ギニアス・サハリンとは、OVA『機動戦士ガンダム第08MS小隊』に登場する人物である。CV:速水奨
宇宙世紀0052年生まれの男性でジオン軍に所属する技術少将。一年戦争時は27歳。本作のヒロインであるアイナ・サハリンの実兄にあたり、同時にラスボスを務める。
天才的な頭脳を持っているが、病弱で余命幾ばくもない背景からアプサラス完成に全力を注ぐ狂気の科学者であり、邪魔する者なら味方や妹であろうと始末する残念なイケメン。OVA版では病弱の原因やアプサラスに執着する理由が描かれていなかったが小説版にて詳細が明かされた。
宇宙世紀0052年、サイド3の中でも名家に数えられるサハリン家の長男として誕生。
アイナの回想によるとズムシティ公王庁が見える首都の一等地に邸宅を構え、政治的発言力も強かったという。家のボディガードとして元共和国軍人のノリス・パッカードを雇っていたため、彼とは幼少期から交流があった。妹のアイナともども何不自由なく豪華な暮らしを送っていたが、0064年、ギニアスが12歳の時に悲劇が起きてしまう。完成したばかりの宇宙港の式典に招かれ、アイナとともに内緒で港内を探検していた時、地球連邦の工作員によって爆破テロが発生。アイナをかばう形で生身に宇宙線を浴びてしまう。間もなく救助の兵士が駆け付けるも、あいにく1人分の宇宙服しか持っていなかったため、兵士はアイナに着せた(仮にギニアスに着せようとしても彼は妹に譲るつもりだった)。やがてギニアスの顔色は宇宙線によって赤紫色に変化していき思わずアイナが絶叫。恐怖で歪む彼女の顔とは対照的にギニアスは恍惚の表情を浮かべていた。彼の両目は通常では捉えられない宇宙線が見えており、それは絶え間なく降り注ぐ光の雨――この世にありえざる幻想の光景だった事から思わず「美しい…」と呟く。自分をかばって被曝した兄に負い目を感じたアイナは彼の手足となって動く「人形」になる事を決意するのだった。
さらに不運は続く。ギニアスが15歳の時に何らかの要因でサハリン家が没落。一気に発言力や優雅な暮らしを失ってしまう。劇中の「母様も!そうやって我らを捨てたのだ!」という台詞から母親に捨てられた事が窺える。ギニアス自身も宇宙線を浴びた事で重大な後遺症を負っており、肌の色こそ元に戻ったものの、一定時間ごとに服薬しなければならない体となってしまった。小説版では筋ジストロフィーを患っている設定となり、車椅子に座るギニアスの姿が挿絵に描かれている。路頭に迷う兄妹を引き取って代わりに育ててくれたのはノリスだった。
没落してから数年が経過した後、ギニアスはジオン軍へ入隊。彼は卓越した頭脳を持っていた上、兵器の質を上げるため科学者を優遇していたジオン軍の体制も手伝って、僅か26歳で技術大佐という高い地位に就いた。サイド3の試験場で行われたテストキューブ内のメガ粒子砲実験を見て、ギニアスはかつて見た光の雨を思い出す。あの美しい光景を狭いテストキューブ内ではなく広いところで再現できないものか。胸中に宿った欲望がアプサラス計画をスタートさせた。
