サトミアマゾンとは、週刊少年ジャンプで連載していた「みどりのマキバオー」に登場する架空の競走馬である。
船橋競馬場・正木厩舎所属。青毛。牡馬。主戦騎手は正木時二。
主な勝ち鞍
1996年:東京大賞典、セントライト記念(GⅡ)
1997年:帝王賞(GⅠ)、マイルチャンピオンシップ南部杯(GⅠ)
父ミルジョージ、母アマゾンフルーツという血統。
父のミルジョージは日本地方競馬においてイナリワンやロジータといった数々の名馬を輩出した名種牡馬。みどりのマキバオーに登場する種牡馬には実在の種牡馬をモデルにしたと思わしき馬が何頭かいるが(タマーキン→トニービン、サンデーサイデンス→サンデーサイレンスなど)サトミアマゾンだけは実在の種牡馬の産駒である。
レースでは常にメンコを被っている。出走馬の中で最も強い馬を見極め、その馬を常にマークし続け最後に差し切って勝利するという戦法を得意としており、その戦法から「船橋のヒットマン」という異名を持つ。
地方・船橋に所属していることにプライドを感じており、船橋に人を集めるという目的のため打倒中央を目指してクラシック路線に挑んだ。結果として、GⅠ勝利はあげられなかったものの三冠レースのすべてに出走し掲示板に乗り続けたことから、当時の人々はもちろん後の世代からも英雄視された名馬である。
サトミアマゾンがデビューしたのは1995年のことである。
それまで地方馬はジャパンカップ以外のGⅠに出走できなかったが、この年からは指定トライアルで出走権を得ることで他のGⅠにも出走できるようになった。まさしく地方・中央の交流元年といえる年であった。そんな時代にデビューしたサトミアマゾンは、地方のレースを10戦10勝の無敗で制した後中央・芝のクラシック路線に挑戦することとなった。
サトミアマゾンの中央・芝デビューとなったレースは弥生賞。皐月賞への出走権を得るために出走したこのレースでサトミアマゾンは一番人気に推された。得意のヒットマン戦法をとり、ミヨシタイガーをマークするが、最終直線でモーリアローが急に立ち上がった煽りを受けてミヨシタイガーが斜行、サトミアマゾンもその煽りを受けて失速。3番で入線するが、2番入線のミヨシタイガーが斜行により降着したことで2着となる(実はモーリアローが意図的に妨害した結果こうなったのだが、審議では彼の妨害行為は気づかれなかった)。後味の悪いレースとなったが、皐月賞への出走権を獲得したサトミアマゾンは初GⅠとなる皐月賞に出走する。
皐月賞では3番人気に推されて出走。ミドリマキバオーを終始マークし続けるも、アマゴワクチンの策にはまりスタミナを浪費させられた。最終直線でミドリマキバオー、カスケード、アマゴワクチンとの叩き合いになるが、途中で失速。3着という結果に終わった。
続く東京優駿ではマークする対象をカスケードに変える。そのため、カスケードに合わせ後方からの競馬となったが、ミドリマキバオーが逃げという奇策に打って出たため、第3コーナーでカスケードへのマークを切り上げ先頭との差を詰めに行った。その後、最終直線に入りミドリマキバオーとの壮絶な叩き合いを行うこととなった。一度はミドリマキバオーの豪脚に心が折れかけ、勝負を挑んで大敗するより2着をキープしようと考えるも、勝負から逃げようとした己を恥じ自らを奮い立たせミドリマキバオーを差し返した。しかし、ミドリマキバオーとの叩き合いにベアナックルが乱入し差され、ミドリマキバオーも必殺のきつつき戦法を行い再び差し返される。さらには、内ラチ沿いから強襲してきたカスケードにも差され、4着となった。
次走のセントライト記念では勝利をつかみ、菊花賞への出走権を手にするが、この年地方競馬は中央馬の席捲を受けており、地方を守るためにもこれ以上中央の芝レースに出走する余裕がなくなってしまった。また、芝よりもダートの方が適性があると判断され、菊花賞がサトミアマゾン最後の中央・芝への挑戦となった。
菊花賞は3番人気に推された。それまでと打って変わり、トレードマークのメンコを外し、戦法もヒットマン戦法を捨て大逃げに打って出た。これには10馬身差をキープしつつ第3コーナーに入れば、3~4コーナーに下り坂がある京都競馬場では抑えて走ることが定石であるため他馬はサトミアマゾンに追いつくことができないという狙いがあった。狙い通りサトミアマゾンは10馬身差をつけて第3コーナーに入るが、ミドリマキバオーはマスタングスペシャルで内ラチ沿いに坂を下り鞍上の山本菅助の奇策、ハングオンによって外に膨らむことなく直線に入り、アマゴワクチンも自身の策によりスタミナを温存したことで第3コーナーでスパートをかけ、多少外に回る不利を打ち消してきた。そのため、最終直線でミドリマキバオー、アマゴワクチンに差されてしまうが、途中ミドリマキバオーが失速、サトミアマゾンは最後の力を振り絞りミドリマキバオーを差し返し、アマゴワクチンにも迫るが、アマゴワクチンの兄ピーターⅡが獲得できなかった菊の冠への執念には届かず、2着に終わってしまう。
こうしてサトミアマゾンの中央クラシックへの挑戦は終わった。しかし、その走りは多くの地方競馬ファンを魅了し、サトミアマゾンは地方競馬の英雄となった。
菊花賞後のサトミアマゾンは地方のレースに専念することとなった。年末の東京大賞典では、中央のダート王ラブリィブラリィを返り討ちにし勝利。ただし、この年はまだ東京大賞典はGⅠではなかった。
翌年からJRAがフェブラリーステークスをGⅠに昇格させ、地方の川崎記念、帝王賞、マイルチャンピオンシップ南部杯、ダービーグランプリ、東京大賞典も統一GⅠとなった。疲労のためフェブラリーステークスは回避したが、帝王賞とマイルチャンピオンシップ南部杯でラブリィブラリィを再び返り討ちにして勝利。その後のサトミアマゾンの戦績は不明だが、10歳まで「船橋の守護神」として現役を務めたようだ。
種牡馬としての成績も詳細は不明だが、みどりのマキバオーの続編であるたいようのマキバオーではサトミアマゾンの産駒、アマゾンスピリットが地方・中央・海外問わず活躍し、ヒノデマキバオーのライバルとして度々立ちはだかっている。
サトミアマゾンが中央に挑んだ1996年のクラシック路線を走った競走馬たちをまとめてマキバオー世代と呼び、特に三冠を分け合ったミドリマキバオー、カスケード、アマゴワクチンの三頭を三強と呼ぶが、この三頭が三冠レースで万全かつ全員揃ったことは無かった。一方、サトミアマゾンは三冠レースすべてに出走し、常に掲示板に乗り続けたことから、サトミアマゾンを含め四強と呼ぶ声もある。「アホぬかせ一強やろが!」ただこれに対しサトミアマゾンは「掲示板もくそもねえ」「サトミアマゾンは負けた」と述べている。
その挑戦する姿勢は作中の多くのキャラクターから尊敬を集めている。
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最終更新:2024/04/23(火) 17:00
最終更新:2024/04/23(火) 17:00
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