サン・ジョルジョ級揚陸艦とは、イタリア海軍が運用している揚陸艦である。
1980年代にアメリカ合衆国から購入した戦車揚陸艦の更新用として2隻が建造され、練習艦機能を重視した派生型が1994年に1隻建造された。更に2014年になってアルジェリア海軍向けに派生型1隻が、続いて2020年代前半にはカタール海軍向けに1隻が建造される予定。
なお、イタリア海軍では本級を航空機を含む多彩な輸送・揚陸を行う『強襲揚陸艦』に分類しているが規模・能力的に言えば兵員や車両・物資の輸送・揚陸を自身と舟艇で行う『ドック型揚陸艦』となり、2030年代に3隻が揃う後継の16000t級揚陸艦は純粋な『ドック型揚陸艦』になるとみられる。
全長133m、全幅12.9m、満載排水量7600t級の船体は当初一見すると空母型の全通甲板だが、右舷側に配置した艦橋とその反対側にある2つの上陸用舟艇用デリック、そして艦首は一段下げて錨用甲板としてその真中に戦後に建造されたイタリア軍艦の象徴、76.2㎜単装速射砲1門を備えていた。また、艦首にはバウランプが備わっており、ウェルドックに搭載した上陸用舟艇と併せて30両程度のAFVと345人の兵士を揚陸させる能力を持っている。
機関は1万6800馬力のディーゼルエンジンで最高速度20㏏、航続距離は16㏏で7500海里である。
ただし、航空機の運用能力は甲板が船体中央部で事実上分割され艦首と艦尾の甲板しか離着陸できず、固有の格納庫も装備せず、必要に応じて小型ヘリを車両用格納庫に格納する程度でしかなかった。
しかも甲板にも車両を積載することも想定されており航空機運用能力は低い。
尤も本級が就役した時期には軽空母『ジュゼッペ・ガリバルディ』も就役し、複数のヘリコプター運用能力を持つアンドレア・ドーリア級巡洋艦2隻と巡洋艦『ヴィットリオ・ヴェネト』も現役だったことから問題はなかった。
1999年から2000年にかけて本級2隻は改装を受け以下の艦容になった。
左舷の改装 | 左舷中央部のデリックを撤去、 代わりに左舷を張り出して 舟艇格納庫を設けた。 これにより中央部に小型ヘリ 2機の離発着が可能となった。 |
艦首の改造 | 艦首を改造して甲板を延長、 艦首側の離発着スペースを 増強した。 これに伴いバウランプは撤去。 |
艦砲を撤去 | 前述した艦首の改造に伴い、 速射砲を撤去。 これにより本級の自衛武装は 機関砲2門のみとなった。 |
1990年代に就役した派生型で揚陸艦としてのみならず練習艦も兼務している。
このため士官教育の関連設備を設けた関係でサイズこそ変わらないが排水量が8000tに増えている。
また、左舷のデリックが3つに増やされているのも特徴である。
サイズ | 全長142m、幅21.5m 満載排水量8,800tと拡大 |
輸送能力 | 兵員数440人、車内に AFV20台程度。 |
個艦兵装 | 76㎜砲に加え艦対空ミサイル アスター15(射程30㎞)用VLS 8セルを装備。 |
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最終更新:2024/04/25(木) 14:00
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