サリナスとは、漫画「キャプテン翼」シリーズの登場人物である。
ワールドユース編から登場。
作品のラスボスとなるブラジル代表のゴールキーパー。
彼が登場したワールドユース編が出た当時、ブラジルユースのゴールキーパーと言えばテクモ版ゲームに登場したゲルティスの事だった。「もしもゲルティスが漫画で描かれたら、あのダークイリュージョンはどのように描写されるのか?」という期待も一部に存在したが、さすがに実現はせず、サリナスというキャラが登場する事になった。実力、人格ともにファン人気の高かったゲルティスの印象は非常に大きく、新たに登場したサリナスはどうしても「ゲルティスの代理」「漫画版の仮想ゲルティス」「ダークイリュージョンの無い常識的なゲルティス」と言った視線を向けられる事になった。
実際にはゲルティスの存在があろうと無かろうと「強豪ブラジルのゴールを守るGK」という立ち位置のキャラは必ず登場するはずであり、あからさまにコインブラのパクリでしか無いナトゥレーザと違って初めからゲルティスの代役として設定されたわけでは無いのだろう。しかし、ナトゥレーザがコインブラのパクリならサリナスもゲルティスのパクリだよなと思われたのは作者の自業自得あまりにも前任者の存在が大きすぎたのだ。もはやサリナスというキャラクターは、登場した時点で「あのゲルティスと比較してどうなのか」という話題から逃れることはできなくなっていた。
なお、アニメ映画「世界大決戦!!Jr.ワールドカップ」にサンターナと共に登場したブラジルのGKゴンザレスくんというキャラがいるのだが、彼はキャプテン翼には珍しくブサイクなのでこんなのを再登場させても画面に華が無いドライブシュートで得点できるレベルのGKだったので代表落ちし、新たにサリナスが登場する事になったのだろう。
その実力はワールドユース当時では最強クラスのゴールキーパーと言って良く、決勝戦までの全試合を無失点に抑え、全日本を苦戦させた火野のトルネードシュート、全日本が切り札とした日向の雷獣シュートを阻んでいる。
彼が失点を喫したのはチームが全員で体当たりしてくるスカイダイブシュート、日向の雷獣シュートによるパスから翼と岬が雷獣ツインシュートを放つ閃光雷獣シュートと、もはや人類に止められる代物では無い攻撃なので責めることはできない。
前者は明らかに反則であり、人間一人が支えきれる圧力では無かった(全盛期のミューラーが全力メガトンパンチをぶち込めばまとめて粉砕できたかも知れないが、サリナスはそういうキャラでは無い)。
後者は、攻撃側は複数名が参加して攻撃力を果てしなく高めることが可能だが、ゴールキーパーは一人で防がなければならず、圧倒的に不利なのである。もはやそれは阻止不可能と言え、この後もそんな攻撃力を持つシュートが頻出している。
むしろ「ここまでしなければサリナスから得点することはできなかった」という意味で、ジュニアユース編のミューラーに匹敵する扱いを受けていたと言えるだろう。
……この2失点までは。
試合を決定づけた最後のシュートは翼のオーバーヘッドキック。特に強烈な大技でも無い、ごく普通のシュートに反応できずに失点してしまった。
その理由は、試合中に真のラスボスとなるナトゥレーザが登場したため、サリナスはもうラスボス格のキャラでは無くなってしまったのである。
ジュニアユース編では翼とシュナイダーの一騎打ちを乗り越えた後、ミューラーから得点を奪うために「ゴールバーに当たって跳ね返ってきたボールをオーバーヘッド、さらにそのシュートにドライブ回転がかかっていてようやくゴール」という死闘が描かれた。シュナイダーとミューラー、いずれもラスボスの格を持っていたと言えるだろう。
また、テクモ版のゲルティスもコインブラ登場後に能力が下がる事は無く、むしろ日本が完封されているのにコインブラが出てきて追い討ちを掛けられるという事態も実際によく起こる。
しかし、サリナスは「サンターナ、ナトゥレーザとの勝負をクリアできたら、あとはもういいや」と言った流れで失点を喫する羽目に陥ってしまった。
