キャリーとは、
『シャイニング』『ミザリー』などのホラー小説で著名なキングの処女作で、代表作でもある作品の映画版。
原作小説が刊行されたのは、1974年で、僅か2年弱で映画化され、大ヒットを記録した。
後に『スタンド・バイ・ミー』という青春小説も手がけるキングだが、このデビュー作では、一見青春物語のような様相を示しながらも、最後はサイコスリラー的な要素が出てくるという、どんでん返しが待っているという展開だった。
映画版の監督は、これまたホラー映画で数々の成功を収めたブライアン・デ・パルマ。
この映画の成功で、彼もまた世界的に名が売れる名監督の一員となった。
主演でキャリー役を演じたシシー・スペイセク、母マーガレット役のパイパー・ローリーはこの作品の演技が高く評価され、アカデミー賞にノミネートもされている。
ストーリーは共通して、超能力を持った少女キャリーが母親の虐待とクラスメイトのいじめによって精神的に不安定な状態へと追い込まれ、プロム(アメリカ文化圏で高3に開かれるダンスパーティ)でのある出来事をきっかけに、街が阿鼻叫喚の恐怖のどん底へと叩き落されるというもの。
何も知らない観客がこの映画を単なる青春映画と勘違いして入って、映画の最後でその恐怖のスプラッタ描写に衝撃を受けて劇場が絶叫で溢れかえった、という当時の逸話も残っている(ちなみに、ここ書いた人のおかーちゃんもその被害者の一人である)。
1999年には続編、2013年にはリメイク(リブート)が公開されたが、どちらも76年版ほどの評価、ヒットには至らなかった。
このほか、アメリカでは1998年にブロードウェイミュージカルが上演、2002年にテレビ映画版も放映された。
舞台はメイン州・チェンバレン。
ユーイン・エレメンタリー・スクール(映画版はベイツ・ハイスクール)に通う少女、キャリーことキャリエッタ・ホワイト。
彼女の幼い頃に父は死亡し、狂信的な母マーガレットからは虐待まがいの教育を受けている。年頃の少女らしい事を一切許されず、暗い性格でいつもおどおどしているキャリーは、学校でもいじめの対象になっていた。
その一方でキャリーは、感情が昂ると目には見えない念動力──テレキネシスを発現する体質だった。3歳の時には家に石の雨を降らせ、自分を馬鹿にした少年を自転車事故に合わせた。稀に発現するこの力は、後に悲劇をもたらす。
体育の授業の後にシャワーを浴びていたキャリーは、初潮を経験する。性教育を受けていなかった彼女はパニックに陥り、それをクラスメートのクリス達がはやしたてるが、担任教師のデジャルダンによって止められた。
クリス達は罰としてプロムに出席できなくなってしまった為、キャリーを逆恨みする。一方、一緒にはやしたてたスーザンは反省し、幼馴染で女子からの人気が高いトミーに相談。キャリーをプロムにエスコートするようにお願いした。
マーガレットはキャリーを「汚れた娘」と罵倒し、プロムに行くことを禁止する。しかしキャリーは生まれて初めて母に反抗し、自作のドレスを身に纏い、希望と不安が入り混じった気持ちでプロムへと向かう。トミーもまた、開花しつつあったキャリーが持つ魅力に惹かれてゆく。
一方、クリスとボーイフレンドのビリーは、彼女を笑いものにする為におぞましい計画を立てる。養豚場から盗んだ豚の血を入れたバケツをステージの上に設置し、ベストカップルに選ばれて幸せの絶頂にあるキャリーが登壇した所に投げ落とし、彼女を血まみれにしたのだ。
呆然とするキャリーは、居並ぶ生徒ばかりか先生までもが嘲笑していると錯覚し、恐怖と絶望と憤怒から恐るべき覚醒を果たす。
死者409名、行方不明者49名を数えた「チェンバレン事件」──恐怖の惨劇の幕が上がった。
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最終更新:2025/03/27(木) 19:00
最終更新:2025/03/27(木) 18:00
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