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サリドマイド

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医学記事 ニコニコ大百科:医学記事
※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。

サリドマイドとは、かつて睡眠薬として売り出され回収された後、現在再び注を集めているである。

概要

有機化合物
サリドマイド
サリドマイド
基本情報
英名 Thalidomide
化学 C13H10N2O4
分子量 258.23
化合物テンプレート

サリドマイドは睡眠薬として1957年10月1日ドイツケミー・グリュネンタール社からconterganとして発売され、その後1958年4月イギリスでディスティラーズ社から売り出された後1961年11月27日に発売が停止された。 日本でも1958年1月20日日本から「イソミン」として発売され1962年9月18日に販売停止された。しかし血液のがんの一種である「多発性髄腫」治療としての有用性から2008年10月16日に再承認され、2009年2月に再発売された。

信じられないことにサリドマイドは副作用を大して調べもせずに「安全な」として売り出された。ここで言う安全とはラットマウスモルモットウサギネコイヌに大量に与えても致死量を見出せなかった、つまり「どんなに大量に飲んでも死なない睡眠薬」という程度の意味でしかなかったので後にさまざまな問題を出すことになった。 皮なことにこの、「安全な」というのがとなり大衆として薬局で購入できたことも後の悲劇を大きくする。安全なのはずだったのだが、何年かして重篤な副作用医師の間で知られるようになり、処方箋が必要になり、新聞でスクープされるとようやく ようやく回収された。(当初はドイツだけ、その他のでの回収は渋った)

実はサリドマイドには睡眠薬のほかに「つわりを抑える」作用があり、これが後々の悲劇を大きくする一因にもなった。

有害作用

副作用は次のとおり。

  • 催奇性(サリドマイド胎芽病)
    読んで字のごとく奇形を催す作用である。妊娠中、最後の月経から3450用すると奇形が発生する。その期間後に用しても一切発生しないこともサリドマイドとの因果関係の発見を遅らせる大きな要因となった。()内の数字は最後の月経からのサリドマイドの用時期(日数)。 現在ではこれらの副作用を防ぐ的で、妊娠な年代の女性に処方される場合には使用開始前に複数回の妊娠を行い、さらに使用中は定期的に妊娠を行うと定められている。
    また、女性患者だけではなく男性患者の場合にも関係ではない。サリドマイドは投与されている男性患者の精液にも移行するためである。サリドマイドを投与されている男性患者は、妊娠な年代の女性と性行為を行う場合には精液を相手女性に触れさせないようコンドームを使用せねばならない。
  • 神経
    5~20%の人に、サリドマイドを用開始から1年未満にれやぴりぴりするような痛みを感じる。患者の多くは手足の感覚を失う、顔面の感覚を失う患者もある。れだけでなくはげしい筋肉の痛みや下肢の痙攣が起きるなどの症状もある。
  • 傾眠
    現在再発売されているサリドマイドの医薬品情報exitを見ると分かる通り、眠気を催す。事件が発生する以前、睡眠薬として使用されていた時代にはこれは作用であった。現在では睡眠薬としては使用されず下記のような作用を期待して使用されるため、この効果は副作用となっている。
    対策としては「就寝前にサリドマイドを用し、そのまま寝る」という使用法がとられる。ただし深く寝入ってしまうために「就寝していても必要があれば即座に起床して対応せねばならない状況にある人(緊急性が高い職業に就いている、非常に責任の大きい役職にある、育児中あるいは介護中、など)」では不都合が生じる。また使用中は間にも眠気が生じてしまう可性があるため「眠気が致命的な結果につながる職業の人(運転手など)」も注意が必要である。

主作用

以下はサリドマイドの有効性が確認されたものを述べてある。現在においてはもっと有効なが出てきているものもあるので、必ずしもサリドマイドが第一選択肢となっていることを意味するのではない。

  • ハンセン病
    1964年ヤコブ・シェスキン医師のもとに進行したハンセン病患者が紹介された。そして医師は絶え間ない痛みに何週間も睡眠をさえぎられ錯乱し、死のふちにあった患者に「失うものは何もない」とばかりに病院に残っていたサリドマイド2錠を処方した。患者は20時間眠り続け、覚めたときには介助なしでベッドから起き上がれるほど回復していた。このことがきっかけでハンセン病患者もサリドマイドも入手可ベネズエラへ飛び、二重盲検試験で92%の患者に劇的な善が見られることを確認した。この試験結果を1965年医学誌に発表した。
  • エイズ(アフタ性潰瘍と痩せ)と結核
    ハンセン病患者の中には結核患者もいて、結核患者の中にはエイズ患者もいた関係で、サリドマイドがエイズ特定の症状に対して有効であることが分かっている。アメリカではエイズが知られるようになったとき、潰瘍と痩せに関しては代替のが見つかっていないこともあって、裏ルートで密輸しサリドマイドを使用した。そして徐々に特別な手順を踏んで合法的に入手できるようになっていく。
  • 様々な免疫疾患
    サリドマイドのTNF-α制作用があり、自己免疫疾患に関しては過剰なTNF-αが関与していることが多い。例えばから多発性硬化症、ベーチェット症候群、炎症性腸疾患(クローン病潰瘍性大腸炎など)まであらゆる自己免疫疾患にサリドマイドは効いた。つわりも免疫作用の一種であることを考えると、(運悪く)サリドマイドがつわりに効いたのも分かってみれば自然なことである。そのほか臓器移植、特に移植のさいの厄介な症状であるGVHDに対して有効なことも分かっている。

