サウンドビバーチェ(Sound Vivace)とは、2019年生まれの日本の競走馬。黒鹿毛の牝馬。
父ドゥラメンテ、母*スクービドゥー、母父Johan Cruyffという血統。
父は2015年のクラシック二冠馬だがその後は故障に苦しみ、種牡馬としてもタイトルホルダーやスターズオンアースを送り出しながら早世してしまった悲運の名馬。サウンドビバーチェは3世代目の産駒。
母はドイツからの輸入繁殖牝馬で、イタリアのGⅢドルメーロ賞の勝ち馬。
母父ヨハンクライフはイギリス産の*デインヒル産駒で1998年の香港ダービー勝ち馬。種牡馬としてはイタリアGⅠ馬を1頭出した程度でさほど目立った実績はない。
2019年4月19日、浦河町の三嶋牧場で誕生。オーナーはサウンドキアラなど「サウンド」冠名を用いる増田雄一(愛知の電子部品メーカー「ジェディック」代表取締役)。
勝負服の色・柄と同じ、青+黄色に頬の部分がピンクという非常に派手なメンコをつけているため、レースを見ていてもどこにいるかわかりやすい馬である。
テーオーケインズなどが所属する栗東の高柳大輔厩舎に入厩。デビューは早く、新馬戦開始週の2021年6月6日、東京・芝1600mの新馬戦。鞍上は武豊、単勝16.4倍の6番人気だった。3番手の好位で進めるも、直線で伸びず7着。
続いて7月の新潟・芝1400mの未勝利戦に戸崎圭太を鞍上に挑んだが(17.6倍の7番人気)、中団馬群の中から前を追いかけるものの6着。
3戦目は9月の中京・芝1600mの牝馬限定の未勝利戦に松山弘平を迎えて挑み、ここは外枠から枠なりに外目の3番手で先行すると、直線での競り合いをハナ差制して、11.6倍の6番人気という地味な評価を覆し勝ち抜ける。
続いて11月の阪神・芝1600mの白菊賞(牝・1勝クラス)。岩田望来の騎乗したここも10.7倍の5番人気だったが、中団から進めて直線で外からルージュラテールと激しい叩き合いとなり、最後はハナ差競り負けて2着。
明けて3歳初戦は1月の中山・芝1600mの菜の花賞(牝・1勝クラス)。ここは石橋脩が騎乗。初めて1番人気(2.2倍)に支持され、最内枠から4番手で先行すると、逃げ粘ったフミバレンタインを差し切って1馬身半差をつける快勝。2勝目を挙げる。
引き続き石橋を鞍上にチューリップ賞(GⅡ)で重賞初挑戦。36.9倍の8番人気という評価だったが、好スタートから2番手で先行すると、直線で抜け出し押し切りをはかる。しかし大外からカッ飛んできたナミュールに並ぶ間もなくかわされ、内からきたピンハイと外から追ってきたサークルオブライフにも競り負け、惜しくも4着。桜花賞の優先出走権を逃し、桜花賞はパスして一旦休むことになった(賞金的には登録すれば出られたのだが……)。
さて、気を取り直して挑んだ優駿牝馬(GⅠ)。鞍上は引き続き石橋。出走馬の中でも実績的には明らかに下位だったこともあり、14番人気か15番人気か、だいたいそのぐらいの評価であった。だがこのレースで、サウンドビバーチェは一躍その名を知られることになる。
事が起きたのはゲート前での輪乗りの最中。ラブパイローに顔を蹴られたサウンドビバーチェは、石橋騎手を振り落として放馬してしまう(オークスでは2009年のワイドサファイア以来の出来事)。係員の制止を振り切って4コーナー方向へ向かって走っていき、そのまま7分ほど走り回った末にようやく確保される。馬体検査の結果、顔部挫創であえなく競走除外になってしまった。
このアクシデントで発走が15分遅れ、グレード制以降、GⅠでは過去最長の発走遅延に。このため地上波の一部放送局ではレースの途中でCMに入ってしまったり、待たされる間に発汗が酷くなった1番人気サークルオブライフが撃沈したりと、さまざまな影響が出ることになった。
とはいえこれに関しては蹴られる位置に入ってしまったサウンドビバーチェにも責任の一端があるとはいえ、サウンドビバーチェはあくまで被害者側ではあったのだが……。
夏の休養を挟み、紫苑ステークス(GⅢ)で復帰。鞍上に横山武史を迎えたここでは5.9倍の2番人気に支持される。ここでは初めて逃げの手を打ち、直線でもオークス2着の1番人気スタニングローズとの追い比べとなって粘ったものの、最後にクビ差かわされて2着。
惜しい敗戦ではあったが、優先出走権は確保したので残る一冠・秋華賞(GⅠ)へ向かったサウンドビバーチェ。鞍上は白菊賞以来の岩田望来。52.1倍の12番人気という評価だったが……。
本馬場入場後、サウンドビバーチェは何を思ったか柵に突進して岩田望来騎手を振り落とし、ラチを破壊、止めようとした係員を吹っ飛ばしてまたしても放馬。幸い今度は早く捕まり、だいぶ興奮していたものの馬体検査の結果異常なしとなって、そのまま出走することになった。
レースは外枠から2番手で先行し、4コーナーで先頭に出ると、残り200mまで先頭を争う見せ場を作る。最後は力尽きたものの、4着メモリーレゾンとタイム差なしの7着は、出走前のアクシデントも考え合わせれば大健闘と言えるだろう。鞍上も「放馬は申し訳なかった。先行する形で道中はスムーズでしたし、最後の反応も良かった。負けてしまいましたがいい内容でした」とのコメント。
しかしそれにしても三冠競走のうち2戦に参戦して2戦とも放馬というのは前代未聞。秋華賞はスターズオンアースの牝馬三冠がかかっていたこともあり、SNSではそれにかけて「放馬2冠」がトレンド入りすることになった。これで2022年の年度代放馬は確定であろう。
秋華賞の後は休養し、明けて4歳は洛陽ステークス(L)から始動。鞍上には団野大成を迎え、チューリップ賞以来久々のマイル戦ながら4.1倍の2番人気に支持された。しかしレースでは3~4番手で先行したものの、直線でずるずると後退しまさかの最下位11着に撃沈。
気を取り直して向かったのは阪神牝馬ステークス(GⅡ)。鞍上は新たに浜中俊を迎え、混戦ムードの中で13.8倍の12頭中6番人気。
2番人気ウインシャーロットが逃げ、サウンドビバーチェは2番手でそれを追走する。ルージュスティリア、ママコチャ、ピンハイらの人気どころが後ろで伸びあぐねる中、直線でウインシャーロットをかわして抜け出すと、そのまま1と1/4馬身差で押し切って快勝。嬉しい重賞初制覇を挙げた。
2着には10番人気サブライムアンセム、3着にも9番人気コスタボニータが続き、3連単は101万6510円の大波乱。12頭立て以下では歴代5位の高配当だそうである。
浜中騎手は「次のGⅠでもいい走りをしてくれるんじゃないかな」と語り、次走はそのままヴィクトリアマイル(GⅠ)へ向かう見込み。不名誉な放馬二冠馬から歴とした重賞一冠馬となったサウンドビバーチェ、次なるはGⅠ一冠馬を目指す。
ドゥラメンテ 2012 鹿毛 |
キングカメハメハ 2001 鹿毛 |
Kingmambo | Mr. Prospector |
Miesque | |||
*マンファス | *ラストタイクーン | ||
Pilot Bird | |||
アドマイヤグルーヴ 2000 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo | |
Wishing Well | |||
エアグルーヴ | *トニービン | ||
ダイナカール | |||
*スクービドゥー 2004 鹿毛 FNo.4-r |
Johan Cruyff 1994 鹿毛 |
*デインヒル | Danzig |
Razyana | |||
Teslemi | *オジジアン | ||
Martha Queen | |||
Simply Red 1997 栗毛 |
Dashing Blade | Elegant Air | |
Sharp Castan | |||
Schalmai | Nebos | ||
Shantou |
ニコニコには放馬シーンの動画はないのでとりあえずチューリップ賞と秋華賞を。
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最終更新:2024/04/19(金) 12:00
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