ゴッドマジンガーとは、1984年4月15日から同年9月23日まで日本テレビで放送されたロボットアニメである。全23話。
製作は東京ムービー新社。原作は永井豪(ただし、スケジュールなど諸般の都合により内容にはほとんどノータッチ)。音楽は羽田健太郎。
マジンガーシリーズの外伝的作品で、他のマジンガーと関連性はなく、むしろ大魔神に近い。そのほかにアニメの設定を基にしたストーリーの異なるマンガ版、アニメ・マンガとも異なる小説版がある。
本来は全24話の予定だったが、ロス五輪の影響で放送話数が削られ、急遽全23話に変更された。そのせいで最終話は打ち切りEND同然の出来であり、無関係な内容と相まって長らくマジンガーシリーズの黒歴史と呼ばれ、とくに内容を語られることも無かった。しかし、2012年2月17日から3月21日までニコニコアニメ名作劇場の枠で全話放送されるというタイムリーで心斜め15度な出来事があり、一部でネタアニメとして親しまれた。今宵は酒盛りじゃああああああ!
あらすじ
平凡な生活に退屈していた火野ヤマトはある日、不思議な呼び声に導かれて古代世界に飛ばされてしまう。
そこはドラゴニア帝国の侵略により危機をむかえたムー王国だった。
ヤマトは女王アイラの祈りと神殿の石像の神秘の力によって呼び寄せられたのだ。
ヤマトはその石像と一体化、ムーの守護神ゴッドマジンガーとなり、ドラゴニア軍と壮絶な戦いを繰り広げていく。
主な登場人物
- 火野ヤマト(cv竹村拓)
- 主人公。ラグビー部所属の高校生で青春時代を謳歌していた今時の若者で、ムーを救う「選ばれし者」。
- 助けを呼ぶアイラの祈りを聞き、ムーの守護神ゴッドマジンガーによって現代から古代世界へ連れてこられる。
- 最初はちょっとしたヒーロー気分で、敵を倒したら面倒なので帰ろうとするなど「選ばれし者」の自覚が無く
- ムー王国の四剣士と衝突する問題児扱いだったが、戦いの中でムーの戦士として成長していく。
- アイラ・ムー(cv榊原良子)
- ムーの女王でヒロイン。王であった両親をドラドによって殺され、否応なく女王に即位したマジンガーの巫女。
- 穏やかな優しさと強い意志、気高さを備えた女性で、ムーの民からの信望も厚い。デコ姫。
- ゴッドマジンガー(cv笹岡繁蔵)
- ムー王国の守護神。通常時は石像だが、ムーの民がピンチになると火野ヤマトと一体化し、戦う。
- 飛び道具は持たず、武器は専用の剣のみ。主にパンチや直接掴んで力任せに引き千切るなど肉弾戦を行う。
- 神秘的で荘厳な存在感を持つが、無口のうえにかなりの気分屋でヤマトとムーの民をよく振り回す。
- ムラジ(cv藤本譲)
- アイラの父の代からムー王国に仕える忠臣。政治・軍事の実務担当であり、皆の師父的な存在。
- 老練で篤実な人物であり、ヤマトのことは当初から信じ、成長を促した。
- 彼の死はムーの民に精神的・実質的な大きな痛手となった。
- マドマ(cv原えりこ)
- ムーの民でアイラの侍女。明るく元気な少女。ムー陣営のムードメーカーである。
- 毎回冒頭のあらすじナレーションで活躍した。
- ギロン(cv石丸博也)、ゾルバ(cv堀内賢雄)、デリヤ(cv郷里大輔)、ノロー(cv古田信幸)
- ムー王国の勇者で通称「ムーの四剣士」と呼ばれる、いつもの4人。
- ノローのみ戦死し、終盤は「ムーの三剣士」が助太刀いたす!などと自称する。ノローのことも覚えててやれよ・・・。
ギロンが兜甲児?何のことです?
