ギャロップダイナとは (ギャロップダイナとは) [単語記事]

ギャロップダイナとは、1980年生まれの日本の競走馬・種牡馬である。

概要

　1985年の天皇賞（秋）の時点では、条件馬でしかなく本来なら同日に行われる条件戦に出走する予定だった。しかし、生産者兼オーナーである吉田善哉氏からの『日本最大の牧場である社台から八大競走に一頭も出さないのでは格好がつかない』というあんまりな命令で出走する羽目に。しかも、出走を命じた本人は『シンボリルドルフの勝つ所は見たくない』と言って、当時のエース・シャダイソフィアが出走する京都競馬場（スワンステークス）へ向かう始末。唯一次男の吉田勝己が応援に駆けつけてきただけだった。

　しかし、本番ではニホンピロウイナー・ウインザーノットを競り落としたシンボリルドルフを後方から一気に差し切るレコード勝ち。この時堺正幸アナウンサーが叫んだ「あっと驚くギャロップダイナ」という実況はあまりにも有名である。ちなみに天皇賞（秋）の数分後、シャダイソフィアがレース中に骨折し、予後不良となった。

　その後、ジャパンカップ・有馬記念にてシンボリルドルフと対戦するが、いずれも完敗。翌年からはニホンピロウィナー引退後のマイル路線をリードし、安田記念を1番人気で制覇。その勢いに乗じ、無念の引退となったシンボリルドルフに代わる形で海外遠征を敢行するが、ジャック・ロ・マロワ賞12着、ムーラン・ド・ロンシャン賞10着と惨敗に終わる。

　帰国後、天皇賞（秋）ではサクラユタカオーの4着と好走するが、適距離ではないジャパンカップは10着と惨敗。そして、引退レースである有馬記念ではブービー人気の11番人気でありながら、2着に突っ込み波乱を演出。勝ち馬であるダイナガリバーと共に口取り式を行った。種牡馬としては1993年に中央種牡馬リーディング30位と善戦するが、その後サンデーサイレンスなどの輸入種牡馬の押され先細りしていった。また日本重賞の最高齢優勝記録を持つオースミダイナーを輩出した。

2006年 2月2日、老衰により26歳で天寿を全うした。

シンボリルドルフを破った時の実況が先行し、穴馬と思われがちだが、その後の成績は間違いなく一流の部類である。

が、ギャロップダイナがその名を残すのは、その競走成績だけではない。

前走の安田記念を五着と健闘したギャロップダイナは、それまで六勝を上げているダート戦線に戻り、札幌日経賞に駒を進める。

前走の健闘が評価され、二番人気に支持されるが……

迎えたスタートで、なんと鞍上の東信二騎手を振り落としてしまう。

しかし、ここからが後の天皇賞馬の本領発揮であった。

落馬もあり大きく出遅れたギャロップダイナだったが、後方からじわじわと差を詰め、好位を追走。

三コーナーで仕掛け、四コーナーで先頭に並ぶと、そこから一気に押し切り1位入線するというダートの勝ち方のお手本を見せ付けた。