キハ20系とは、国鉄が1957年に開発した一般形気動車である。
開発当時、既存の一般形気動車としてはキハ10系があったが、これはエンジンの出力の低さをカバーするためにやむを得ず小さいボディ・さらに座面も小さい座席といった軽量車体を採用したものであった。当然居住性は悪く、さらに台車も軽量化のために防振ゴム方式の乗り心地が悪いものとなっていた。
これらを克服するために、先に開発された軽量客車10系の技術とノウハウを活かすことで、客車並みの大型車体を確保した準急・急行用のキハ55系を開発。これを一般形気動車にも応用して、キハ20系が誕生することになった。
キハ20形(両運転台・標準形)・キハ21形(北海道・東北向け)・キハ22形(キハ21形をさらに改良した本格的寒冷地仕様)・キハ25形(キハ20形を片運転台にしたもの)・キハユニ25形(寒冷地向け郵便荷物合造車)・キハユニ26形(暖地向け郵便荷物合造車)・キハ52形(キハ20形にエンジン2基を搭載した勾配線区用)を便宜的に総称したものであり、国鉄制式の系列呼称ではない。1965年までに1100両以上が製造され日本各地で活躍した。
キハ10系と同じDMH17B形ディーゼルエンジンを搭載、DT19C・TR49Aウイングバネ式台車を装着した。車体はキハ55形をベースにキハ10系より大型化され、客車並みの大断面となった。また、ラッシュ対策としてドアの位置も車体の中央寄りとした。いわゆる「バス窓」を引き続き採用したが、キハ10系とは異なり窓下の補強帯(ウィンドシル)は廃止された。塗装は青3号+黄褐色2号のツートン。大型車体によって居住性は良くなったが、キハ10系から流用した防振ゴム式軸バネの台車は相変わらず乗り心地が悪かった。片運転台形のキハ25、寒冷地向けのキハ21、寒冷地向け郵便荷物合造車のキハユニ25形も製造された。
DMH17C形ディーゼルエンジン、DT22A・TR51A複列コイルバネ式台車に変更。乗り心地が格段に向上した。車体の部材は市販の形鋼を、窓は2段上昇式に変更された。同時に、出入り口をデッキとして二重窓化した本格寒冷地向けのキハ22形、郵便荷物合造車のキハユニ26形、エンジンを2基積んだ勾配線区向けのキハ52形も製造された。塗装は1959年9月から朱色4号+クリーム4号のツートンへ移行した。一部は準急列車への増結対策として準急色(キハ55系に準じた塗り分け)に塗り替えられた。1970年代後半からは朱色5号(首都圏色)への塗り替えが行われた。
一部私鉄や第3セクター鉄道に引き取られて現役でいるものもある。有志による動態保存も含めてここに上げておく。
静態保存車は各地にあり、特に小樽総合博物館のキハユニ25-1はバス窓車体で1両まるごと残っているものとして唯一であり貴重な存在。
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最終更新:2025/03/27(木) 19:00
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