テクモ版を覚えているファンなら、あの言葉が脳裏に蘇った事だろう。
「ゴールに突っ立ってるだけでゴールキーパーをやろうってか!? ポストの方がまだマシだぜ!!」
最強ブラジルのゴールキーパーとして登場した男は、あのゲルティスの代役として期待されたはずの男は、最後の最後に漫画版ブラジルの森崎としてワールドユース編の完結を迎えてしまったのである……。
プロ入り後の『ライジングサン』でも、サリナスの弱体化は止まらなかった。これまでは「あの最後の1失点だけが凡ミスだった。それまではきちんと抑えていた」と言えたのだが、ブラジルが大量得点で勝ち進んでいく中、相手チームにもお情けのようにいくらか点が入っていく。「相手チームは決して弱くは無かった。しかし、それを圧倒的な力で叩き潰すブラジルはもっと強いんだ」という構図である。しかし、そのためにサリナスの失点数が増えていくのだ。以前なら「日本と当たるまでは全試合無失点」であったのに。
中国を相手に、試合自体は6点を取って圧倒しているのに肖俊光に2得点を奪われる。
また、ドイツ相手では前半だけでシュナイダーにハットトリックを決められ、後半にも1点を失い、最後のシュナイダーのシュートもリバウールが止めなければ入っていただろうと言う、またしてもブラジルの森崎たる無残な姿を晒してしまった。
アルゼンチン戦ではディアスにハットトリックを決められてしまう。
フランス戦では2失点を喫した(単行本で3失点に悪化)。
ここまで転落してしまった理由は、ナトゥレーザがスタメン化したうえに、さらにラスボス格としてリバウールが参加しているためである。サンターナ、ナトゥレーザ、リバウールとフィールドプレーヤーに強豪が3人もいては、もはやゴールキーパーがザルでないと試合が描けないのだ。
(同時に、リバウールが加わったためにナトゥレーザもラスボスの資格を失い、初登場時の風格は消えてしまっている)
それでも、ミューラー、ヘルナンデス、エスパダス、カリューシャスと言ったかつての強豪GKたちが6失点以上が当たり前になっている作中で最悪4失点に抑えているのは、若林に次ぐGKとしての地位を許されていると言えるのかも知れない……。
こう比較してみると、サリナスはゲルティスほどの活躍はできていない。
日向のシュートをどう考えるかだが、漫画版の日向はテクモ版に比べて不遇が著しく、同等の威力だとは言えないだろう。
ゲルティスもシリーズが進むごとに初登場時からは弱体化していくのだが、それでも優秀なGKという構図は変わらない。特にVのサンターナの章では「ゲルティスがいなければ勝てなかった」という苦戦を彼の力で切り抜ける試合があり、その印象は特に強い。「サリナスは失点したが、味方の大量点のおかげで試合には勝てた」とは正反対の展開である。
掲示板
1 ななしのよっしん
2022/04/11(月) 13:19:14 ID: O3x2APi1vA
ここもアニヲタwikiも
テクモを引き合いにWY編やキャラを叩くノリは好きじゃない
2 ななしのよっしん
2022/04/27(水) 05:55:01 ID: Zx7ZBF8swZ
つかWY編の3点目のオーバーヘッドはかなりの近距離かつ
空中ボレーをナトゥレーザが防いだと思わせてからの
着地すら挟まないタイミングでサイドネットギリギリへぶち込んだ
作中でも神技とまで評されるシュートなのに
ごく普通のシュートとか本編ちゃんと読んでない人なんじゃないかと
3 ななしのよっしん
2022/06/21(火) 02:37:59 ID: Jx+PrIZzlR
触れるだけで手が破裂する勢いの雷獣シュートやトルネードシュートを軽くキャッチしてたのは違和感あった
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/20(土) 09:00
最終更新:2024/04/20(土) 09:00
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