ゴムとは、無定形で軟質の高分子物質を指す。
よく伸びる素材のイメージもあるが、伸縮率は製造加工によっても異なる。
概要
元々は植物を傷つけたさいに得られる無定形で軟質の高分子物質のこと。
現在、大きく分けて天然ゴムと合成ゴムの二系統が存在する。
天然ゴム
ゴムノキの樹液を利用したもの。
日本では主にタイやマレーシアから輸入している。
合成ゴム
合成ゴムは石油から生産されるナフサを原料としている。
加工も含め細かく分類するとさらに10種類以上に枝分かれし、軟性や耐熱性なども異なる。
(後述リンク)
名称
ちなみにゴムはオランダ語由来である。(→和製英語)
英語ではラバー(rubber)やエラスティック(elastic)と呼ばれる。
前者はゴム製品全般、後者はさらに伸縮するという要素が付与される。
伸縮性のないelasticはなく、また「伸縮する××」といった形容詞にも用いられる。
お菓子のガムも語源は同じ。
用途・性質
- 防護、防音・衝撃吸収。
- 防水、シーリング[1](隙間埋め)。
- 摩擦による滑り止め。
- 絶縁体、絶縁性があり電気を通さない。
- 軟質なものは多少の変形なら元に戻り、任意の形状に合わせやすい。
- 一部のゴムは非常によく伸び、限界まで伸ばしてもほとんど元に戻る。(輪ゴムなど)
- 特に薄いゴム製品は任意の形状に変形させやすくフィットさせやすい。(ゴム手袋など)
- 風船など中に固体・液体・気体を充填することもできる。
- 逆に何も入れない場合は小さく収納することもできる。
- 加工が容易で任意の形状に成形しやすい…といった製造上のメリットもある。
欠点
- 刺突・切断、紫外線には弱く、欠けたり劣化が早まる。
- 防水性や密閉性を重視するものは、穴が開いたり外れることで機能性を大きく損なう。
- 使用されている部位によっては摩耗しやすく交換も必要。
- 特別な加工がなければ極端な温度には弱い。
- 高温では軟化・溶けてしまい、寒冷地・超低温環境下においては軟性・伸縮性を失う。(後述リンク)
- 特別な加工がなければ油や薬品に弱い。
- 長期保存で劣化し、伸縮性を失ったり癒着してしまう。
- 加水分解でベトベトになり、付着して取れず不快な場合もある。
- 通気性がなくフィット感が高すぎ、ゴム手袋やガスマスクなどは長時間着用時に非常に不快。
- 任意形状に変形してフィットさせるため、着脱時に摩擦で引っかかるなどストレス。
- 使用後は汗などで不衛生になるため、使い捨てを除き裏返して陰干しといった手間もかかる。
- リサイクルしづらい。再生ゴムのような例外もあるが特性が異なるため万能ではない。
厚みはもちろん、耐熱温度や薬品や油脂に対する耐性は製品によっても異なる。
パッケージや説明書、口コミやレビューなども読んでおくと非常に役立つ。(ゴム製品以外にも言えるが)
身近
1997年から連載されている、麦わら帽子を被ったゴム人間が主人公の海賊漫画も世界的に有名。
製品・活用例
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- 衝撃吸収材
- 衝突保護材
- 滑り止め
(ズレ防止)
- 防振ゴム
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曖昧さ回避
固有名詞
フィクション
関連リンク
関連動画
関連項目
脚注
- *同音異義語で隙間埋め(searing)と天井(ceiling)の2つの意味があり紛らわしい。