コンジャラー前衛説とは、TRPGソード・ワールド2.0における珍説新説である。だいたい大根とリグ充のせい。
主として"コンジャラー前衛"という特殊なキャラクター構築法と、その有用性を語る際に用いられる。
ソード・ワールド2.0に登場するコンジャラー(操霊術師)とは、主として味方を強化する補助的な魔法を得意とする魔法使い技能である。
得意とする強化魔法の他にも、回復、攻撃、妨害等の魔法をバランス良く習得する事が出来、高い汎用性が魅力。
その名の通り、霊魂を操る事によりゴーレムや人形を製作・操作する魔法や、蘇生魔法なども扱う事が出来る等、大変多芸である。
また、魔法使い技能の中では、戦闘特技【魔法拡大/数】さえ持っていれば補助・回復役として最低限の仕事がこなせ、知力が低くても実用に耐えるというお手軽さもあり、非常に汎用性が高く、その汎用性を有効に活用しようと様々な育成手段が模索されている。
こうしたコンジャラーの汎用性の高さを、全力でおかしな方向に注ぎ込んだキャラクター構築法が、コンジャラー前衛、前衛コンジャラーと呼ばれるタイプのキャラクターである。
ただそれだけであれば、単なるネタ、ロマンキャラ、と言うだけで終わる話だったのだが……
「あれ?割と強いんじゃね?」
……と、前衛コンジャラーの活躍が知れるにつれて、その隠された実用性及び類稀なるネタ性が一部の卓ゲ者の話題に上るようになった。ニコニコ動画に投稿されるTRPGリプレイ動画でも「前衛コンジャラー」が現れはじめたことで知名度は大きく向上した。
そしてついには、「コンジャラー技能は実はそれ単独で前衛用の技能なんじゃないだろうか?」と言う説が、最初は半信半疑で、後に一種の確信すら持って語られるようになったのである。
ねーよ。
防御力(防護点)を限界一杯まで高めることで、前衛に立つ事を可能としたコンジャラーの事。
まるで前衛のように防護点の確保に苦心し、前衛技能のようにコンジャラー技能を伸ばして、前衛のように前線に立つ魔法使いである。
魔法使いなのに前線で敵とがっぷり噛み合う、魔法使いと言うにはあまりにも雄々しい姿に、一部でファンが増加中。
TRPGと言う特性上、この他にも前衛コンジャラーと呼ばれるビルド、前衛に立てるコンジャラーのビルドは存在すると思われるが、本項目ではニコニコ動画で最も有名、かつ前衛コンジャラーの代表例として、この防御重視型コンジャラーを解説する。
コンジャラーは防御力のある金属鎧(及び、ハードレザー)を装備すると、魔法を使用する際にペナルティを受けてしまう。この為、コンジャラーは防御力に劣る軽い鎧を装備し、後ろから味方を支援する後衛という見方が一般的だった。
(前衛がコンジャラーの魔法を使用する場合は、ペナルティの関係ない補助魔法を、文字通り補助的に使う、という程度であり、さほど大きな話題となる要素ではなかった)
しかし、ソード・ワールド2.0における防御力(防護点)は、魔法使いだろうが高くすることが出来る。
つまり、コンジャラーが【防具習熟/非金属鎧】等の戦闘特技を習得し、高性能の鎧を装備する事が出来た場合、魔法に対するペナルティを受けずに"防御特化していない前衛"並の防御性能を得られてしまうのである。(低~中レベルにおいては、防御特化型に比肩する防御力を持つこともある)
こうして獲得した防護点を生かし、前線の壁になるのが前衛コンジャラーである。
大雑把に比較するとこんな感じとなる。(賦術バークメイルは誰にでも入れられる補助なので、計算から除外した。また、腰にブラックベルトを巻くならさらに防護点+1)
この他、ライカンスロープでキャラ作成をすることにより、種族特徴である[獣化]を利用して防護点を上げる方法も考案されている。剣の欠片が入ったボスモンスターや、銀の武器に対しては[獣化]は意味が無いものの、この場合の防護点は防御特化型に迫る勢いになる。
前衛向けとして設計したコンジャラーの防御性能は以上の通りであるが、何故格別コンジャラーだけが前衛向けとされるのか。他の魔法使い技能ではダメなのか? それを語る上で外せないのが、Lv7で習得するドレイン・タッチという魔法である。
敵からHPを吸収するというこの魔法は、「敵にダメージを与える」「自分を回復する」という、両立しがたい要素を両立させてしまう魔法である。
