クトネシリカ 単語

2件

クトネシリカ

2.8千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

…霊の如く々とりつつ、首長の脾を、クトネシリカ、首長の脾っ直ぐに刺したりけり

ipeop-kunne,ninke kane,ainu chupolo,Kutune-shirka,ainu chupolo,aepekare

クトネシリカ(Kutune Shirka)とは、アイヌ民族の叙事ユーカラの1つ、またその叙事に登場する宝の名称である。

ユーカラ「クトネシリカ」

アイヌ民族の叙事ユーカラはおおよそ「カムイユーカラ」と「人間ユーカラ」の2つに大別されるが、「クトネシリカ」はその中でも「人間ユーカラ」に分類される物語である。

話の大筋は少年英雄ポイヤウンペが宝クトネシリカを携え、獸退治、合戦などで数々の功を立てるという典的な英雄譚。ただ、ポイヤウンペの最初の功績が黄金ラッコ(Kane rakko)討伐であったりするなど、アイヌ民族ならではの独特なモチーフに満ちたユーカラである。

人間ユーカラ」の中でも特に知名度の高い作品の1つで、「ユーカラの中のユーカラ」と称賛されることもある。

宝刀クトネシリカ

アイヌ語「クトネシリカ(Kutune Shirka)」の意味は諸説あるが、「シリカ(Shirka)」は「」の意味であって、身そのものではなくを含むの装飾具に大きなを秘めた武具である。

クトネシリカのには4つのカムイの彫物が刻みこんであり、危急の際には彫刻に憑依する4つのカムイを発揮する:

現実のアイヌ刀

アイヌ民族は基本的に自ら製作しなかったため、本州の和人から日本刀を輸入し武器として用いていた。

といっても日本刀をそのまま用いていたわけではなく、日本の拵えを外した身とアイヌ自作した・柄などを組み合わせたものをエムシ(太刀)として用いていた。

エムシ(太刀)は儀礼用にも用いられるため、アイヌ自作するや柄は複雑な彫刻・装飾が施されるの常であった。クトネシリカの伝説も、アイヌ制作に対する情熱から生まれたものと考えられている。

現代においても北海道博物館の多くで現存するエムシを見ることができる。ただ、シャクシャインの戦い後に多くの武器収された経緯から、現存するエムシには身がなくアイヌ制作したなどだけが残されている場合が多い。

創作作品でのクトネシリカ

伝説上の武具の1つとして、クサナギエクスカリバーなどと同様にゲーム漫画に登場することも多い。

大神

PS2専用ゲーム大神」では、オキクルミが扱う宝として登場する。

物語終盤の舞台である極北のカムイにて、クトネシリカは宝としてウエペケレの祭壇に安置されていた。しかしヤマタノオロチ死骸から飛び立った霊がカムイに流れ込むと、エゾフジに封印されていた双魔神復活し、ウエペケレに猛吹雪を浴びせて人の住めない地にしようとしてきた。このままではカムイそのものが氷漬けになりかねないとして、ウエペケレの戦士であるオキクルミ長のサマイクルが双魔神討伐に赴いたが、圧倒的なを見せ付けられて敗退。

カムイには「クトネシリカが鈍色にく時、氷は砕かれへのは拓かれん」という救世の予言が伝わっており、その予言にすがる形でオキクルミ断でクトネシリカを持ち出してを離れた。氷とは押し寄せる猛吹雪の事だと彼は考えており、クトネシリカをらせて双魔神を討伐するために妖怪(ケムラム)をっては血を吸わせ続けた。ところが一向にを宿さず、焦燥したオキクルミはやがて雑魚妖怪では満足しないようになり、より大物を狙うようになる。強い妖怪を倒すため横暴になり、仲間ですら見捨てるほど非情な男になっていく。

より強大な妖怪め、ヨシペタイのにあるを通って100年前の木村に移動。全盛期ヤマタノオロチに戦いを挑んだが、クトネシカは簡単に結界に阻まれ、オキクルミの命に危険が迫ってもろうとしなかった。それは戦いの最中に黄金色のきを宿したイザナギとは対照的であり、思い悩んだ彼は隠れるようにして現代へ戻った。

追い詰められて精的に余裕がくなったオキクルミは、双魔神が鎮座するイリワク殿に単身殴り込みを行う。深部にて双魔神の片割れモシレチクと遭遇し、顔にり付いてガムシャラにクトネシリカを振るう。双魔神を倒す事で頭が一杯なオキクルミイッスンの制止を無視して双魔神りかかるが、それは敵のだった。双魔神の眼前で時間停止を喰らって防備な姿をしてしまう。動けないオキクルミトドメの一撃が繰り出されようとしたその間、時間停止を強引に破った野威が介入し、オキクルミを突き飛ばして代わりに一撃を受ける。とっさの反撃で双魔神ダメージを与えて退却させる事に成功するも、野威は致命傷を負って崖から転落しそうになっていた。今追撃すれば双魔神を倒せる。しかしその横では自分をかばって重傷を負った野威が落ちかけている。オキクルミは悩んだ。更に枯れ木が野威を掴んでいるアマテラスイッスンの方に倒れそうになっており、2匹とも気付いていない。短い逡巡で彼が出した答えは…。

振るわれたクトネシリカは枯れ木をっ二つにした。オキクルミ野威の命を優先したのだった。その時、クトネシリカは鈍色のきを宿す。クトネシリカは今までかなかったのは、仲間を見捨てるほどの非情な考え…オキクルミの心が曇っていたからだった。クトネシリカに仲間を想う気持ちを教わった彼は自身の過ちに気付き、心。双魔神を倒してカムイを救うべく、めてアマテラスに協める。そしてアマテラスとともに双魔神に挑み、見事撃破に成功。カムイを蝕んでいた猛吹雪は止まり、ピリカの祈祷によりエゾフジが噴火した事でカムイは救われた。

を終えたクトネシリカはオキクルミの手で祭壇に戻された。その時、クトネシリカより伸びた一条がラヨチの氷を砕き、箱舟ヤマトを浮かび上がらせた。箱舟ヤマトへのタカマガハラに通じる舟であった。

無限の住人

広明による漫画無限の住人」では、ヒロインである浅野の祖であった頃から宝として奉られていた。しかし場に押し入った逸流の戴斗が戦利品として持ち去り、後にはこのを取り戻すためにと対峙することとなる。

この作品では他に「ウルカラカンナスイ」というアイヌ短刀も登場する。

関連動画

関連静画

関連商品

関連項目

この記事を編集する

掲示板

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
山口剛央[単語]

提供: セナヘル

もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2024/04/19(金) 21:00

ほめられた記事

最終更新:2024/04/19(金) 21:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP