サイバトロン(英名:Autobots【Transformers】、Maximals【BeastWars】)とは、「戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー」および、それに続く一連のトランスフォーマーシリーズに登場する組織である。
元々はトランスフォーマー達の母星たる『セイバートロン星』の原語版における名前。
厳密には『Cybertron(サイバートロン)』と読む。
が、実写版を始めとした、海外名称への準拠後に作られた新シリーズにおいては、『サイバトロン星』とほぼ統一して呼称されている。
だが日本人としては、どちらかと言えばオートボットの和名としてのほうが知名度が高い。
ただしあくまで過去作に関してはオートボットの和名として未だに公式では使用されているため、過去作品の名称までも改称されたわけではないことは留意されたし。ったく、ややこしいったらありませんぜ……
善悪二元論という非常に単純な構造で展開されるトランスフォーマーシリーズの「善玉」に当たり、悪玉であるデストロン(英名:Decepticons)の破壊行為をくい止めるために自主的に組織された「民兵隊」である。そのため、変形するモチーフはAutobots = Automobile Robots (自動車ロボットたち)[1]の名が示す通り民間車両が多く、またデストロンでは「~参謀」「~兵」という役職名で呼ばれる軍人の代わりに「~官」「~員」などの役職名で呼ばれる戦士たちが戦闘行動の中心を占める[2]。その代わり、デストロンに比べると技術者ホイルジャック、科学者パーセプター、看護員ラチェット、建築家グラップルなど、民間人の部隊ならではの才能を持った科学者や技術者が非常に多いのが特徴である。また、日本語版の初期展開においては、特定の属性や合体能力を持つサイバトロン戦士のカテゴリーは「~ボット(部隊)」と呼称される。
歴代総司令官はマトリクスと呼ばれる象徴的な構造物によって選出されるが、マトリクスに選ばれた総司令官の内、コンボイは民間出身であるが故に軍事作戦の立案で失敗することが多く、ロディマスコンボイはその若さ故に司令官であるという責任に押しつぶされそうになるなど、全能の存在としては描かれていない。むしろ、それを皆が補うことでサイバトロン全体の結束が生まれている。また、 コンボイ、ロディマスコンボイ共に、自分を犠牲にしてでも仲間を救うという行動が、リーダーとしての信頼感を得ることに繋がり、サイバトロンを一つにまとめる大きな要素となっている。その後の歴代総司令官については選出方法が変わり、フォートレスマキシマスはロディマスコンボイの指名により、ジンライは仲間であるプリテンダーやゴッドマスターの推薦により、ダイアトラスはビクトリーセイバーからの指名により総司令官として選ばれている。またビクトリーセイバー(正確には合体前のスターセイバー)については、総司令官として選ばれた際のエピソードが不明であるが、劇中の活躍を見る限り、相当の実績を見込まれて総司令官に選ばれたのは間違いないようだ。
「ザ☆ヘッドマスターズ」期には従来のセイバートロン星出身のトランスフォーマーに代わり、マスター星出身の小型トランスフォーマーたちが台頭するようになる。彼らは「ヘッドマスター」と言い、小さい体を補うために「トランステクター」という胴体に当たる部分と合体(トランスフォーム・ヘッドオン)し、セイバートロン星出身のトランスフォーマーと互角以上の力を身につけた戦士であった。以降、両陣営問わず特殊な変形方法を身につけた(玩具展開において主力となる)トランスフォーマーの区分を基本的に「~マスター」と呼称するのが定着する。
また、この時代の総司令官であるフォートレスは、マスター星の指導者・セレブロスが首から下の部分を構成するトランステクターにヘッドオンした姿であり、さらにこの状態から巨大なヘッドモードに変形して戦艦「マキシマス」にヘッドオンすることで、全長3000mの超巨大トランスフォーマー「フォートレスマキシマス」になる。しかし、力の消耗が激しいことと、あまりにも巨大な体故に周囲の環境に注意を払わなければいけない事などを理由に、あまりフォートレスマキシマスへの変形は見られなかった。
その後の「超神マスターフォース」期においては、ヘッドマスター達が去ったあとの地球において、地球人とトランステクターが融合した新たなサイバトロン戦士「ゴッドマスター」が登場する。彼らはトランステクターから選ばれ、「マスターフォース」と呼ばれる強化服をまとい、その後魂の結晶体であるアイアコーンに変形、トランステクターに合体する新時代の戦士であった。そして「天超魂」「地超魂」「人超魂」のパワーを使いこなすことで、これまでのトランスフォーマー以上の力を発揮することが可能になった。
このようなゴッドマスターと、人間に変身する能力を身につけたプリテンダー、ゴッドマスターと似たような形で強化服をまとい、トランステクターの頭部にヘッドオンできるヘッドマスターJr.等が主軸となったため、歴代トランスフォーマー組織の中で人間の占める割合がダントツに多いのがこの時期のサイバトロン・デストロンの特徴であった。
総司令官のジンライはもともと日本から海外に移民してきた一介の青年にすぎなかったが、偶然トランステクターを手に入れたことでゴッドマスターとなり、総司令官に任命されてしまう。トラック運転手という自由な身から一転して組織の司令官になってしまったジンライは己の運命を呪うが、元々リーダーの素質があったらしく、話が進むにつれ、歴代総司令官の中でも屈指の指揮能力を発揮することになった。
「V(ビクトリー)」「Z(ゾーン)」の時期には再び超ロボット生命体が戦線の主軸となり、宇宙の勇者であったスターセイバーが合体戦士達を率い、同じく合体兵士が主軸となったデストロンとのエネルギー戦争に繰り出している。この闘いの中で第二方面軍の司令官を務めていたゴッドジンライが命を落とし(このゴッドジンライは、前作の最後でトランステクターに魂が宿った姿であり、元となった人間のジンライが死亡したわけではない)、新戦士兼スターセイバーの強化パーツである「ビクトリーレオ」に転生を果たし、スターセイバーと合体「ビクトリーセイバー」となり、最終的にはデストロンの地球破壊計画を阻止した。
その後、新たな敵バイオレンジャイガーが出現し、ビクトリーセイバーはその戦いの中で溶岩に飲み込まれるものの、「ゾーンモード」への変形機構をもつパワードマスター・ダイアトラスとソニックボンバーに助けられ、ダイアトラス達2体は、バイオレンジャイガーが放った九大魔将軍のうち4体を瞬く間に破壊する。その後はダイアトラスが総司令官に任命され、バイオレンジャイガーとの決着をつけることになった。
その後(玩具・雑誌展開のみ)コンボイとメガトロンが復活し、一度は和平を結ぶものの、ある事件をきっかけにメガトロンが再び戦争を再開、G(ジェネレーション)2戦争を繰り広げる(それまでの歴史は便宜上「G1」と呼称)。このころになるとトランスフォーマー市場が衰退に向かい始め、企画が尻切れトンボのような形で終わることも多く、明確な決着はビーストウォーズの時代まで待たなければならなかった。
宇宙空間でのデストロンとの戦闘中に惑星「エネルゴア(=実は過去の地球)」に墜落したサイバトロン達が、ロボットモードでの活動に適さないエネルゴアの気候に合わせるために現地の動物をスキャンし、有機的な(一部は後にメカ動物的な『メタルス』へと強化)外見を持つ動物=ビーストへの「変身」能力を付けたサイバトロンである。日本語版ではこれら動物(ビースト)に変身する時期の善玉勢力も「サイバトロン」と呼ばれるが、英語ではかつての「Autobots」に対して、「Maximals」と呼ばれている。
G1~G2期のサイバトロン(Autobots)が主に民間車両等に変形していたのに対し、ビーストウォーズ時代のサイバトロンは「Maximals = Maximum Animals (最高の動物たち)」の名の示す通り、主に動物園や水族館でよく見られる、親しみやすい哺乳動物や鳥類、水棲動物に変身する傾向にある。これは、G1~G2期のデストロン が主に戦闘機や軍事車両、ビーストウォーズ時代のデストロン(英:Predacons)が凶暴な恐竜や鮫類、有毒虫類に変形・変身するのとちょうど対をなしている。とくに「ネオ」のサイバトロンはコンセプトが「動物園vsジュラシックパーク」だったこともあり、コンボイ以外のメンバーが、キリン・ペンギン・ウサギ・タヌキ等のかなりファンシーな動物に変身し、賛否両論を呼んだ。
