クイーン・エリザベス級航空母艦とは、イギリス海軍が運用している航空母艦の艦級である。
2009年から建造が開始され、2017年にネームシップ『クイーン・エリザベス』、2019年に2番艦『プリンス・オブ・ウェールズ』が就役した。
1980年代にインヴィンシブル級空母+VSTOL機ハリアーの組み合わせで世界を驚愕させたイギリス海軍だったがイギリスの財政難と双方の老朽化に伴い2014年までに運用を終了した。
それに先立つ1998年、イギリスは後継として新型空母の開発を決定、翌1999年にはイギリス・BAEグループとフランス・タレスグループの2社が開発・建造に名乗りを上げた。そして2002年艦載機はF-35Bに決定する一方、開発・建造はタレスが優勢となった。ところがイギリス側は国内事情を考慮して『設計はタレスだが建造自体はBAEを中心とするイギリス企業連合で行う』ことを決定した。
タレス側はプロジェクトの規模と当時持ち上がっていたフランス海軍向け新型空母計画に繋がる実績作りの観点からこの決定を呑み、2010年に『クイーン・エリザベス』の建造が開始された。
ところが肝心のF-35Bの開発が遅延したことにより比較的開発の進んでいたF-35Cに変更することが決まったのだが『クイーン・エリザベス』の建造が設計変更がしにくい状況まで進んでいたため『プリンス・オブ・ウェールズ』を設計変更して建造し、『クイーン・エリザベス』は就役後は艦載機は当面ヘリコプターのみ、もしくは予備役として不活性化する案が出たがその方が財政的な負担が大きいことが判明したため従来の計画通り『2隻運用、F-35B採用』が再決定した。
全長284m、最大幅73m、満載排水量67000t越えの船体の外観は中心線を境に2つのアイランド艦橋が聳える右舷側、艦首にスキージャンプを備えた左舷側と特異なものになっている。
2つの艦橋は艦首側が操艦+作戦指揮用、艦載機用エレベーターを挟んだ艦尾側が航空機管制用に分けられており、戦闘時にダメージを受けても統制機能が全喪失する事を避ける構造になっている。
但しこの構造に加え艦載機用エレベーターを2基とも右舷側に備えたことで右舷甲板は艦載機の事前準備スペースに大部分を割かれており、離発着の大半は左舷側で行われる。
なお、前述のフランス向け仕様ではF-35Bを運用しないフランス海軍のためスキージャンプは採用せず全通甲板+カタパルト発艦方式を採用する予定だったが中止となっている。
また、本級の推進方式はガスタービン発電機+ディーゼル発電機とモーターを組み合わせた統合全電気推進方式(IFEP)を採用し速力最大26㏏、航続距離は10000海里となる。
本級では艦載機を最大48機搭載できるとされているがその内訳は目玉であるF-35Bを最大36機、各種ヘリコプターを10機となっている。先代のインヴィンシブル級空母ではヘリコプターこそ同数だがハリアーは最大12機だったことを考えれば大幅に増えている。
また本級の乗員数は操艦要員679名、航空要員610名に加えて海兵隊員250名の搭乗も可能であり輸送ヘリコプターを用いた揚陸で迅速な展開を行える。ただし上陸用舟艇の運用能力は持たないがイギリス海兵隊は特殊部隊要素が強い軽歩兵部隊の為、その重要性は低い。
なお、本級自体の兵装はファランクスCIWS3基とRWS式30㎜機関砲4基に加え、M134ガトリング銃用銃座複数と規模の割に軽微である。
掲示板
9 ななしのよっしん
2022/01/24(月) 11:43:24 ID: DpYrMWK9xX
いろいろツッコミたいのはやまやまだが
なんで艦橋を2つ乗っけてるの?
空母は甲板を広くとるもんじゃないのか?
10 ななしのよっしん
2022/10/09(日) 17:46:41 ID: Is9GGNguA/
ガスタービンの動力を前後にシフト配置にしてるから。いずも型あたりも前後の煙突は離れてる。
無理にひとつのアイランドにまとめようとすると、配管が長くなって整備性が下がる。逆にアイランドがでかくなるのは、空母としてうまくない。
なら、アイランドふたつおっ立てよう。という流れであのデザインに。
これも英国面だ。
11 ななしのよっしん
2022/11/24(木) 07:58:00 ID: ZZJlPicsUt
重箱だけど、いずも型も艦橋は二つに分かれてるぞい。洋上給油装置を間に置いてるから壁くらいしか繫がってない。
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最終更新:2024/04/25(木) 22:00
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