ケン・ビーダーシュタットとは (ケンビーダーシュタットとは) [単語記事]

「死ぬな！そうすれば必ず戻れる！」

ケン・ビーダーシュタットとは、機動戦士ガンダム戦記に登場する人物である。年齢は27歳。
CVは石田彰、小西克幸、楠大典など。

概要

ジオン公国軍に所属する軍人で、階級は少尉。MS遊撃小隊を率いる指揮官でもある。青の短髪をオールバックにしており、右眉には傷がある。

PS2 ソフト「ガンダム戦記」ではジオン軍側の主人公を務め、連邦軍側の主人公マット・ヒーリィとはライバル関係にある。PS2専用ソフト「ガンダム戦記」が初出のように見えるが、本作では名前や容姿の設定が無かったためコミカライズ版ガンダム戦記が実質初登場作品となる。
妻子持ちだとギャルゲーの主人公になれないからね、しょうがないね。一方、娘と同じくらいの年齢であるメイ・カーウィンの事は大切に思っており、バイコヌール基地では彼女を安全な宇宙へと脱出させている。

原作ゲームと漫画版では物語に差異が見られる。後発の作品では漫画版を基にしている事が多い。だが作品によってジャブロー攻略戦に参加したりしていなかったり、オペレーターのユウキが死亡したり死ななかったりと揺れ幅が大きい。

元々はコロニー公社に勤めており、サイド3「ムンゾ」の建造にも携わっていた。腕利きチームの一員として、家族でサイド3に赴任する。しかし開戦前夜、運悪く軍事機密を見てしまった事で拘束され、軍への協力を強要される。後年の作品ではケンの技量に目を付けたジオン軍によって妻子を人質に取られ、やむなくジオン軍へ入隊した事になっている。漫画版によると一人娘がいるようだ。

家族の安全とサイド3の市民権を得るため、モビルスーツパイロットとなって一年戦争に参加。開戦劈頭のルウム戦役に参加しており、この時に親友を亡くした事から、仲間の生還を第一に考えるようになる。このような来歴から、家族を人質に取ったザビ家の事を快く思っておらず、ジオンの大儀よりも家族の安全のために戦った。ルウム戦役終結後、ダグラス・ローデン大佐の特別義勇兵部隊・MS特務遊撃隊(通称外人部隊)の小隊長となる。作戦時のコードネームはレッドリーダー。外人部隊はジオン軍から白眼視されており、ケンは少尉だが実際は正規兵の同階級より一つ下の扱いだった。

ジオン軍による地球降下作戦が始まると、ケンも地球へと派遣される。捨て駒のように扱ってくるジオン軍上層部の命令に従う。理不尽な命令でも、妻子を人質に取られているケンには従うしか無かった。苦しい戦いばかり強いられてきたが、上官や部下に恵まれたのが幸いだった。
小隊長の立場でありながら、自身もパイロットとして最前線に立つ。最初の搭乗機は指揮官用ザクⅡ。

訓練を受けた生粋の軍人ではないが優れた戦略眼を持ち、自分たちにとって何が必要かを的確に判断する。彼の正確な指示は、幾重もの死線をくぐりぬける鍵となった。

作中では

一年戦争も佳境を迎えた10月、ケン率いるMS 小隊は飛行するミデア輸送機を襲撃。この時、連邦軍のモビルスーツと初めて交戦する。陸戦型ジムからなる敵部隊を撃破し、機体の鹵獲を狙うも自爆と砲撃の二段構えで徹底的に破壊されてしまい、失敗に終わる。劇中の台詞から、ガルマ戦死後の出来事のようである。

その後、オデッサ防衛戦に参加。多数の61式戦車に守られたヘヴィ・フォーク級に攻撃を仕掛ける。濃い弾幕を前に苦戦するも、破壊に成功。善戦するが、連邦軍の圧倒的な物量を前にマ・クベ司令は戦線離脱。指揮系統は混乱し、防衛ラインは各所で破られ、オデッサ守備隊の壊滅は時間の問題となった。このためMS遊撃小隊は、連邦軍の追撃部隊を撃破しながら遁走。上官のダグラス大佐は状況を冷静に判断し、オデッサからの撤退を決意。用意してくれたガウに乗ろうとしたが、ジオン軍側のグール隊に敵前逃亡と見なされ、妨害を受ける。彼らの攻撃からガウを守る事には成功したが、陸路での脱出を強いられる。
連邦軍の敗残兵狩りから逃れるため、アジア方面へと脱出した。

退却するMS遊撃小隊は、各地で敗走する友軍を助けながら宇宙への脱出口であるHLV基地を目指した。その間にジャブロー攻略作戦、キャリフォルニアベース攻略戦が行われ、ジオン地上軍の崩壊は決定的となった。連邦軍から逃れながらHLV基地を目指すが、連邦軍の追撃は苛烈を極めた。そして遂に、オペレーターを務めていたユウキがメイをかばって死亡してしまう。大切な仲間を失ったケンは怒りのあまり阿修羅と化し、追撃してきた連邦軍のモビルスーツ隊をことごとく壊滅させる。その戦いぶりから連邦軍に「無慈悲な鬼神」と恐れられた。ちなみにサイドストーリーズではユウキは最後まで生存しており、ジェイクも地上で戦い続けた。

ようやく吹雪が覆うHLV基地に到着するが、例のグール隊と鉢合わせになり一悶着が起きる。連邦軍のマット中尉と共同でグール隊を殲滅し、メイ・カーウィンと部下のジェイクを宇宙へと脱出させる。好意を受けたメイは、お返しとして陸戦型ゲルググをケンに手配してあげた。以降、ケンの搭乗機はゲルググとなる(サイドストーリーズではHLV基地に到達した時点でゲルググに乗り換えていた)。

ダグラス大佐とオーストラリア方面軍司令ウォルター大佐の取り決めにより、残存勢力を地球に潜伏させる事が決定。外人部隊も潜伏する事になり、物資や潜伏先の手配に追われる。

来るべき決起に備え、地上で潜伏する道を選んだケンたちは、マット率いる追撃部隊と邂逅。降伏勧告を無視し、戦闘に入る。とある廃墟にて、マットの陸戦型ガンダムと刃を交えるが、決着がつく寸前で終戦を伝える放送が流れた。ザビ家が倒れた事により、妻子が解放されたためケンは戦争の継続を中止。
連邦軍に投降した。終戦後、無事にサイド3へ帰還。ジオン共和国軍に入り、大尉として活躍している。

搭乗機

陸戦型ザクⅡ
ケン最初の搭乗機。サイドストーリーズではブレードアンテナ付きの指揮官用機となっている。
漫画版ではシールドに二本の黒い線が入れられている。
ドム
小説版のみ搭乗。
陸戦型ゲルググ
メイの好意によって受領した新鋭機。ブレードアンテナが付いた指揮官機仕様。物語終盤の搭乗機で、これを使って連邦軍の追撃部隊に壊滅的打撃を与えた。

余談

ギレンの野望シリーズにも登場。ヴィッシュ・ドナヒューやニムバス・シュターゼン(！？)と仲が良い設定となっている。あのニムバスと仲が良いとか、ケンもなかなか変態である。
ちなみに能力的には中堅クラスのエースパイロット。イベントによる離脱も無いため使いやすい。だが関連イベントが無かったり、部下が未登場だったりと不遇の扱いを受けている。