ゲノム(漫画)とは古賀亮一による漫画作品である。
雑誌移籍後の『新ゲノム』についてもこの項で取り扱う。
概要
生物学を学びに人間界にやって来たエルフの女子大生エルエルと生物研究所のコバヤシ所長、その助手のロボット、パクマンが繰り広げる「ワルイコの学習エロギャグ漫画」。テーマは虫だがたまに別の動物も取り上げることがある。
元々はビブロス刊「カラフルBee」で連載が始まった成人向け雑誌の巻末ギャグ枠。エロはほぼない。
掲載誌の休廃刊に伴って移籍を繰り返しながら25年近くにわたって連載を続けている古賀亮一の代表作。
掲載誌の変遷は カラフルBee→カラフルコミックPUREGIRL→コミックメガストア→コミックメガストアα→コミックホットミルク である。
「カラフルコミックPUREGIRL」までがビブロス版と呼ばれるが、この時期の単行本(『ゲノム 1~4』)はビブロス社の倒産に伴って絶版となっている。
「コミックメガストア」以降がコアマガジン版となる。ここから『新ゲノム』とタイトルを変えて(誌面上は『ゲノム』のまま)現在まで連載が続いている。また、コアマガジン社からは絶版のビブロス版を2巻にまとめた再編集版『ゲノム 金・銀』が発売されているので初期連載分もバッチリ読める親切仕様。
設定
舞台はアニメ版『ニニンがシノブ伝』によると、地球から遥か14万8千光年「大マゼラン星雲バーナード星系」の第二太陽系にある「第四惑星」という…
が、後に原作で描写された限りにおいては「地球」の「日本」の「東京都」の郊外が舞台の模様。
我々の住む地球との明らかな違いは「虫人間」の存在である。
「虫人間」はヒトと同じく知的生命体だが、先祖が虫(もしくは無脊椎動物)の人々。
先祖(モデル)となった生き物も同時に生存しているので、ヒトとサルの関係に近いものと捉えればよい。雌雄同体の虫人間もおり、ナメクジ人間のなっちゃんは「男も女も関係ない」と言い切った。
なお、虫人間は(一部の例外を除いて)女性はモデルとなった生物の特徴を部分的に備えた擬人化美女・美少女である。一方、男性虫人間はモデルの特徴がより色濃く出ており、頭部などはほぼそのまま。
また、虫人間の特徴を持ったスーツ「虫スーツ」なるものが存在している。
これは基本的にはただの虫人間コスプレなのだが、モデルに準じた特殊機能が備わっていることもある。
一部ではあるがインフルエンザウイルススーツなど虫人間が存在しない虫スーツも登場する。
パクマンが繰り広げる騒動の中、どさくさに紛れてエルエルが虫スーツを着せられる(と同時に生き物の解説をする)というのが『ゲノム』の基本的な流れである。
虫人間以外の住人としてはエルフ、高性能ロボット、人語を話すゴリラやブタ、そしてもちろん普通の人間たちも暮らしている。
登場人物(声優はドラマCDより)
- エルエル(福圓美里)
- 卒業研究のために小林生物研究所で住み込みの助手を務めているエルフの女子大生。
この漫画の数少ない常識人だが、気が弱いためパクマンのセクハラ被害にあっている。パクマンによって(大抵は無理やり)虫スーツを着せられているが、ノリノリで着用することもしばしば。終盤のコマには元の衣装に戻っていることもある。
長年の虫スーツ着用によりその着こなしはプロのレベルに達している。虫スーツとの親和性が高すぎて、虫スーツではなくハマキムシ印の布団にくるまっただけでハマキムシになりきってしまったこともある。
- ウサギが好き。「ウサギンジャー」という変なヒーローも大好き。1月1日生まれ。何故か尻尾が生えている。一応初期は成人向け漫画なので体を張る(意味深)羽目になることも…。
- パクマン(岩田光央)
- 誰が呼んだか緑の「自称」美少年。生物研究所の助手ロボット。
- 専らエルエルへのセクハラ担当。おはようからおやすみまでエルエルにセクハラを止めない。