- ドラド(cv加藤治)
- ドラゴニア帝国の王。常に金色の仮面と金色の鎧を身に着けており、黄金王と呼ばれている。
- ムーの秘宝「光宿りしもの」を狙ってムー王国へ侵攻、それが物語の幕開けとなる。
- 通常戦力のほか、独自に作り出した恐竜そっくりのロボットや妖術を使う隠密シャーマン部隊などを持つ。
- エルド(cv速水奨)
- 黄金王ドラドの息子で、ドラゴニアの王子。帝国随一の剣士にして策謀に長けた野心家。
- 父を出し抜いて「光宿りしもの」と帝国を手に入れ、世界すべてを支配する野望を持つ。
- いわゆる美形ライバルキャラのはずだが、顔芸と高笑いに定評がある。親子仲は非常に悪い。
- ヨナメ(cv滝沢久美子)
- ドラドに仕えるシャーマン、という名の女ニンジャウォーリアーズのリーダー。妖術と剣術による高い戦闘力を持つ。
- 今週の使い捨てシャーマンを使い、情報収集、諜報活動、破壊工作、隠密戦闘で活躍。
- 一癖ある性格をしているため故あれば裏切りそうに見えるが、想像以上にドラドへの忠誠心が高い。
永井豪らしい刺激的なコスチュームが特徴。
- 火野カオル(cv高田由美)
- 現代でのヤマトの妹。明るく元気な少女で、輸血パック(笑)の異名を持つ。
主題歌
どちらも名曲なのだが、OPはロボアニメっぽさや戦争モノっぽさを感じさせない静かな曲調で浮いており、EDは「心斜め15度に~」などハイカラな歌詞で視聴者を突き放す。さらに電子回路やコンピューターをモチーフにした意匠と古代風の建築や風景が混在する映像が「わからん感」に拍車をかけている。
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公式動画
ニコニコ公式生放送の一つ「ニコニコアニメ名作劇場」(トムス・エンタテインメント制作アニメを平日の定時に放送)にて2012年2月17日から同年3月21日まで放送された。また、専用chにて全話有料配信(第一話のみ無料)されている。
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余談
ニコニコ的用語解説
- ゴッドさん
- われらがムーの守護神、ゴッドマジンガーのこと。鬼畜特撮ヒーローことゴッドマンのファンからの愛称から来ている。得意技はゴッドワープと呼んでも応えないツンデレ加減。
- 心斜め15度に
- EDの歌詞「タイプリープ 心斜め十五度に タイムリープ 心傾けて」より。意味不明である。
- 今夜は酒盛りじゃあああああああ!
- 元ネタは第19話のラストでエルド王子がドヤ顔で言い放ったセリフ「皆の者に伝えるがよい。今宵は酒盛りじゃ!」
- ヤマトとドラドを出し抜いてムーの秘宝「光宿りしもの」の所在を示す円盤を横取りしたエルドは父ドラドに渡さず隠匿したため、岩牢に幽閉されていた。それを偶然発見したムーの重鎮ムラジはドラドとエルドを離反させ、ドラゴニアを揺さぶる好機と思いエルドを助ける。しかし内情までは知らなかったムラジはエルドにその場で裏切られ刺殺された。脱出したエルドは帝国内のエルド派と合流し、独立勢力となった。そのとき腹心の部下に言い放ったセリフがこれである。ラストの一枚絵がセリフ時のドヤ顔であり、美形ライバルポジションなのに顔が面白かったため、ニコアニ民の間で流行しそうになった。
- 使い方は、(小さな)目標達成したときや、(相対的にそれなりの)評価を得たときに勝ち誇ったように叫ぶと良い。
- だが、流行らないし流行らせない。
- しかし次回、全部まるっとお見通しだった父王ドラドのスーパーパワーで津波に飲まれて流されることになるとは知る由も無かった。
- ライガーマン
- エルド王子が終盤で搭乗するロボットのこと。ライオンのような頭部と人型の体を持ち、ビームガンを装備している。大きさはゴッドマジンガーと同程度だが、ゴッドさんや恐竜メカと違ってとても俊敏で身軽。本作唯一のロボアニメらしい機動兵器である。
- 元ネタは、アニメ黄金バット第44話「ライガーマンの逆襲」で登場したライオンの頭と人型の体を持つ合成怪獣ライガーマン。強い!絶対に強い!黄金バットを倒すため作られた"ライオンの気性、ゴリラの腕力、人間の知性"を持つ強力なロボットで、なぜか攻撃手段が爪から出るニードルガンと口から吐く火炎放射。格闘はあまり得意ではない。開始5分で黄金バットに敗れ逃走、強化改造され再戦するもまるで役に立たず黄金バットに完敗した。(黄金バットではよくあることである)。ライガーマンのデザインと舞台がサバンナであったことが、AAネタ「お前それサバンナでも同じ事言えんの?」との奇跡のシンクロを果たした。
言うまでもなく、『獣神ライガー』とは何の関係もない。
関連項目