クロックとは、
クロックとは、論理回路全般で使われる信号だが、一般的にはもっぱらCPUの性能を表す数値として認識されている。
そもそも、クロックとは何なのかというと、回路を動かすタイミングを決める役割を持っている。単位が"Hz"なのもこのためである。信号ももちろん、周期的な信号で方形波が使用されている。つまり、この周期が狭い=周波数が高い程単純に速いというわけである。例えば、「クロック周波数1GHz」と言った場合、内部の回路は1秒間に10億回動作していることになる。
もちろん、単純にクロック数が高ければ性能が高いというわけではない。ある処理を回路Aは3クロック、回路Bは4クロックかかる場合、当然同じクロック数で動作させれば回路Aの方が早く処理が終わるのは明確である。
他にも処理の並列化などの速く処理できる工夫もなされている。そのためクロック周波数は回路の性能を決める要因としては小さいものではないが、絶対的なものではない。
CPUにおけるクロック数は技術の進歩とともにGHz単位まで上がってきたが、それに伴い無視できなくなってきたのが消費電流である。クロック数が増えるということは、要は回路に仕事をさせる回数が増えるため、その結果消費電流も上がっていくのである。
消費電流が大きいとどうなるか?まず発熱(および排熱)が大変なことになるし、今やほとんどの人が持っている携帯電話などのようにバッテリー動作が前提の品物だと電池を長時間持たせることができない。また最近の節電・エコブーム的にもよろしくない。
実はこのことはモバイル機器に限ったことではない。サーバーなどの大規模なマシンの場合、発熱はサーバーなどが壊れてサービス停止のリスクが増える。また冷却に必要な設備も大規模にしなければならなくなるため、消費電力が上がることはすなわち電気代や冷却などのコストに跳ね返ってくるのである。実際、「電力効率」もサーバー導入の指標になっている程である。
実際にクロックの上げ過ぎが問題となったことが大きく周知されるようになった出来事といえば、世界トップの半導体メーカーであるインテルは当初はクロックを上げまくる方向でCPUの性能を向上させていたが、あるところでこの方法では性能向上以上に上記の発熱などのデメリットが尋常じゃなく大きくなることが判明した。そのため当初の計画から大きく路線変更をせざるを得なくなった程である。
現在では、モバイル機器に限らず大規模なコンピューター向けであっても設計者およびメーカーは単純に処理性能だけを追求すればよい時代ではなくなっているのである。
特に自作PCで行われるのがオーバークロック(クロックアップ)である。詳細はここでは挙げないが、要はクロック数をユーザーの手で無理矢理上げて、さらなる性能を得るというものである。オーバークロックできる要因はさまざまだが、だいたいは製品の定格からの余裕をさらに切り詰めることで実現させることが多い。
目的としては「安いコストで一回り上の性能を得たい」「とにかくベンチマークでスコアを出したい」という個人的なレベルからそれこそオーバークロック自体が競技になっているレベルまである。特に競技レベルとなると回路を冷やすのに液体窒素を使うなど、もはや実用性などシラネなさながらモータースポーツのようなレベルまで様々である。
デメリットとしては、メーカーの設定した余裕を切り詰めるため、同じ製品でもオーバークロックで動作しないこともあるし、動作しても何らかの不具合が発生するかもしれない。
上記のようなリスクも存在するが、そもそもオーバークロックはメーカー保証対象外である。オーバークロックしたPCで不具合が起こってもすべて自己責任である。オーバークロックの設定ができるモデルも存在するが、こういうモデルはあくまでも「オーバークロックの設定をできるようにしただけ」のモデルであり、オーバークロックして動作保証する製品ではない。
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最終更新:2025/03/24(月) 21:00
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