- モデルは昔発売された「パックマン貯金箱」。貯金箱は今でもたまにヴィレッジヴァンガードなどに置いてある。連載初期には今よりずっとこの貯金箱に近いデザインをしていた。
- たまに自分を改造してバージョンアップしたりするが、ロクな結果にならない。
毎年冬になるとコタツを改造するが、こちらもやはりロクな結果にならない。
毎回エルエルに虫スーツを着せているが、同じテーマは二度やらない「セイムスーツアゲイン」のモットーを掲げているため、タンスにストックされた大量の虫スーツの中から毎回違うものを持ってくる。
- エルエルを嫁にしようとするバッタから護衛する役割も嫌々ながら持っている。
子供や男の子たちになぜか大人気。見知らぬおっさんやゴリラたちとの広い交友関係も有している。
- 『ニニンがシノブ伝』アニメ版では忍の打ったホームランボールを、遥か彼方の惑星にてパクマンが発見するシーンがある。
- ちなみに外見が「ケロロ軍曹」に似ているという言及があるが、このキャラが初出(ちなみに古賀は『ケロロ軍曹』単行本1巻時点では吉崎観音のアシスタントをしていた)。
- コバヤシ所長(三石琴乃)
- 生物研究所の所長。一応、エルエル・パクマン・所長の3人まとめて『ゲノム』の主人公である。
眼鏡を取ると美女だが、誰からもコバヤシ所長と認識されなくなる。Gカップ。
パクマンのセクハラ被害者とりあえずその2。ただしやられたらやりかえすのでパクマンもひどい目に遭っている。
ゲノムキャラの中では年長者にあたるため年増呼ばわりされることが多く、本人は若く見られたがっている(子ども扱いされたがることもしばしば)。
基本的にはツッコミにまわることが多いが、酒が絡むととたんにダメダメになる。
出番が少ないのをよく気にしている(実際登場エピソードは多いものの登場コマ数は少ない。連載初期にはもっと出番があったのに…)。
実はエルエルに初めて虫スーツを着せたのはパクマンではなくこの人。
- なっちゃん(松来未祐)
- ナメクジ型虫人間。左右の頬にナメクジの茶色い模様がある。初期の模様は細かったが現在は太くなっている。一見すると美少女だが雌雄同体なので性別はない。
- 初登場時エルエルに優しくされたので、エルエルに好意を寄せている。
登場するたびにエルエルにアタックしており、また頻繁にセクハラに及ぶ。ついにはエルエルも観念して無抵抗で胸を揉まれていたことさえある。
ナメクジなので乾燥や炎天下が苦手で梅雨が大好き。雌雄同体なのでもちろんナニがついている。
パクマンは自分以外の男性の象徴が嫌いなのでセクハラの対象外。
髪型は長い髪をおろしていたが、現在は触覚を隠すためかお団子にしている。
ちなみになっちゃんが登場前にエルエルはナニがついている「カタツムリ」コスプレをしたことがある。
- ダクエル(渡辺明乃)
- ダークエルフ。エルエルの幼なじみ。
エルエルをいじめるためにやって来たというが、実際はエルエルをいじめから守っていた。
シャコ先生の道場で空手を習っており、パクマンも例外ではなく、よく鉄拳制裁している。
パクマンのセクハラ被害者その3だが、たびたび反撃する。
- バッタ16世(伊藤健太郎)
- エルエルのストーカー。バッタ王国の王子。なんと最古参準レギュラー。
エルエルに一目惚れしたため、バッタ王国の情報網を駆使ししてあの手この手でエルエルを嫁にしようとするが、パクマンによって阻止されている。イナゴ姫というブサイク(というかそっくり)と結婚させられた後もエルエルを付け狙っている。それどころかなんとイナゴ姫との間に子供ができてもエルエルを狙っている。
- パクマンの親父
- 見た目は黒いパクマンそのもの。
パクマンの理想とする男として夢の中だけに登場していたが、『新ゲノム』2巻でテレビに外部出力したら現実世界でもコンタクトできるようになった。以降はテレビの中に住み着いている。