初代ビーストウォーズとその続編であるメタルスにおいては、サイバトロンは400万年前の地球(このときAutobotsは宇宙船アーク内部で眠りについていた)において、初代コンボイの抹殺(歴史改変)を阻止するためにデストロンと戦闘し、そして未来に帰っていった。しかしコンボイ抹殺に失敗した(ビースト)メガトロンは未来のセイバートロン星の占拠に成功し、サイバトロンはゲリラ戦を余儀なくされる。
和製ビーストウォーズである「Ⅱ(セカンド)」は、現在から数万年後、地球人がすべて移住していなくなった後の地球「惑星ガイア」を舞台にしており、「ネオ」においては、ワンマンズアーミーであったビックコンボイと、多くが大人しい動物に変身する士官候補生たちが、ユニクロンの復活を阻止するために宇宙に散らばったアンゴルモアカプセルを集める物語が展開された。 また、ネオの時代において最終的にデストロンとの和解に成功、これ以降の歴史については語られていない。
この時代のサイバトロンの特徴として、コンボイが個人名ではなく、役職名に変わっていることが上げられる(後述)。「Ⅱ」「ネオ」の時代にはサイバトロンは非常に高度に組織化されており、一部隊の長として「コンボイ」の名前が付けられた。そのため、ビーストウォーズの時代には複数の「コンボイ」が同時に存在している。
「カーロボット」に登場するサイバトロン次元パトロール隊は、かつてはG1~G2世代のサイバトロンにも、カーロボットに後続する作品のサイバトロンにも属さない独自の組織であるとされていた(KTフィギュアコレクション・トランスフォーマーフィギュアのうち、(場違いにラインナップされていた)入浴中のアイちゃんのフィギュア[3]に入っていた紹介カードに「初代コンボイたちとは別の時空のお話」と明記されている)が、最近では「未来のサイバトロンの一部隊」とされており、未来からワープしてきたG1世代のサイバトロンの一部隊という設定になっている。つまり、アメリカでコンボイ達がデストロンと戦っている間、2000年の日本では未来のサイバトロンと未来のデストロンの一派閥であるデストロンガーが戦っていたという事になる(後付け設定にはなるが、同じく日本を主な舞台とした「超神マスターフォース」の前日談に当たる)。
世界観を一新した「マイクロン伝説」「スーパーリンク」に登場するサイバトロンは同一の組織であり、デストロンとは幾度となく衝突しつつも、G1の時空からワープしてきたユニクロンを倒すために手を組むこともあり、「スーパーリンク」の最後にて、ユニクロンを消滅させることに成功した。
「ギャラクシーフォース」では再び世界観が一新され、ギャラクシーコンボイ率いるサイバトロン軍は、セイバートロン星に迫り来るグランドブラックホールを消滅させ、宇宙を救うために銀河系を股に掛けてプラネットフォースとチップスクエアの争奪戦を繰り広げる。最終的にグランドブラックホールを消滅させた後、この世界のデストロンのリーダー、マスターガルバトロンとの勝負をつけ、いわゆる「ユニクロン三部作」の最終作、そしてその時点でのトランスフォーマーTVシリーズの最終作にふさわしいラストを飾った。
初代トランスフォーマーの総司令官「コンボイ」は、そのビークルモードの形状がコンボイトレーラーであり、元々はタカラの別ブランド「ダイアクロン」のバトルコンボイからデザインと玩具を流用したことから付けられた日本語版での名称である(ちなみに convoy というのは「護送(艦隊)、輸送(車隊)」のこと)。原語版では、optimus (最適の、最前の、最高の、等の意味[4])+prime(最高位の、等の意味)を組み合わせた「Optimus Prime」(オプティマス・プライム)が名称となっており、主人公でありながら日本とアメリカで名称が違う。また次期司令官の「ロディマスコンボイ」は原語版では「Rodimus Prime」だが、これは司令官になる前の名称「Hot Rod」(ホット・ロッド)と「Optimus Prime」を合成したものである[5]。
