コスモゼロとは (コスモゼロとは) [単語記事]

　コスモゼロとは宇宙戦艦ヤマトシリーズに登場する、主人公、古代進が多用する宇宙戦闘機である。

概要

　地球防衛軍が正式採用した空間艦上戦闘機であり、正式名称は零式宇宙艦上戦闘機52型。
　初期のパイロットフィルムでは「宇宙零戦」という名前で呼ばれていた。往時のF-104や三菱F-1に近い、ブラックタイガーやコスモタイガーに比べると細長い機体。特徴的な機首形状が特徴。

　シリーズ内では実質的に古代進専用機で、古代がコスモゼロ以外を常用したのは「ヤマトよ永遠に」のみである。
　最初は全ての艦上戦闘機をコスモゼロとする予定であった。しかし当時の作画の都合上、大多数は作画が容易なブラックタイガーに変更。主人公、古代進の機体のみがコスモゼロとなったという経緯もある。

　2199年当時では最新鋭の戦闘機であり、初代においては文字どおりの指揮官機であった。
　後にコスモタイガーⅡが多数就役した後も、高い機動性を発揮して制空戦闘から要塞攻撃に至るまで、多様な局面で活躍している。但しヤマト同様、作画次第で固定武装の発砲位置が変わるなど、アバウトな部分もあった。

　主人公専用機というだけあって、他の艦載機と異なり、唯一航空機らしい専用のカタパルトを用いている。

宇宙戦艦ヤマト2199での改変

　初代宇宙戦艦ヤマトのリメイクである、宇宙戦艦ヤマト2199でもコスモゼロは登場している。
　こちらでの正式名称は「零式空間52型艦上戦闘機」。零式は2200年採用予定という仮正式名称で、52型は恐らく、搭載エンジンの「彗星5型 2号」の名称に由来していると思われる。

　単座型と複座型が存在し、古代、島が地球で用いた複座型には日の丸が描かれていた。
　玉森順一郎氏による細かい書き込みが為されているのは、ヤマトやキリシマ、ユキカゼなどと同様で、現代の自衛隊航空機のように、日本語による警告や部署表示が記されている(フラップ上面に「フ　ム　ナ」など)。

　本来は航空母艦ではないヤマトに搭載すべく、主翼、尾翼、機首の何れも折り畳み機構を有する。
　これを活用した際、本来の全長16.9mから15.5mにまで短縮可能。出撃に際しては、今作では第二格納庫と名称の与えられた専用格納庫から、上述の折り畳み機構を展開、カタパルトより出撃してゆく。

　固定武装としてカノン砲1門、機銃4門。換装武装として空対地・空対艦・空対空ミサイルが設定された。
　他にもまるで英国面のように胴体上面に、スラスターと増漕を兼任した「高機動ポッド」を常備している。増漕としての機能も与えられている模様で、コミック版メ2号作戦では、残燃料ごと投棄。機銃で撃ち抜き誘爆させる描写もある。

　性能は非常に優秀であり、初陣となった土星の衛星エンケラドゥスでは、ガミラス揚陸艦と機甲部隊を殲滅。
　この際には機首カノン砲が主に活用されており、貫通した際の音はヤマト主砲の三式弾のそれに近い。他にも対艦ミサイル(対艦短魚雷)、空対空ミサイル(空対空奮進弾)多数を搭載し、後々にこれらも活躍している。

　2199ではコスモゼロは古代進だけではなく、何と今作では女性化した山本玲（山本明）の専用機ともなっている。
　初陣で敵戦車を撃破したのも山本である。平時はコスモファルコン飛行隊の指揮を執るが、緊急時は加藤三郎も乗り込み、上記の初陣で山本の援護にあたっている。

　コールサインは古代機が「アルファ1」、山本機が「アルファ2」である(コスモファルコン隊はブラボー)。
　なお、コスモ軸流エンジンの回転向きから、旋回性は左旋回が最も得意という、モチーフ元の零式艦上戦闘機と同じ隠し設定を持つなど、スタッフの遊び心も加えられている。

　因みに角川ニコニコエースのコミックで補完されたが、第1話で古代たちが不時着で大破させたコスモゼロ。
　あの機体は正真正銘の試作機であり、山本玲の兄がそのテストパイロットであったこと。それ故に玲が航空隊への転属とコスモゼロへの搭乗を強く望み、喜んだという設定が追加されている。

　そしてこの機体も旧海軍機のオマージュがあり、正式には「宙技廠（219）9試艦戦」という名称が付与されている。
　別名51型とも呼ばれているが、九六式艦上戦闘機の試作機が九試単戦と呼ばれていたことのオマージュであろう。エンジン不調の洗い出しも兼ね、複座型に改造されたとあり、実際にヤマト搭載の52型と末尾のナンバーが異なる（旧海軍では例えば52型の場合「5」＝5回目の機体改修、「2」＝2回目の発動機改修という記録方式だった）。