ザルカヴァとは (ザルカヴァとは) [単語記事]

ザルカヴァ(Zark ava)とは、2005年生まれのアイルランド生産フランス調教の元競走馬・現繁殖牝馬である。

2000年代後半の世界的な最強牝馬時代においても特筆すべき存在。

概要

父のZarmindarは、競走馬としてはGⅢ勝ち程度だったが、全兄にかつて「ダンシングブレーヴの再来」と呼ばれた(但しクラシックでは一気にしぼんでしまった)Zafo nicを持つ良血馬。母は大馬主アガ・カーン一族の配合理論の粋を集めた良血馬であるZark asha。
5代母に19戦14勝を挙げた伝説の名牝にしてアガ・カーン一族の生産馬でも屈指の名馬でありながら、繁殖牝馬としては不幸であったPetite Etoileを持つ。

馬主のアガ・カーン4世と専属契約を結ぶアラン・ド・ロワイエ=デュプレ厩舎に入厩し、2歳9月のデビュー戦を軽々と勝利。
続いてフランス2歳牝馬の女王決定戦であるマルセル・ブサック賞に出走。最後の直線で主戦騎手のクリストフ・スミヨンが手綱を思いっきり引いて止めるほどのどん詰まりに見舞われるが、立て直すと凄まじい末脚でぶっこ抜き圧勝。ついでにゴール板を通り過ぎるあたりで跳ねた。余裕綽々である。
エアグルーヴも真っ青など根性と爆発的な瞬発力を周囲に植え付け、クラシックはこの馬！　と思わせた。

その期待に応え、前哨戦を不良馬場を苦にせず軽く勝つとプール・デッセ・デ・プーリッシュ(フランス 1000ギニー)に出走。後のマイルの女帝 Goldikova、GⅠ3勝を挙げるHalf way to Heavenらメンツも揃っていたが、ここも爆発的な末脚で圧倒し勝利。レースレコードのコンマ2秒落ちとなる1:35.2という時計を叩き出し、同日のプール・デッセ・デ・プーラン(フランス 2000ギニー)よりタイムが速いというおまけまで付けた。
余談だが、5代母のPetite Etoileもオークスの走破時計が同年のダービーを凌駕していたという逸話を持つ。
その後ディアヌ賞(フランスオークス)に向かい、当然のごとく大外をぶん回し圧勝。主戦騎手のスミヨンもかつて主戦として共に戦った凱旋門賞馬 Dalakhaniみたいな牝馬と大絶賛し、彼女の才能に首ったけであった。

夏を越し、フランスのエリザベス女王杯的レースのヴェルメイユ賞に向かう。ここでは大出遅れを喫して最後方からの競馬となったが、それでも大外をぶん回してDar Re Mi(2年後のドバイシーマクラシックでブエナビスタを撃破)以下を軽々下して完勝。陣営は次走に予定通り前売り1番人気に推されていた凱旋門賞を選択する。
エイダン・オブライエン厩舎&クールモアスタッド陣営の大エースでキングジョージなどGⅠ5連勝中のDuke of Marma ladeや前年の2着馬 You mz ain、日本からメイショウサムソンが2年越しの願いを叶えるために遠征するなどやはりメンバーも揃っていた。
そんな中、中団後方で待機し直線では馬群をぶち割り飛び出すとそのまま独走し圧勝。3歳牝馬が勝ったのはAkiyda以来26年ぶり、牝馬の勝利もUrban Sea以来15年ぶり、無敗での勝利はSagamix以来10年ぶりという快挙となった。

この栄光に包まれたまま繁殖入りが発表され、通算成績は7戦7勝(うちGI5勝)となり、*ラムタラ以来となる生涯無敗の凱旋門賞馬としてターフを去った。翌年早速Dalakhaniが付けられた。良かったなスミヨン。
その後もSea the Starsなどそうそうたる面々を種付けされている。
しばらくは産駒が実績を残せず、繁殖牝馬としてはイマイチなのか……と思われたが、Dubawiとの間に生まれた4番仔 Zarakが2017年にGⅠサンクルー大賞典を制し、ようやく活躍馬が出ている。

血統表

Zami ndar 1994 鹿毛	Gone West 1986 鹿毛	Mr. Prospector	Raise a Native
			Gold Dig ger
		Secret tame	Secretariat
			Tamerett
	Zaizafon 1982 栗毛	The Min strel	Northern Dancer
			Fleur
		Mofida	Right Tack
			Wold Lass
Zark asha 1999　鹿毛 FNo.9-c	Ka hy asi 1985 鹿毛	*イルドブルボン	Nijinsky II
			Roseliere
		Ka dissya	Blushing Groom
			Kalkeen
	Zark ana 1992 鹿毛	Doyoun	Mill Reef
			Dumka
		Zarna	Shernaz ar
			Zahra
競走馬の4代血統表