宇宙世紀0079年1月3日、ジオン軍は地球連邦政府に宣戦布告し、一年戦争が勃発。戦争の早期終結を図るデギン公王はギレンに疎まれた者や自身を慕う者たちを集めてアイデアを戦わせた。その中にはギニアスの姿もあった。彼は温め続けた腹案ことアプサラス計画を提示し、連邦軍本部ジャブローを上空から急襲・殲滅するモビルアーマーの開発を訴える。最初こそ夢物語だと一笑に付されたが、ギニアスは実際にモビルアーマーの設計図を製作して提出、更にICBMの使用を禁じる南極条約により「ジャブローの対空兵装は意外に弱い」という盲点も突いており、夢物語で片付けられない説得力を持っていた。デギン公王から計画の認可と人員・予算を与えられたギニアスは、より実験がしやすい地球へ向かうためザンジバル級機動巡洋艦ケルゲレンに座乗して降下。東アジアのラサにおいて鉱山に偽装した秘密基地を建設してアプサラスの開発に着手する。いつしかギニアスはアプサラスの完成こそがサハリン家再興の手段だと考えるようになり、光の雨再現と合わせて全てをアプサラスに捧げていくのだった。
テストパイロットはノリス大佐が務めると思われていたが、ギニアスは信頼できる妹のアイナに一任。周囲からは「軍人でもないアイナにパイロットをやらせるななんておかしい」という反対の声が上がったが、ギニアスは「デギン公王から開発計画を一切を任されている」と一蹴して取り合わなかった。実際アイナもギニアスの命令には唯々諾々と従い、男性の科学者の前で裸になる事も厭わなかった。ケルゲレンを基地の動力源とし、アプサラスの開発は着々と進む。しかし10月6日、宇宙でのデータ収集中にアイナがシロー・アマダと出会い、心境に変化が生じ始めた。10月20日には飛行試験中のアプサラスをシロー率いる08小隊に発見された事で連邦軍極東方面軍にも知られるようになり、08小隊を中心とした捜索活動が始まる。そして11月3日、ジオン軍の射爆場で待ち伏せていた08小隊との交戦でアプサラスⅡはヒマラヤ山中まで飛ばされ、やむなく機密保持のため自爆。機体を失ってしまったため急遽Ⅲの開発に取り掛かる。その最中でギニアスのアプサラスに対する執着と狂気が露わになり、次第にアイナの心はギニアスから離れていった。
小説版ではⅢの開発が詳細に描写された。アプサラスⅢのメガ粒子砲は256の目標を同時に全て射抜けるという拡散型メガ粒子砲を採用しているのだが、アプサラス開発者の1人であるヤノウィッツ技術少佐は破壊力を高めるために「メガ粒子砲を拡散させずに、1本に纏めてみては」と進言。しかしこれをギニアスは「光は、広がらなければならん」と一蹴。恍惚とした表情でアプサラスⅢを見つめるギニアスを、ヤノウィッツはまるで理解出来なかった。完成のために当時貴重なリック・ドムⅡ2機のジェネレーターを流用し、護衛用にサイド3からグフ・フライトタイプの部品を取り寄せるなど湯水のように予算を使った。そのためか旧友のユーリ・ケラーネ少将からは「金食い虫」と揶揄されている。
やがてギニアスの狂気は味方にも向けられるように。オデッサの戦いに敗れた友軍が東アジアにも逃げ込んできたが、基地の存在を秘匿するため冷酷にも彼らを切り捨て、ユーリをも爆弾で始末する。だが皮肉な事にこの時の爆発によって連邦軍にラサ基地の存在を知られてしまう。小説版では金食い虫のアプサラス計画を中止させるためユーリはギレンの署名が入った命令書を用意してきたのだが、アプサラスを守るために彼を射殺している。一年戦争末期。心血注いだアプサラスⅢは無事完成し、基地内では祝賀会が開かれる。ところがアプサラスを独占したいギニアスはワインに毒を混ぜて研究員を皆殺しにしてしまう。死体だらけになった会場に手榴弾を投げ込み、証拠を隠滅すると高々に宣言する。
アプサラスは、私一人のものだ!!