多くの神官戦士が、攻撃と回復を両立する為に、ファイター技能とプリースト技能両方に経験点をさき、戦闘特技【マルチアクション】を用いなければならないのと比較して、コンジャラー技能だけで、戦闘特技を宣言せず用いる事が出来るドレイン・タッチのお手軽さは素晴らしい。
(他に攻撃と回復を両立する為には、レンジャー技能Lv9による【ポーションマスター】、高レベルエンハンサーによる「リカバリィ」、アルケミストLv5~の『ヒールスプレー』等が必要で、どれもそれなりに多い経験点と、場合によっては消耗品の消費が必要。)
無論この魔法、「射程距離/接触」分類の為、敵と隣接していなければ使えないというどうしようもない欠点があり、真っ当なコンジャラーであれば見向きもされない魔法なのだが、前衛に立つ前衛コンジャラーにとって、そんなペナルティは全く関係がない。
しかも魔法なので基本的に必中であり、相手の回避能力の高低を問わない為、前衛が当たらず苦労しているような敵も意に介さない。
地味に「呪い」属性というレア属性の為、相手の防御能力に左右されづらいのもポイントである。
ドレイン・タッチを利用した持久戦は前衛コンジャラーの最も得意とする所であり、その真骨頂と言える。
ドレイン・タッチが使えない序盤では、敵と自分にファナティシズムをかけて命中+4(メイスを持てばさらに+1で5)を確保して殴る事も出来る。もともと回避なんて平目なので回避ペナルティも実質意味が無い。
プロテクション、エンチャントウェポン、ファイアウェポンなどの有用な補助魔法もあるので、ゴブリンやボガード程度の雑魚蛮族なら殴り倒す事も不可能ではない。それでも命中が期待出来ないなら、自分ごと範囲攻撃魔法スパークで焼いてしまってもいい(もちろん自身へのダメージに十分注意すべし)。
また、通常の後衛コンジャラーと比較して、使いやすくなる魔法が少なからず存在するのも前衛コンジャラーの魅力である。射程が短いのが欠点のドレイン・タッチ、クリメイションをはじめ、高い技能レベルにより敵の抵抗を抜かなければ始まらない抵抗/消滅の魔法も使いやすくなる。
もちろん、通常の操霊魔法(コンジャラー魔法)の使用に全く不便が無いのもポイントで、時と場合によっては普通の後衛としても十分に立ち回れるのも忘れてはならないポイントである。操霊魔法の汎用性が高い為、単技能の魔法だけで様々な場面に対応出来るのも、コンジャラー一本伸ばしになりやすい前衛コンジャラーにとって非常にありがたい。
特にニコニコ動画での流行により、コンジャラー前衛すげー!コンジャラー前衛かっけー!俺もコンジャラー前衛やるぜ!という道を間違えた若きコンジャラー達が増えてきている。
ここではそうした初心者向けに注意点を記述。
SW2.0の戦士系技能は、主として白兵戦における命中率と回避率に関わる技能である。
当たらない、かわせないでは意味が無いので、前衛は前衛技能を伸ばすのだ。
察しの良い方ならもうお分かりだろう。前衛コンジャラーは前衛技能なので……もとい、基本的に物理で殴らない為、他の前衛技能なんかいらないのである。本職の戦士でさえ完全回避が望めないレベルの回避に至っては言うまでもない。
むしろ、下手にグラップラーやフェンサーなんぞを使おうとしようものなら、装備制限で鎧が薄くなってしまう。
コンジャラーは、前述の通り防護点とドレイン・タッチによる回復を主眼として戦うタイプのビルドである。この為、戦士系技能に経験点をさき、コンジャラー技能の成長をおろそかにすると、ドレイン・タッチの成功率が下がる(敵に抵抗される確率が上がる)
ドレイン・タッチは抵抗/半減という分類の魔法なので抵抗されると敵に与えるダメージ量も、自分の回復量も半分になってしまう。こうなってしまうとダメージを回復で相殺出来なくなり、前線維持力が激減してしまうのだ。
また、コンジャラー技能の成長が遅れることで、冒険者レベルの成長も相対的に遅くなる為、生命抵抗力、精神抵抗力、HP量が十全に伸びないことにも繋がる。
前衛コンジャラーはコンジャラー技能をほぼ一本伸ばしするくらいの意気込みが無ければ成立し得ない。必要経験点の重いAテーブル技能を他に取るのは諦め、Bテーブル技能を多少かじる程度になるだろう。
そもそも、戦士系技能取ったら前衛コンジャラーじゃなくて魔法戦士って言われる分類になるし。