行動原理は基本的にパクマンと同じでいやらし系。だが時にパクマンを導くような言動を見せる。
また、テレビの中に住んでいることを活かして勝手にテレビ番組を改変したりするほか、所長のカードを勝手に使って買い物をしたりするので所長をよく怒らせている。
- マリエル
- エルエルの母親。職業はエルフの国の教師。
初期は耳にピアスを付けていたが、『新ゲノム』以降は付けていない。
エルエルのおっとりした部分を煮詰めたような超天然でパクマンの言動にも動じない。
ノリがよく、エルエルと一緒にコスプレすることも。
- ララエル
- マリエルの弟でエルエルのおじにあたるが、最近生まれたのでエルエルより年下。
生まれてからまだ月日は浅いが、エルフ族は成長が早いため既に少年に成長している。
パクマンに懐いており、生まれて最初に喋った言葉も「パクマン」。
トンデモアナーキーなゲノムキャラたちを丸く収めてしまうすごいカリスマ性の持ち主。
- いやらし屋夫婦
- 初登場時は「和菓子のいやらし屋」の店主だったが、登場するたびに様々な事業に手を染めていることが発覚。現在では「多角経営でおなじみのいやらしグループ」のトップとして定着している。
なお「いやらし」は苗字。同じ顔の息子が沢山おり、末の息子の名前はいやらし蘭土(らんど)。
- ウサギンジャー
- パンツ一丁で筋肉質な無表情のウサギ男。パクマンをしてドン引きさせるほどの気持ち悪さ。
- なんとエルエルが大好きなテレビ番組のヒーローで、エルエルは彼のグッズを多数所有している。
しかも本物のヒーローであり、ウサギンジャーの番組は彼の生態を追いかけただけのものである。
- 極端に無口無表情でなにを言いたいのかまるでわからないが、エルエルはなぜか意思疎通ができる。
- ウミウシ
- ウミウシの虫人間。なっちゃんのバイト先「喫茶うみうし」のオーナーにしてなっちゃんの親戚。
なっちゃんからはとても慕われており「ウミさん」と呼ばれている。
どエロい巨乳美女だがウミウシは雌雄同体なのでなっちゃん同様ナニがついている。
「喫茶うみうし」以外にも「キャバレー 夜のうみうし」や夏季には海の家なども経営している。
なぜかパクマンの名前を覚えられない。
- チャタテさん
- チャタテムシの虫人間。幼女。
かつてチャタテムシの立てる音が妖怪の音と間違われていたということから、怪談系のエピソードに音響要員としてよく出てくる。でも子供なので怪談は苦手だしすぐ寝てしまう。
- シロアリ女王
- シロアリ型虫人間の女王アリ。アリなのでとても小柄だがエロ巨乳美女。
働きアリの娘たちと共に空き家などに勝手に住み着いて暮らしている。
- コオロギ
- コオロギの虫人間。会社員として働く傍らミュージシャンとしてデビューを目指している。
パクマンを「パクマン氏」と呼んで慕っているがパクマンからはかなりぞんざいに扱われている。
「さとみ」という名前のよくできた美人の妹がいる。もちろん元ネタはこおろぎさとみ。
- ダイナマイトゴリラ3兄弟&クィーン
- ゴリラの3兄弟(キング・ジャック・ジョーカー)とその姉のクィーン。3兄弟は姉に頭が上がらない。虫人間のように擬人化されているわけでもなく全員ただのしゃべるゴリラである。
3兄弟はパクマンとは良きライバル関係で番外編などでの登場頻度が高い。
クィーンはよく人間の男に言い寄ってはフラれている模様。
- 3匹の子豚兄弟
- 童話『3匹の子豚』がモデルのブタ。ゴリラ同様ほとんどただの二足歩行するブタである。
3兄弟というよりは三男の煉瓦豚単体での出演が多い。
- シャコ
- シャコの虫人間。ダクエルが通う空手道場の師範代。
シャコ特有のパンチ力を活かした武術の腕前は良いがスケベが発覚しダクエルからの評価が下がった。
なお、門下生たちはダクエル以外は全員男。しかも全員顔が同じで、『宇宙警察☆ミーティアわんわん』のおまわりそっくり。
関連項目