キセノンランプとは、主に映写機の光源や自動車のヘッドライトに使われる放電灯である。
石英ガラスで作った発光管内部に圧縮成形したタングステンの電極を設置し、口金部を膨張係数が違うガラスで密封した上で不活性ガスの一種であるキセノンガスを高圧(約10気圧)で封入したランプである。
点灯時は専用の変圧器(バラスト)を使い、電極間に瞬間的に1万ボルトの直流パルス電流を流して放電させ、そのとき発生した火花(アーク)を保持することによって、凄まじい明るさを得る構造となっている。
欠点はその高い内部圧力ゆえに、ちょっとでも衝撃やひねりなどのストレスを加えると爆発するという点。またランプに指紋などの油が付いた状態で点火しても、一箇所の温度が異常上昇することによってランプにストレスが加わって爆発する。このため取り扱い時は防護面、防護手袋、耳栓が必須である。
点灯時は内部圧力が30気圧まで上昇し、さらにランプの表面温度が1350度まで上昇する。なお電極付近はタングステンの融点である3800度近くまで上昇するため、長期間使用していると電極が減っていくことによって放電ができなくなり、寿命となる。
廃棄時はランプを元々入っていた箱に入れて密封した上で1メートルの高さから箱を落下させ、ストレスを加えて爆発させてから処分する。これはランプメーカー推奨の処分方法である。くれぐれも裸の状態のランプを放り投げて破壊するようなことはしないように!粉々になったランプの破片が目に入ると、確実に失明する。
なお点灯時は膨大な熱線や紫外線、さらにはオゾンが発生するため、専用に作られたランプハウス内で点灯させないといけない。またランプハウス内部の熱やオゾンを排出するために、排気ダクトと強制排気装置をつける必要がある。
映写機の光源として使う際は、1000時間をめどに交換作業を行う。それ以上使うと放電アークが不安定になり、結果的に爆発事故につながる。
ランプの冷却は5KWまでは強制風冷。それ以上の出力のランプは、口金部分を水冷している。これは猛烈な熱で口金部のガラスが溶けるのを防ぐため。
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最終更新:2024/04/20(土) 18:00
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