1984年の「ゴジラ」の続編であり1989年12月16日公開。VSシリーズ第1作であり三枝未希の初登場作品。
ストーリーは一般公募により選ばれている。バイオテクノロジーの倫理問題をテーマとし、生命の尊厳や科学のあり方を見つめさせる内容になっているシナリオは、初代ゴジラのように大人向けのストーリーであり、従来のゴジラファンのみならずSFファンからも評価が高い。
音楽はドラゴンクエストシリーズで有名なすぎやまこういち氏が担当している。賛否両論。すごく・・・ドラクエっぽいです
余談だが、前作の音楽を担当した小六禮次郎氏はすぎやまこういち氏の弟子にあたる。
タイトルこそ「VSビオランテ」となっているが、実際の内容は「ゴジラVS自衛隊」に近い部分もあり、自衛隊の対ゴジラ戦術がよく分かる作品になっている。
怪獣はゴジラとビオランテが登場。その他、前作の「スーパーX」の後継機である「スーパーX2」が登場する。また、ゴジラに抗核バクテリアを打ち込んだ権藤一佐の妹・千夏と権藤一佐の親友である結城が「VSスペースゴジラ」に登場している。
坂井孝行による平成ゴジラvsシリーズの漫画版は全てこの作品の続編とも言うべきストーリーになっており、黒木特佐が重要人物となっている。
2014年にアメリカ版ゴジラ公開とゴジラ60周年記念で行われたあなたが選ぶベストオブゴジラと銘打った『ゴジラ総選挙』では、中間10作品及び最終4作品に残存し、決戦投票では4位スタートという不利な条件でありながら最終投票で不動の1位だった『ゴジラ(1954年)』を抜かし、逆転1位に輝いた。
映画としての評価は高いのが、ぶっちゃけ興行的には今一つであり、次作以降は歴代の人気怪獣の登場やリアリティよりも娯楽性を重視した作風への方向転換を余儀なくされた。そのため以降のVSシリーズと比べると作風が全然違う。ゴジラ映画であるにもかかわらず、最終決戦が怪獣が全く関わらない男同士の殴り合いだったりするのはその最たる点と言えるだろう。
2021年には大森一樹も望んでいた4Kリマスター版が制作され、日本映画専門チャンネルで放送された。これはゴジラvsコング公開を記念し、4K化の恩恵が大きい7作品を新規にリマスターするという最恐画質を銘打った企画で、本作は前述のゴジラ総選挙1位作品という事もあり、平成作品では唯一の選出となり、この企画のトリを飾る作品となった。奇しくも、初放映日の2021年10月7日は、本作の音楽を担当したすぎやまこういちの訃報が報じられた日と重なり、意図せず追悼放送として本作の4K版を観たファンも多く、Twitterのトレンドワードにもビオランテが並んでいた。
本作から、特技監督がウルトラマンAなどで活躍した川北紘一へと交代。本編の監督は当時新鋭の鬼才として期待されていた大森一樹が担当した。
まず川北は過去のシリーズでの「ゴジラの擬人化」に疑問を抱き、シリーズを一本の大きなストーリーとすべく「ゴジラは怪獣であり、生きた生命体である」という点を意識したいと考えた。
そこでビオランテの原作者小林晋一郎(本職歯科医)の提案であった歯を爬虫類状に二列にするという部分を取り入れ、眼にはきちんと虹彩を入れ、首を動かしたり尻尾で街を破壊したりといった生き物らしさを芝居にも取り入れた。またアップカットも多用し、ゴジラ自身のドラマも盛り込んでいくことで観客にも昭和ゴジラ同様に感情移入できるように工夫を凝らした。また、「顔がコロコロ変わる生物はおかしい」として、ビオランテで造られたゴジラの顔は以後のシリーズでも基本的に変えず、vsデストロイアまでのゴジラ統一イメージが完成。
こうして、今日まで知られる超生命体としてのゴジラが造られ、現在ゴジラの姿というと東宝の壁画や新宿のヘッドモデル、公園の滑り台をはじめとしてこの川北ゴジラのビジュアルが基本とされることが多くなり、S.H.Monster Artsシリーズの第一弾もこのゴジラが選出されるに至っている。
敵怪獣のビオランテも完全な新規怪獣ということもあり、湖にスモークを漂わせて雰囲気造りと同時にカメラの影を消す、動かない状態では迫力に欠けるため、本番直前に動かすシーンをぶっつけ本番で撮影するなどの試みがなされた。また、操演怪獣のビオランテには30本近いピアノ線が使われ元スタッフも「コイツほど動かすのが大変な怪獣はいない」と振り返っている。次回作以降はデジタル合成も使われだしたため、フルアナログで撮影された最後のゴジラ映画ともなった。
この他、本編監督の大森一樹はゴジラ本来のサイエンス・フィクションとしての一面を本編に取り入れ、以後の平成シリーズの重要キャラとなる三枝未希の登場による超能力という未知の力をゴジラシリーズに取り入れ、三つ巴に展開される抗核バクテリアの攻防戦など次回作以降でも踏襲されるスピーディで大人の鑑賞にも耐えうるストーリー造りに注力した。
このビオゴジコンビはシリーズへの新風をもたらすことに大成功し、平成vsシリーズで合計4作品を共にし(大森は監督2作、脚本4作)、川北は全6作全てのvs作品を担当した。直接大森が関わっていない作品でもアドバイスをしていたりと、両者信頼できる強固な関係を築いたようで、川北の晩年に行われた各種イベントにも二人揃っての登場が多かった。
晩年のイベントのひとつである大ゴジラ特撮展のトークライブのひとつで、川北特技監督は最も気に入った作品にデストロイア若しくは本作を挙げることが多く、植獣ビオランテの突進シーンを特にお気に入りとして語っていた。
復活ゴジラ(VS)シリーズ |
ゴジラ84─VSビオランテ─VSキングギドラ─VSモスラ─VSメカゴジラ─VSスペースゴジラ─VSデストロイア |
掲示板
136 ななしのよっしん
2023/12/17(日) 10:42:04 ID: S5BEsxs+b6
もうゴジラの着ぐるみの中に入る人なんて1人もいらないからね…
137 ななしのよっしん
2024/01/31(水) 08:43:17 ID: XU/Evy3q1S
映画の源流たる演劇が今でも残り続けていて
黎明期のストップモーションアニメも生き残ってるんだから
着ぐるみ特撮もその一つとして命脈を保ち続けるさ
138 ななしのよっしん
2024/02/22(木) 13:48:46 ID: s6OhcqCRiM
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最終更新:2024/04/20(土) 02:00
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