」といったキャラにされやすい。

有名なのはSD 戦国伝シリーズの七人の超将軍編における鉄斗羅頑駄無がまずあげられる。
新生闇軍団の中において牙忍鉄斗羅として活躍していたが、新世大将軍と出会ったことで心を入れ替える。
その後密偵として活躍するが、やがて戦いの中で一度死亡してしまう。しかし結晶鳳凰の力で生まれ変わり、それ以降は鉄斗羅頑駄無として活躍することとなる。ガーベラの武器であるロングビームライフルをモチーフとした武器を使う。

あとはSDガンダムフォースに登場するGP04マドナッグなどもあげられるであろう。こちらは単独記事があるのでそちらを参照としてもらうと良いが、ガーベラ・テトラのアーマーを被ったGP04ガーベラという、鉄斗羅ガンダムにやや似ている設定である。こちらはロングビームライフルとビームマシンガンという二種の武器を使いこなす。