1961年に発売された亀田製菓のロングセラー商品の一つで、柿の種と並んで亀田製菓が製造販売する最古のお菓子である。2021年には発売60周年を迎えた。亀田製菓といえば、「亀田の柿の種」が全国的に有名だが、それと対をなすロングヒットスナックがこのサラダホープである。
そっくりそのまま柿の種のような形をしたあられで、サラダ油でじっくり揚げて程よい塩味に仕上げている。素材には国産(一部タイ産)のもち米、塩には伯方の塩を使用している。
2021年には、発売60周年を記念して新潟にちなんだ包装デザインのサラダホープが発売された。亀田製菓公式Twitterでも、その記念包装デザインが紹介されている。
サラダホープには4種類の味が存在する。うま塩味を基本とし、えだ豆味、海老しお味、カレー味がある。いずれも通年で販売されている。
うま塩味 | 海老しお味 | カレー味 |
しかしこれだけロングヒットしているのに、実は日本全国であまり知られていないお菓子という側面がある。なぜなのか。その理由としては、「新潟県内でしか販売されていない」という実情がある。
ではなぜ、新潟県内でしか販売されていないのか。これには発売開始した約60年前にあったとある事件が関係する。
冒頭の説明の通り、サラダホープは1961年に発売された。1961年というと東京五輪の3年前にあたり、日本は高度経済成長期真っただ中の年でもある。
この頃、柿の種での大ヒットを機に大躍進中であった亀田製菓であったが、その柿の種と並んで同時期に世に送り出した米菓が本記事の「サラダホープ」である。当時、欧米から初めてサラダ油が日本に伝来し、新しい素材として注目された。これを亀田製菓はいち早く取り入れ、新商品のサラダホープの素材として利用した。そう、「サラダホープ」の"サラダ"は、"野菜サラダ"の"サラダ"ではなく、"サラダ油"の"サラダ"から取ったものである。
同様のネーミングは他社でも用いられ、現在も製菓業界では塩とサラダ油を用いたシンプルな味付けを"サラダ味"と呼称している。なお、一番最初のサラダ味はサラダホープが元祖となる。
一方で「サラダホープ」の"ホープ"は、英語の「Hope」(希望)から来ており、発売当時はまだ柿の種以外のヒット商品が生まれていなかったことから、「ホープ=(会社の)期待を背負う」という意味を込めて商品名に組み込んだとされる。
社運をかけて全国に発売されたサラダホープであったが、予想以上の売れ行きを飛ばし、瞬く間に亀田製菓を代表する米菓へとのし上がったのであった。
しかし、当時の社員ですら思ってもみなかった致命的なトラブルがすぐに発生する。
なんと、大人気であまりにも売れすぎたため、工場の生産ラインが全く追いつかない状況に陥ってしまったのである。
これを見て、亀田製菓は一時生産を中止。直後に新潟県内のみの販売に切り替えて、新潟県外販売分の生産ラインを再整備した。
そして生産ラインを再整備し、満を持して全国販売を再開したのであったが……人気再燃するどころかなぜか逆に全く売れなかったのである。なぜなのか。それは、生産ラインを再整備している最中に競合他社から既に類似製品を発売していたのが大きな原因であった。
この予想外な原因に面食らった亀田製菓は、やむなく新潟県内のみの販売に再度切り替えたのである。そして時が流れて、サラダホープは新潟のお菓子として徐々に定着していったのである。
サラダホープの悲劇から数年後となる1970年、亀田製菓はサラダホープに続くサラダ味第2弾のお菓子として「ソフトサラダ」というせんべいを全国発売した。
サラダホープと同様、この商品を発売直後からすぐに大人気商品となり、せんべい業界に大きな革新を生み出している。その革新については「ソフトサラダ」の記事が詳しいので、そちらを参照してほしい。
サラダホープ売り場の様子 |
現在では、新潟県内のスーパーやコンビニなどで販売され、柿の種に並ぶ新潟県民熱愛のお菓子として定着している。また、新潟県のお土産ショップや駅の売店、新潟県内にあるサービスエリアの売店、道の駅でも販売しており、新潟土産の定番品へとのし上がっている。
現時点で東京のイベントに限定出品したりとごく稀に県外展開も行うこともある。
特に2014年には、バレンタイン向けに「シャカシャカホープ」という商品をつくり、大阪の阪神梅田本店やオンラインショップなどで数量限定で販売したことがあった(なぜか新潟県は含まれていない)。
この商品はサラダホープをベースにカップ状の容器に装いを一新、4種類のパウダーを好みの量入れてシャカシャカする商品だった。ミルクショコラ味、いちごショコラ味、キャラメルショコラ味、ミックスジュース味の4種類があったが、残念ながら2021年現在まで再販は行われていない。
ちなみにサラダホープはこれからも全国販売することはないようだが、東京では表参道にある新潟県公式アンテナショップ「表参道・新潟館ネスパス」に限って特別販売されている。さらに、亀田製菓の公式ネットショップで取り扱っており、他県からもお取り寄せすることができる。食べてみたいと思った人は、下記リンクからアクセスして注文してみよう。
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最終更新:2024/03/19(火) 22:00
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