ゲオスミン(Geosmin)とは、雨が降ったあとの地面の匂いの成分である。ジェオスミン。
ゲオスミンは、デカリン(デカヒドロナフタレン)誘導体の脂肪族アルコール。極めて微量でも匂いを感じることができる。雨上がりの土やアスファルトの匂いに喩えられる。命名の由来は、“geo-”(地球の)、“-smin”(匂い)。Geosminの発音は「ジオスミン」に近い。[1]
藍藻(シアノバクテリア)や土壌中のストレプトマイセス属菌などによって、テルペノイドの生合成経路中間体であるファルネシル二リン酸から合成されることが報告されている。降雨によって地面に叩きつけられた水滴からエアロゾル(微小な液滴粒子)が発生すると、それに伴って土壌中のゲオスミンも空気中に拡散される。[2]
ゲオスミンは、藍藻が産生する2-メチルイソボルネオール(2-MIB)とともに、カビ臭の原因物質としても知られる。カビ臭物質は河川や湖沼中の淡水魚に蓄積し、泥臭さの原因にもなる。10ppt = 1/100,000,000,000ほどの極めて低濃度(オリンピックサイズのプール2杯分の水に1滴混ぜる程度)であっても、ヒトはゲオスミンの臭気を感じることができる。[3]
なお、雨上がりの地面から立ち上ってくる匂いそのものは、ペトリコール(Petrichor)と呼ばれている。ゲオスミンは、ペトリコールの原因物質と捉えることもできる。ペトリコールの原因物質としてほかに、雷によって大気中に発生するオゾンがある。
ちなみに、ほかの天然のデカリン誘導体としてアンブロキシドがある。ゲオスミンの構造との類似性もあるが、こちらは龍涎香(アンバーグリス)の香り成分で、フェロモンのようなよい香りがする。
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最終更新:2024/04/19(金) 09:00
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