クリーブランド級軽巡洋艦とは、アメリカ海軍が運用していた軽巡洋艦の艦級である。
第2次世界大戦開戦を見越し1938年に策定されたアメリカ海軍の増強計画によって建造が決定された。
計画では52隻の建造が予定されたが14隻が建造中止、9隻が後述する軽空母へ転用され純粋な軽巡洋艦として就役したのは設計変更された『ファーゴ』級軽巡洋艦2隻を含む29隻だった。
本級は元々、対空巡洋艦として建造された『アトランタ』級軽巡洋艦の拡大型として建造される筈だったが後述の理由で1930年代に就役した『セント・ルイス』級軽巡洋艦の設計をベースにして建造された。
全長186m、全幅20.2mとやや拡大した船体は基準排水量で1万tに達し、満載では1万4000tを越える重巡洋艦級の規模となった。
これは元々『セント・ルイス』級、引いては大元の『ブルックリン』級軽巡洋艦が日本の最上型巡洋艦への対抗として建造されたことに由来するものであり『ブルックリン』級、『セント・ルイス』級も基準排水量で9000tを越える重巡洋艦級の規模を持っていた。
機関は10万馬力の蒸気タービン式、速力は32.5㏏と『セント・ルイス』級より1㏏程度低下したが航続距離は15㏏で1万1000海里と向上した。
なお、『ファーゴ』級では艦橋の規模を削減、ボイラーの配置変更に伴い煙突も2本から1本に改めたため本級との判別点となる。
本級の主砲は新開発の15.2㎝両用連装砲(対空+対水上兼任)を搭載する予定だったが本級の就役までに実戦配備に至らなかったため[1]結局『セント・ルイス』級と同様の15.2㎝3連装砲を搭載した。但し、『セント・ルイス』級が主砲を5基搭載していたのに対し、本級では4基に減らされている。
代わりに『セント・ルイス』級で4基搭載されていた12.7㎝両用連装砲を6基に増やし、新装備の40㎜機関砲や従来からの20㎜機関砲と併せて対空火力を大幅に増強した。
また、偵察用に水上偵察機4機も露天搭載しカタパルト2基を艦尾に備えていた。
なお、魚雷発射管は搭載していない。これは『セント・ルイス』級、ひいては『ブルックリン』級から受け継いでいる。
本級は太平洋戦線や朝鮮戦争で空母機動部隊の護衛や上陸作戦時の艦砲射撃で活躍したが大戦終結直後からモスボールを経て輸出もされず退役するものも少なくなかった。
その中から6隻が対空ミサイル巡洋艦として改造、再就役した。3隻づつが『ガルベストン』級、『プロビデンス』級と分類されているが前者は大型ミサイル『タロス』、後者は中型ミサイル『テリア』を装備しているという違いで基本的な改装は以下の通りである。
ミサイル関連装備 | 艦後部構造物と艦砲を撤去し射撃レーダーや 連装発射機へ換装・改造した。 |
艦砲の削減 | 15.2㎝砲と12.7㎝両用砲を削減し40㎜機関砲と 20㎜機関砲は撤去。 2対1の割合で15.2㎝砲と12.7㎝両用砲各1基を 残したものと15.2㎝砲2基、12.7㎝両用砲6基を 残したものが存在した。 |
航空機 | 水上機関係の設備は撤去され艦尾は格納庫なしの ヘリポートとした。 後に無人対潜攻撃ヘリ『QH-50』と関連装備を 装備して対潜水艦対応力を強化した。 |
艦橋の大型化 | 前述の艦砲を大幅削減した4隻は艦橋を拡大し、 司令部施設を増強して主力艦隊旗艦としての 能力を追加した。 |
バラストの追加 | 改造を実施した結果、トップヘビーの問題が発生 したことから重心低減のためバラストを追加して 対応した。 |
対空ミサイルを実戦で運用する機会はなく、艦隊旗艦としての任務やベトナム戦争において当時には貴重な艦砲になっていた15.2㎝砲を活かした艦砲射撃に従事し、1970年代中には6隻全てが退役した。
その内、『ガルベストン』級に分類された『リトルロック』が記念艦としてニューヨーク州・バッファロー市で保存されている。
本級をベースにした航空母艦。1943年中に全艦が就役したことから『月刊軽空母』の異名をとる。
元々建造予定がなかったが開戦直前の1941年夏に当初の建造計画では1944年まで新造の航空母艦が戦力化されないことを知った時の大統領、フランクリン・ルーズベルトのアイデアから生まれたものである。
特徴は以下の通り。
船体の改造 | 船体の全長は190m、全幅は33m と拡大した。 艦橋と煙突は右舷に設置された。 |
速力 | 船体が拡大した分速力は31㏏に 低下したが航続距離は15㏏で 1万3000海里と延伸した。 |
艦載機 | 艦内格納庫に30機、甲板に露天繋止 で15機と最大で45機搭載可能。 |
艦砲 | 当初は12.7㎝単装両用砲を2門装備 していたが最終的に40㎜機関砲と 20㎜機関砲のみとなった。 |
1943年から就役が始まったインディペンデンス級はエセックス級に規模こそ及ばないが護衛空母群を上回る能力(特に速力)で主力部隊に参加し、マリアナ沖海戦、レイテ沖海戦、坊ノ岬沖海戦、数々の上陸作戦で活躍した。
しかし、レイテ沖海戦で『プリンストン』が空爆を受けた末に救援に当たっていた従姉妹艦である軽巡洋艦『バーミングハム』[2]を含む軽巡洋艦2隻、駆逐艦2隻を損傷させる爆発を起こした末に沈没した。
また、海戦後にフィリピン沖に展開していた4隻が『コブラ台風』と呼ばれた熱帯低気圧に遭遇した際に損傷している。
大戦を生き延びた8隻のうちネームシップ『インディペンデンス』はクロスロード作戦を含む各種の兵器実験に使用される標的艦となって沈没し、残る7隻は一時モスボールされた後に2隻がフランス海軍に譲渡、
5隻は朝鮮戦争で復帰後に訓練や輸送任務など裏方に回り、1960年代にはフランスに譲渡された艦を含め退役・解体されていった。
しかし、『カボット』はスペイン海軍に譲渡され『デタロ』へ改名し、ヘリコプター空母を経て1972年に世界で初めてVTOL戦闘機ハリアーを運用する空母[3]となり1989年まで現役であった。
掲示板
10 ななしのよっしん
2018/11/20(火) 19:56:34 ID: K4wl0j2oa/
実際ミリオタか艦船オタじゃ無い場合知るルートは>>6が上げた二つだよなあ。
11 ななしのよっしん
2019/02/23(土) 23:26:25 ID: Y2+PaNiUdA
「インディペンデンス級」からのリダイレクト出来たけど、あの、沿海域戦闘艦……
12 ななしのよっしん
2019/08/21(水) 17:04:09 ID: W3pkgpXZlD
艦これでミリタリー入ってからいろいろ検索して見つけたわ
艦これでもアトランタ級共々実装されてほしい
そういえば同名のドッグ型輸送揚陸艦もあったそうで
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最終更新:2024/04/25(木) 04:00
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