グレープブランデーとは、
グレープブランデーとは日本の競走馬。
馬名の由来は「ぶどう酒を蒸留したブランデー」である。
主な勝ち鞍はフェブラリーステークス・ジャパンダートダービー・東海S。
父・マンハッタンカフェ
母・ワインアンドローズ (母父・ジャッジアンジェルーチ)
父であるマンハッタンカフェは競走馬としては菊花賞・有馬記念・天皇賞(春)を制した馬で、種牡馬としてもレッドディザイアやヒルノダムールを出すなど大活躍している馬。
一方、母父のジャッジアンジェルーチは父親としてはゴーカイを出すにとどまった馬ではあるが、母父としてアジュディミツオーやエガオヲミセテ・オレハマッテルゼ姉弟を出すなど、母父としてまずまずの成功を収めている。
グレープブランデーがデビューしたのは2010年9月の阪神競馬場のレース。
このレースでは最後追い上げたものの2着に惜敗。
しかし、連闘で挑んだ未勝利戦で1番人気にこたえ初勝利を挙げる。
その後、500万下のレースを突破するのに3戦かかった後に、芝のオープン戦であるすみれステークスに挑んだ。
このレースでは2着に入ったが、この馬の能力をフルに使うためにはダートのほうがいいという判断から、陣営は牡馬クラシック路線ではなくダート路線にこの馬を進めることになる。
続く、被災地支援競走いぶき賞(※1)を勝ち、重賞初挑戦となったユニコーンステークスに挑んだがこのレースでは2着。
そして、GI初挑戦となるジャパンダートダービーに挑んだ。
この年は、2001年のトーシンブリザード以来10年ぶり、また1989年のロジータ以来牝馬による、南関東三冠がかかっていたクラーベセクレタが出走しており、1番人気こそグレープブランデーであったが、同じ倍率でクラーベセクレタが2番人気であった。
レースでは直線で力強く抜け出したグレープブランデーが追い上げたクラーベセクレタやボレアスを完封し見事GI初制覇となった。
なお、クラーベセクレタは3着に敗れ、南関東三冠の夢が破れた。
さらに、その後の検査でクラーベセクレタからは禁止薬物であるカフェインが検出され3着から失格になってしまい、まさに踏んだり蹴ったりのジャパンダートダービー出走となった。
しかし、グレープブランデーにも思わぬ苦難が襲うこととなる……。
異変が分かったのは9月。
放牧先であった山元トレーニングセンターで、右前脚の蹄骨骨折が判明したのである。
蹄骨骨折?と思われる方もいるので説明すると、競走馬の四肢の指は人の指で例えると中指だけで構成されている。
そして、その中にはいろいろな骨があるのだが、その中で故障しやすい場所の一つと言われるのが蹄骨なのである。
この蹄骨の故障はしばしば競走馬にとって致命的な蹄葉炎にもつながることもあるため、故障しないように慎重に扱われる。
この馬の場合は軽症であったため復帰することが可能であったが、ダートで7戦7勝の実績を残したスパイキュールのように蹄骨骨折により競走能力喪失と診断され引退に追い込まれた馬もおり、蹄骨骨折というのがいかに重大な故障かということが分かるのではないだろうか。
その後10カ月の休養を経て、2012年5月に復帰したが、そのレースでは15着と惨敗。
また、同じ日にカレンブラックヒルがNHKマイルカップを制した。
実はこの9ヵ月後に同じレースに出走することなるのだが、この時点ではそんなことを誰も考えていなかっただろう。
その後も低迷が続いていたが、浜中俊を背に挑んだ小倉の阿蘇ステークスでジャパンダートダービー以来久々の勝利の美酒を味わうこととなった。
阿蘇ステークスの勝利後、重賞2戦を挟んで、ジャパンダートダービー以来、1年5か月ぶりのGIとなるジャパンカップダートに出走した。
このレースでは5着であった……のだが、勝ったニホンピロアワーズが3番手から抜けだした時の衝撃の脚や6連勝中だったローマンレジェンドのまさかの敗戦、さらに厩舎の先輩でもある王者トランセンドの落日など、レース中にいろいろなことが起き過ぎて、ほとんど目立たなかった。(もっともGI5着で目立つ方がおかしいのかもしれないが……)。
そして、年が明けて2013年。
始動戦に選んだ東海ステークス(G2)を快勝し、フェブラリーステークスに挑んだ。
(この時の最終追い切り相手がロードカナロアだった。安田厩舎(※2)はホントにいい馬が多いと実感させられる)
ところが、前哨戦を勝って挑んだにもかかわらず3番人気であった。
このレースの1番人気はダート初挑戦で天皇賞(秋)以来の出走となるカレンブラックヒル。
そして2番人気はゲートに難があるが、前年の武蔵野ステークス優勝馬のイジゲンであった。
ゲートが危なっかしいイジゲンはともかく、芝馬のダート初挑戦がGIは地雷だと言われているのに……。
レースでは、イジゲンが大きく出遅れ、カレンブラックヒルが直線で全く伸びず、1番人気と2番人気の2頭が馬群に沈む中、グレープブランデーは先に抜け出したエスポワールシチーをとらえ、力強く抜け出すと、ジャパンダートダービー以来のG1・2勝目を挙げ、見事完全復活を果たした。
ところが、レース後になり右第一指骨剥離骨折が判明してしまい休養に入ることとなった。
ただし、今度は軽度の骨折であり10月のマイルチャンピオンシップ南部杯で復帰し4着。この年は後2走していずれも二桁着順で終える。
その後も重賞で2着2回、3着3回と好走はしたが勝ち星は挙げられず、2017年1月の根岸ステークス13着を最後に現役を引退した。
※1 例年は端午ステークスとして開催。2011年は東日本大震災が発生したことより、レース名を変更して開催された。なお、翌年からは再び端午ステークスとして開催されている。
※2 安田隆行厩舎のこと。同厩舎にはダート馬の先輩としてトランセンドが、また重賞での実績馬としてはカレンチャン・ロードカナロア・ダッシャーゴーゴーなどがおり、ある意味では強い馬が育ちやすい環境であるともいえる。
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最終更新:2024/04/25(木) 02:00
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