終盤ではラサ基地が連邦軍の2個師団に包囲される。時期は連邦軍側の指揮官イーサンが発した「星一号作戦も近い」という台詞から察するに、チェンバロ作戦が終わった後(12月25日頃)と思われる。次第に近づいてくる地響きに、ギニアスはアプサラスの完成を急いだ。薬の使いすぎて口から血を吐きつつも作業を続け、遂にアプサラスⅢを完成させる。小説版では吐いた血を見て「もう時間が無い」と言っていた事からギニアスの寿命も終わりに近づいていたようだ。アプサラスⅢは副座式で、ギニアスとアイナが乗り込みラサ基地より出撃した。しかし、あくまで犠牲を最小限に留めて戦闘を終わらせようとするアイナと連邦軍を殲滅しようとするギニアスの意見が対立。激昂したギニアスは拳銃でアイナの胸を撃ち、アプサラスⅢから転落させる。が、ギニアスの撃った弾は、アイナが胸に入れていた懐中時計によって阻まれ一命を取り留めた(皮肉にもその懐中時計はギニアスがあげた物だった)。
その後、固定脚をジムスナイパーに撃ち抜かれ、アプサラスⅢは地面へ落下する。しかし迅速なギニアスの応急処置で復活し、ジムを撃破。最期はアプサラスⅢの全力を以ってビッグトレーを破壊しようとしたが、メガ粒子砲発射直前でEz8に乗ったシローとアイナによってコクピットを叩き潰され戦死。だがメガ粒子砲は発射され、Ez8の下半身部分を消し飛ばしながら後ろの山へ着弾。そこから生じた衝撃波でビッグトレーの艦橋は破壊され、司令部要員は全滅した。
小説版での最期は、アプサラスⅢのコクピット内部で射殺したはずのアイナに撃たれるという事になっている。射撃が得意なギニアスなら確実に急所を撃ってアイナを殺害できたはずだったが、ギニアスが撃った弾はギリギリ急所を外れていた。ギニアスの壊れた心の中で、「妹を殺したくない」という考えがあったと思われる。
ギニアス及び開発陣の死亡と、ラサ基地が崩壊した事によりアプサラスの技術はロストテクノロジーとなった。アプサラスの後継機が登場しないのは、この時に全ての資料やデータが失われてしまったからだと言われている。
スーパーロボット大戦やGジェネシリーズ、ギレンの野望といったシミュレーションゲームにもギニアスは顔を出している。もちろん、殆どの作品でアプサラスやアイナと共演している。
中でも一番の活躍を見せたのはGジェネレーションアドバンス。この作品では何とラスボスを務めている。まずアプサラスⅡを開発し、原作どおりアイナを乗せる。続いてアプサラスⅢを開発。そしてジャブロー殲滅の夢を叶えるべく自らアプサラスⅢに乗り込み、ジャブローへ突入。しかし主人公たちの部隊によって撃破されてしまう。死亡したかに思えたが、しれっと生存。アプサラスⅢは自分が設計したのだから脱出も容易だったという。
そしてアプサラスⅢを発展させ、グロムリンを開発。同時にアプサラスⅢの量産するという原作のジオン軍には到底不可能な芸当をやってのけている。一応、ジオン軍はザフトと手を組んでいるので出来なくはない?パイロットは人工AI。
そしてそのグロムリンを更に発展させ、ついにラスボス機体であるグロムリン・フォズィルを開発する。ナノマシンやDG細胞による自己修復能力に、Iフィールド、ソーラレイ並みの火力を持った最強のモビルアーマーで、ア・バオア・クーを一撃で粉砕した。ギニアスの暴走は止まらず、傘下に入ってきたシーマの海兵隊とともに地球を支配するべく動き始める。
グロムリン・フォズィルとギニアス自身の能力の高さが相まって非常に強力なラスボスとなっている。しかも一度や二度、HPを0にしただけでは終わらず、HPが無くなるたびに全快して復活する。まさに執念。
さらに攻撃力も激烈で、ビーム兵器なのにスモー程度のIフィールドなら易々と貫通し大ダメージを与える。ジオン脅威のメカニズムを通り越して最早ガミラスである。
ギレンの野望シリーズでは、魅力が高い指揮官として登場。魅力……?しかし病弱なせいか、耐久が低く撃墜されると復帰が遅い。当然ながらアプサラス計画にも絡んでおり、アプサラスⅢの開発プランと引き換えに死亡する。しかしアプサラスⅢの性能が酷すぎるため、多くのプレイヤーがギニアスを存命させる。
作中では研究者を貫いていたが、実はモビルスーツに乗れる。
技術者なので、テム・レイ軍に参加する。その場合、非常に優秀な指揮官として活躍する。
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最終更新:2024/04/19(金) 10:00
最終更新:2024/04/19(金) 10:00
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