グリーザとは、『ウルトラマンX』『ウルトラマンZ』に登場する怪獣のようなナニカである。
虚空怪獣:グリーザ | |
登場作品 | ウルトラマンX |
サブタイトル | 第1話「星空の声」 第21話「美しき終焉」 第22話「虹の大地」 |
体長/全長 | 測定不能 |
体重 | 測定不能 |
出身地 | 宇宙 |
意志も知性もなくただ本能の赴くまま星の生命エネルギーを求めて宇宙を彷徨う正体不明の存在。
物質からエネルギーまでこの宇宙に存在するあらゆるものを取り込んで無に帰すという恐るべき性質を持っており、自身もまた質量ゼロ、熱量ゼロという物理法則上“存在し得ない存在”でありながらまるで何かの生命体のように振る舞っているという不条理の塊としか言い様がない化物である。
人間の目には棘の生えたウニのような発光体のように見えるが、これもグルマン博士曰く「自分の脳が無理やり可視化させているだけ」との事。
かつて3つの星を滅ぼした後、次に太陽系に侵入した所をXに見つかって彼と激突。この時はXの手で太陽に叩き込まれるが、その際にウルトラフレアと呼ばれる衝撃波が発生し、Xの身体はデータとなって失われ、地球では眠っていたスパークドールズ(SD)の怪獣達が次々と覚醒する事態が発生する事となる。
それから十数年の間休眠状態になっていたが、やがて活動を再開。“ダークサンダーエナジー(DTE)”なるエネルギー波を放ってそれを浴びた怪獣を凶暴化させたり、さらにそのDTEの影響で異次元からグア軍団が現れるなど様々な事件を誘発していた。
実はDTEとはその星に糧となる生命体が居るかを探るためのシーカーであり、それによって見つけた地球を新たな餌場と定め、本格的な活動を開始する。
グリーザの地球での形態で、明滅するマスクのような頭部と胸に一つの発光体を持ったヒューマノイド(と言うか宇宙人)に近い姿が特徴。人の笑い声とも鳥の鳴き声とも付かない独特な声を発する。
時折身体全体が発光したり輪郭が激しくブレるような様子を見せ、その挙動もまるで酔拳を彷彿とさせる不自然かつ不規則なものであり、さらに常に周りの空間を歪ませていて敵からの攻撃を湾曲させて躱したり、テレポートを繰り返しているかのような動きで相手の虚を突くなど対峙した者を悉く翻弄する。
頭部の発光器からはグリーザビームやグリーザボルテックスなどの稲妻状の破壊光線を乱射し、胸部と背部の発光部からもグリーザダークライトニングと呼ばれる超高出力のエネルギー波を放つ。
大規模なSD保管庫があるXioネバダ基地を襲撃してそこのSD群を取り込むと同時にこの形態となり、次は同じく多数のSDが収められている日本基地に向けて移動を開始。Xioの洋上艦隊を一蹴して日本に飛来し、迎撃に出たエクシードX、サイバーゴモラもその定まらない動きと凄まじい戦闘能力で苦しめた。
そして追い詰められたXをグリーザアブゾープションで吸収したが、彼が体内でエクシードエクスラッシュを発動させた事で一度はXもろとも消滅する。しかし間もなく再生を果たし、守る者の居なくなったXio日本基地を破壊して全てのSDの怪獣達を開放するとその直後に無数の手のような触手を伸ばして怪獣達を次々と取り込み、第三形態へと進化した。
グリーザがゴモラをはじめとするXioが保管していた全てのSDを取り込んで進化した姿。
スリムだった第二形態と比べて全体的に巨大化しており、さらに全身に無数の発光体と背中に幾つもの枝のような部位を備えたド派手かつシュールなオブジェの如き禍々しい形態となっている。
この形態では動きこそだいぶ落ち着いたものになっているが、火力面は大幅に強化されており、取り込んだSDの技を己のものとして使用する他、全身から無数の電撃や光弾を放つ能力を有するようになる。また、生半可なエネルギー攻撃はそのまま吸収して無効化する。
基地を失ってなお対抗するXioメンバーの猛攻撃を物ともせず進撃を続け、アスナの努力で復活したXもその取り込んだSDの力で圧倒するが、エクスラッガーによるコアへの直接攻撃と大地の呼びかけでゴモラのSDが反応、さらにそれに呼応して他のSD達もグリーザから分離してしまう。
そしてXは全てのサイバーカードとユナイトした“ハイブリッドアーマー体”へとパワーアップ、グリーザの反撃もそのXには通用せず、最後にはウルティメイトザナディウム光線とエクスラッガーの一撃を受けて完全に滅び去った。
第15話「戦士の使命」に登場。
前話となる14話「四次元狂騒曲」のラストで、あのあまりにも特徴的な笑い声を響かせ、あわせて次回予告で『ウルトラマンX』以来まさかの再登場が確定し視聴者を震撼させた。どれくらいの衝撃だったかというと、『X』で大空大地を演じた高橋健介氏が「え、エックスと結構な想いでグリーザ倒したと思ってたんですけど。」とツイートするほど。