代表的なものとして、攻撃にガン(防護点無視)を用いる敵に対しては防護点が全く作用せず、戦士系技能を取らないので回避も実質不可能とあって、相性が非常に悪い。(一応、AWを導入しているならばいくつか対抗策があるが、基本的にどれも高額である)
特に、精神抵抗力が高く、ガン装備型の多いという特徴がある魔動機械タイプの敵との相性は最悪に近い為、こうした相手に向かって行くのは自殺行為に等しい。
また、打撃力の高すぎる一部の敵も苦手である。コンジャラーはファイター、グラップラーと違いHP上昇の戦闘特技【頑強】【タフネス】を習得出来ない都合上、HPの高さ=一度に受けられるダメージの総量には限界があるからである。(こちらもいくつか抜け道がある)
さらに言えば、一撃に耐える事ができても味方の神官が前衛コンジャラーの回復で手一杯になるようでは本末転倒であるので、注意したい。
最も相性が悪い敵は「抵抗に成功した場合魔法を無効化」「魔法ダメージ無効」「呪い・毒ダメージ無効」「近寄ると使用できる魔法のレベルと魔力を下げる」など『前衛コンジャラーの基本戦術を崩壊させる』タイプの敵である。BTから追加された魔物に多いので、BTを採用している卓では注意が必要である。
もしそのタイプの敵と遭遇した場合、前衛コンジャであっても仲間を信じ前に出ず補助に徹するのも一つの勇気と言えるかもしれない。
コンジャラー前衛は、コンジャラーとしての通常業務の他、サブ壁、サブアタッカーを兼任するタイプのキャラクターである。
特に壁役の足りないパーティや、敵が四方八方から攻めて来るような場合等は非常に活躍が期待できる。
前衛がフェンサーだったり、まりょっぷらー(魔力撃グラップラー)だったり、神官の鎧が薄くて前に出れなかったりする場合等が挙げられる。
逆に、壁役がガチガチに固く、前線がそもそも強固である場合(壁役がフル装備で【かばう】+【ガーディアン】+【ブロッキング】常備とか)や、前衛が皆重装備のファイターである場合、敵が一方向からしか攻めて来ない場合等のケースだと、前衛コンジャラーがわざわざ前に出る必要がない時がある。
無論、万が一の備え(バックアタック、パーティ分断等)として後衛も防護点をおろそかにすべきではないというのはその通りだが、度が過ぎれば間違った方向への無駄な努力となりかねないので注意。
コンジャラー前衛がそもそも全力で間違っている、というツッコミは禁止である。
器用度、敏捷度は死んでいても問題はないが、あまりに筋力が低い種族だと防具がキツイので注意。生命力に関しても、HPを伸ばす手段が限られる為なるべく高い方がいいだろう。
リルドラケンの場合は何気に適正が高い。元々敏捷・器用が低く、筋力・生命が高い。そして、生まれが商人であれば知力・精神は人間の同程度はあるため、成長に期待すれば充分に前衛コンジャラーとしてやっていける。種族特徴で防護点に+1が付くのもポイントが高い。
ナイトメアは金属鎧が装備出来るため、弱点を抱えること以外ではとても適正が高いはず。……なのだが、ナイトメアは能力値が高くなりやすいので、「そんだけ能力値高いなら前衛コンジャなんかやってないで魔法戦士やれよ」と言われる罠がある。
例外として、高知力PCがマナコートを装備するならば、低筋力でも前衛に出ることが可能である。とても高額であるが間違いなく一生ものなので、バブリーな卓や高レベルスタートなどでなら狙ってみる価値はあるかもしれない。
前衛コンジャラーの最も大きな難点がこれ。
コンジャラーは戦闘特技に融通が効く、補助系が多いためサブ技能としてでも運用が出来るといった長所があるが、前衛コンジャラーは空いた戦闘特技で防具習熟を取り、コンジャラー一本伸ばしでドレイン・タッチの成功率を上げなければならない為、これらの長所をまるっと捨てている事になる。
前衛コンジャラーなんかやってなければ出来る事が、前衛コンジャラーなんかやったばかりに出来なくなってしまう事もまた多い、ということである。
例えば、【武器習熟Ⅱ/スタッフ】【武器の達人】による強力なスタッフ(ブラックロッド、ソーサラースタッフ、メイガス等)の運用や、範囲攻撃魔法を語る上で避けては通れない【魔法制御】、【MP軽減/コンジャラー】によるMP消費軽減、使い方によってはシナリオを大きく左右する【魔法拡大】シリーズ等の戦闘特技習得を、高レベルになるまで見送る必要があるのは大きな欠点。