しかし、ビーストウォーズのコンボイ達(コンボイ(英語版 Optimus Primal 、以下同様:ゴリラに変身)、ライオコンボイ(Leo Prime:ホワイトライオンに変身)、ビッグコンボイ(Big Convoy:マンモスに変身))や、ファイヤーコンボイ、ギャラクシーコンボイ(両方 Optimus Prime: 消防車に変形)など、日本語版の歴代サイバトロン総司令官は、変形(変身)する対象がコンボイトレーラーではないのにも関わらず「コンボイ」を名乗っている。これは、すでに初代「コンボイ」の名前がサイバトロンの中で偉大な司令官の代名詞として使われており、ローマ帝国の「カエサル」の様に、個人名が司令官を表す称号としての役割を果たすようになったからである。原語版では Prime がそれに相当するが、『ビーストウォーズネオ』が日本語版名称のまま海外放映された関係でビッグコンボイのみが例外となっている。
また、G1シリーズの和製シリーズである『ザ☆ヘッドマスターズ』『超神マスターフォース』『V(ビクトリー)』『Z(ゾーン)』の各作品において、総司令官は「コンボイ」の名前を名乗っていない。これは、前述の「コンボイ」たちが登場したのが初代シリーズのリヴァイヴァル要素の強い作品であるのに対してG1期の作品は初代と同一時間軸上にある続篇であり、また販促上の事情(日本では同じキャラクターが長く売れず、作品同士ののつながりが深いシリーズものでは定期的に新キャラクターを設定する必要があった)も考慮された結果であると思われる。
フォートレスマキシマス(Fortress Maximus)は fortress(要塞)と maximus(最大級の: ラテン語 magnus の最上級男性形)を組み合わせた造語であり、彼の身体的特徴を端的に表している。ジンライについては、ゴッドマスターとして合体する日系アメリカ人1世の青年の名前をそのまま名乗っており、おそらく語源は「迅雷」と思われる。スターセイバー(Star Saber)は主武器としてSaber(サーベル、セイバー)を振るう様から、ダイアトラスは「大」+Atlas(ギリシャ神話に登場する天を支える巨人)からとっていると考えられる。
掲示板
32 ななしのよっしん
2022/05/26(木) 19:14:50 ID: KjbW9juI7y
でも正直海外のやたら人類と対峙したりシリアスや鬱にしたがるアレっぷり見てたらもう足並み揃える必要無いんじゃないかと思う。
ふと思うけど日本の展開や海外の展開含め活躍などアメコミ等色々含めた総合的な意味でサイバトロン総司令官のワースト3はなんだろうか(実質デ軍なシャッタードは除いて)
個人的には
3:旧実写シリーズのオプティマス
2:G1ロディマス
1;ビーストコンボイ(オプティマスプライマル)
と思う
ダイアトラスはちゃんと本編見たりその時のデストロン事情を知ればワーストな司令官とは思えないので除外
33 ななしのよっしん
2023/10/30(月) 19:17:17 ID: 9676eNDYUB
昔はサイバトロンとずっと名乗っていたし、どちらかというとこっちの方が馴染みがあるんだけど、米ではオートボットが正式なんだよな
だから、実写映画公開(2007)の時にオートボット(サイバトロン)とかディセプティコン(デストロン)とかオプティマスプライム(コンボイ)とか、同じ組織、同じキャラなのに聞き慣れない名前が出てきて「???」となった覚えがあるわ(なぜか敵役のメガトロンだけは日米同じだけど)
日米で統一できなかったのかね?商標元のタカラが実写映画公開の時にどう対応したのか気になるんだよな
折角日本発祥のロボアニメで唯一の欧米での成功例と言っても過言ではない(まあ制作したのは米なのだけど)のに、変な所で揉めたりしていた感じがあるんだよな
権利の関係とかって難しいから大変だよな
34 ななしのよっしん
2024/09/30(月) 08:40:20 ID: dSjHAfzE2T
>>32
主人公以外なら(中間管理職だったアニメイテッドを除いた)
センチネルプライムがぶっちぎりだろうねぇ。
大抵の時間軸で差別主義で、自分の利益のためなら平気で
同胞裏切るし。
もはや数少ない時間軸でセイバートロン星が荒廃したのは
だいたいこいつのせいになってるレベル
急上昇ワード改
最終更新:2024/12/10(火) 02:00
最終更新:2024/12/10(火) 02:00
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