そしていよいよ15話冒頭、第一形態で地球に突如出現したかと思うと、すぐさま人型の第二形態に変形、ビル群を次々に無へと還しながら市街地上空を飛び回った。『X』登場時は第二形態に変身したあとに第一形態へ戻ったりはしなかったが、今回はなぜか第一形態と第二形態で可逆的に形態変化を繰り返す描写がある。
リク(ウルトラマンジード)によると、このグリーザは14話でブルトンが倒されたことで開いてしまった「宇宙の穴」なのだという。ブルトンは宇宙のバランスを保つ要石の役割を担っていたようだ。すなわちグリーザは今回も「怪獣」というより「現象」であり、いわばダムの堤体に開いた穴のようなもので、放っておけばそこから水がすべて抜けてダムが空っぽになるがごとく、地球もグリーザという穴に吸い込まれてこの宇宙から消えてしまう。
その戦闘能力は健在で、ウルトラマンZ・アルファエッジとウルトラマンジード・ギャラクシーライジングに加え、ヘビクラが変身したトライキングの3者を相手にしてもなお「戦闘にすらならない」ほど。あいかわらず酔拳のような、あるいは自分だけ早回しの映像のようなつかみどころのない挙動と、『X』登場時以上に多彩な猛攻で圧倒する。トライキングから強化したファイブキングがガンQの能力でグリーザを吸収してしまおうとするが、これも通用しない。
絶望的な戦況のなか、ジードが「グリーザは宇宙の穴であり、それを塞ぐには針が必要」「その針はグリーザのなかにある」と、Zに自らのウルトラメダルを託し、あえてグリーザに吸収される。このジードの捨て身の戦法でグリーザは虚無と実体の狭間に幽閉され、一時的に行動を停止する。
それも束の間、同日夜にはふたたび活動を再開。ジードとの同化が進んだため、実体化こそしたものの、笑い声にリクの声が混じり、しかもジードの幻影がグリーザと重なるようにゆらめき、おまけにジードの必殺技であるレッキングバーストまで使えるようになっていた。
だがハルキとZは、ゼロビヨンドとジード、そしてベリアルアトロシアスのメダルで合体変身する最強の形態「デルタライズクロー」に覚醒。その初撃でまずグリーザは取り込んでいたジードをはじき出される。
そして夜の市街地で熾烈な空中戦を繰り広げたのち、Zによって「針」、すなわちジードと融合しかけたさいに取り込んだベリアル因子がグリーザの体内にひろがる無の宇宙に触れたことで生まれた幻界魔剣「ベリアロク」を引きずり出される。
グリーザの光線はすべてベリアロクに吸収・反射され、さらには猛烈な斬撃を見舞われる。最後はデスシウムスラッシュでZ字に斬られ爆発四散したのだった。
今回は第三形態こそ登場しなかったが、ジードと同化したことで実体化・その能力までも我が物としていたことから、姿は第二形態のまま実質第三形態に移行していたともいえる。また、『X』のときは「思いを形にする」エクスラッガーを吸収したことで実体化し、そのうえでスパークドールズたちがXに協力、すべてのサイバーカードをリードすることで実現した最強形態ハイブリッドアーマーの大火力でグリーザの撃破に成功したが、今回も、
これらが揃っていたからこそグリーザを倒せたのであり、やはりある種の奇跡でもなければ手出しさえできない難敵であったことには変わりない。もし、ハルキとZの救援にきたウルトラマンがジードではないほかのウルトラ戦士だったら、融合されても「針」は生まれていなかったかもしれないし、ハルキがベリアロクに対して「Zさん! これから一緒に戦っていくんだから、挨拶くらいしないと失礼ですよ!」「俺、ナツカワ・ハルキっす! 今後とも、よろしくお願いします!」と元気よく頭を下げる好青年でなかったら、グリーザ打倒は望むべくもなかっただろう。
ちなみに、グリーザがZ・ジード・トライキングと戦っているときのBGMは、『エックス』の第21話「美しき終焉」でグリーザがウルトラマンX・サイバーゴモラ・スカイマスケッティの迎撃を受けているときのBGMである。グリーザという存在がもつ恐ろしさと絶望感がこの上なく表現された名曲である。
モチーフは“ゼットン”で、さらにそのデザインにはスペインにあるサグラダ・ファミリアの天井部分の造形がイメージとして組み込まれている。
曰く監督が子供の頃に刻み込まれたゼットンの恐怖感をそのまま再現したとの事で、それゆえ“感情が読み取れないマスクのような顔”、“不気味な挙動と仕草”、そして“圧倒的な戦闘能力”と見てる人を畏怖させる要素がてんこ盛りであり、早くもシリーズのトラウマ要員の一つに数える人も居る模様。
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最終更新:2024/04/18(木) 11:00
最終更新:2024/04/18(木) 11:00
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