特に戦闘序盤から【魔法拡大/数】で補助をパーティにばらまく事が求められるコンジャラーにとって、消費軽減系が取れないのは結構なMPの差として響いてくる。他の魔法系技能とマルチすることはあまり無いので、MP量もあまり多く無いのがダブルパンチである。
コンジャラー一本伸ばしは他の魔法系技能と比較してそこそこ対応力があるとは言え、他の技能を伸ばす気が無い前衛コンジャラーは、技能の取り方にも殆ど融通が効かない。パーティ構成や人数によっては、パーティメンバーに負担を掛けてしまうことにもなりかねない。
こうした欠点から、前衛コンジャラーはあくまで趣味的なビルドであるという見方もまた根強い。
ネット上では、場面大根Pの中の人が、自身の所属するサークル竜鳴艦のキャンペーンリプレイで用いたPCが知名度が高い。ただし、これはニコニコ動画とは何の関係もない"内輪ネタ"である為、無闇矢鱈とコメントのネタにするのは控えたほうが良いだろう。(場面大根P自身もこうしたコメントは控えるように警鐘を鳴らしている)
パーティ分割行動が多い事、一部後衛が致命的にもろく万が一にも攻撃を通せない事、耐久力的に神官が斥候兼任で壁になれない事などのパーティ事情から生まれた苦肉の策であったようだ。
ニコニコ動画においては、東方卓遊戯「大妖精のソードワールド2.0」において、リグー(PL:リグル・ナイトバグ)が前衛コンジャラーの第一人者と言える。ドレイン・タッチと同じ理由で有効活用が難しいとされていた戦闘特技【ワードブレイク】を活用した魔法破り戦法等、新たな歴史を刻み、あまりの前衛能力の高さに、劇中では「コンジャラーは前衛」と誤解される始末で、これがタグとして定着した。
本卓では4人PTという比較的少人数構成の上、前衛の一人がエルフのフェンサーであり致命的に耐久力に欠ける事のフォロー、というか代わりに殴り合ったら割とやれちゃった結果、となっている。その後、当のフェンサーが後衛寄りにシフトしたことで完全に役割が入れ替わってしまった。また、このパーティも神官が前に出られない。
卓ゲM@sterにおいては、開拓流行れPの作品「愛はウルスを救う」において、PL:秋月律子がコンジャラー前衛説の議論(というか実証試験)の為に作成したエ=モーンがおそらく初の例となる。ライカンスロープの獣化による高防護点に主眼をおいている。
当初からコンジャラー前衛を目的として作成された珍しい例であり、こちらも前衛壁特化がいるものの、通常モンスター相手ならばそれを上回る耐久性を確保するに至る。
【ブロッキング】の習得で壁になるだの、ソーサラーとマルチしてウィザードになるほど、やりたい放題である。
やはりこのPTも、神官がメインスカウト担当なので、前に出るタイプではない。
↑グルネル(Lv7の魔神)相手にタイマン仕掛けるコンジャラー。
↑ブラッディ・ぺタルの五連撃を受けてケロッとしているコンジャラー
掲示板
658 ななしのよっしん
2019/12/25(水) 18:24:09 ID: y52XwyISRr
>>656
アンカー違い失礼しました
それと足さばきも把握です、ありがとうw
659 ななしのよっしん
2022/01/12(水) 17:41:25 ID: iGowT5cVaB
サプリメントと技能やらの追加で色々と追加されて前衛コンジャラー補助に使えそうなのがちょっと増えたな。
【デモンズアーム】で1手使うが防護点+2。
攻撃食らってHP削られるから〈盾徽章〉の効果で陣気確保して【陣率:衝戟の剛削Ⅰ】で1ターンダメージ-4。
「アビススキル」の《魔神の甲殻》で危ない時に硬くなる。
ここら辺がそこそこ有効かな?
660 ななしのよっしん
2023/12/10(日) 11:04:18 ID: A3mSlzehze
雰囲気としてはトルネコの大冒険2の魔法使いが使う「スカラ(防御力2倍、2回まで重ね掛け可能)」と「マホトラ(相手に与えたダメージ分吸収)」っぽい
RTAにはもちろん向いてないし通常攻略でも深層じゃやってられないけど戦法としてはアリっちゃアリ的な感じ
急上昇ワード改
最終更新:2024/03/29(金) 08:00
最終更新:2024/03/29(金) 08:00
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