  • が成長するのも胎児が成長するのも血管新生という作用が重要になる。要するに新しく血管ができてはじめて栄養が供給されるようになり、組織が成長できるのである。その意味で両者は似ており、似ているので、妊婦に投与できる抗がん剤は存在しない。そもそも大量摂取したビタミンAのように身近な物質にも催奇性があるのである。この意味でもっとも活躍が期待される分野かも知れない。
    1994年ジューダ・フォークマン博士ロバート・ダマト博士の成長には血管新生が欠かせないことを発見した。成人では怪でもしない限り血管新生は起こらないので、血管新生を抑制することによる治療は成人には副作用が少ないのでは?と考えた。さらに、そして血管新生を抑制するはきっと世の中にもうある、仮に血管新生が抑制されたらどんな症状がでるかを考え、Medline(医療文献データベース)で「無月経」かつ「胎児奇形」で検索し、HITしたのがサリドマイドだったのだ。
  • 糖尿病性網膜症と斑変性症
    どちらも余計な血管が生じる事によって生じる症状であり、アメリカの失明の二大要因である。サリドマイドの血管新生の抑制作用による効果が期待される。

奇形発生の作用順序

サリドマイドが催奇性をあらわすには一度ヒト肝臓で代謝される必要がある。ヒトのほかではウサギでも発生するがラットでは発生しない。

まず、サリドマイドがヒト肝臓で代謝され、別の物質になる。一旦肝臓を通ると何もの物質に変化する。そしてそのうちの少なくともひとつがGCボックスと呼ばれる遺伝子プロモーターの特定パターンGGGCGG)に入り込む。そして血管新生までの連鎖反応にかかわるたんぱく質のうち8つで、このGCボックスを持っている。仮に各ステップで10%の効率の低下を招くと、経路全体では50%以上の効率低下になる。正常なら2n個に分裂するはずがこの効率低下によって2n/2にしか分裂できない、n=10なら1024個のはずが32個にしかならないのである。

この効率低下によって血管が生まれず、したがって栄養が運ばれず、組織も成長できなくなり奇形となる。サリドマイドは用時期でどの組織が奇形となるかが決まる。これは組織が出来上がる時期は受精してからの時間により決まっているためである。

考察

サリドマイドの用した時期とそのとき発生した奇形の関係を見れば、どの組織がいつごろ成長するかが見えてくるともいえる。つまり、ビタミンAだろうが放射線であろうが奇形の発生について注意する時期は同じなのだ。

妊娠一ヶというのは通常妊娠に気がつかない時期であり、妊娠に気がついてから注意するのでは遅いのだ。計画的な妊娠でないと注意できない時期なのだ。子供をほしい人は心に留めておいてくれれば幸いである。

前述したように、副作用に「眠気」がある。サリドマイド自体は何も変わっていないのに、睡眠薬として売られていた頃には作用だったのが副作用になっているのだ。要は作用も副作用人間が勝手に決めたものであり、人間の個性のようなものなのだ。それが役にたつかとなるかは時と場合によるのである。も個性も使いようってことだ。

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  • 17削除しました

    削除しました ID: WoMOqXpykI

    削除しました

  • 18ななしのよっしん

    2016/04/18(月) 07:34:18 ID: Vtx90GrnR1

    >>11-12 >>14-15
    正確でなかったり誤りがあったりするかもしれませんが、自分の理解していることを書いておきます。

    R体⇔S体に変化できる物、ほかにも単結合部分で回転する物などは、作用に直接関与しない部分の構造を変えて構造を固定すると、作用が強くなることがあります。
    (これはたとえばR体が作用するとして、50%くらいがR体のと、100%なR体の較になるわけですから、単純な濃度の違いによると考えて自然に説明がつくわけです。)
    ですから、>>15の「なぜ催奇性がいR体だけを作っても水中でラセミ化するのにR体が催奇性がないと分かったのか」に対しては、「作用に関与しない部分の構造を変えて固定したもので動物実験を行ったから」ではないかと思われます。

    そもそも、作用部位(受容体など)に結合するときには、当たり前ですがR体かS体のどちらかの構造を取っています。そして、R体が結合できるところにS体のままでは結合できないです(逆もしかり)。
    R体とS体の両方
    (省略しています。全て読むにはこのリンクをクリック!)

  • 19ななしのよっしん

    2017/02/01(水) 15:28:28 ID: Vtx90GrnR1

    奇形性の機序について、諸説あったと思いますが
    近年、有視されたユビキチンリガーゼの阻について、記事に追加したほうがいいかもしれませんね。

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