ザンスカール帝国(Zanscare Empire)とは、アニメ『機動戦士Vガンダム』に登場する、宇宙世紀(ガンダムシリーズ)の架空の国家のひとつ。
所謂『宇宙戦国時代』と呼ばれる時代区分である、宇宙世紀0140年代にサイド2にて勃興した。
マリア主義を唱える女王マリア・ピァ・アーモニアを絶対君主とした国家であるが、その実権はマリア主義の支持政党であるガチ党の一党独裁政権と、その宰相フォンセ・カガチが握っている。
新興宗教団体の中心人物だったマリアのヒーリング能力に目をつけたカガチによって、マリアの信徒が特に多かったサイド2のコロニーのひとつ「アメリア」の政庁に政治団体ガチ党が発足。後に政権を完全に掌握して、ザンスカール帝国を建国した。
※建国までの詳細な前史は、以下の記事がとても秀逸である為参照のこと。
→マリア主義 →宇宙戦国時代
政権を掌握するに至り、ギロチンで罪人を公開処刑し住民の支持を集めるとともに、対抗勢力に対する恐怖政治を行っていた。このことが、リガ・ミリティア(神聖軍事同盟)という民間ネットワークを刺激し反ザンスカールのレジスタンス組織として再結成させ、ザンスカール帝国が地球上へと侵攻すると、両者との間に激しい戦乱が繰り広げられた。これがザンスカール戦争(宇宙世紀0152年10月~0153年6月23日)である
ザンスカール帝国の軍部はベスパと呼ばれている。"Ballistic Equipment & Space Patrol Armory"(弾道研究と宇宙偵察部隊本部)の略で、帝国建国と同時に設立された。ベスパとはイタリア語でスズメバチの意で、その名の通りパイロットスーツは黄色を基調としている。
組織構造は建国時に接収した、サイド2に駐留する地球連邦軍の部隊が母体となっており、兵器開発はサイド2やサイド4のサナリィの開発機関や月面の旧アナハイムの関連施設で行われていた。また、地球降下作戦以降はラゲーン基地で地上用MSの開発、生産が行われていた。独自の最新鋭のMSは、当時の腐敗した連邦軍の戦力・MSでは太刀打ちできない強力なものだった。
ちなみに「ジーク・ジオン」同様のフレーズとして、「ハイル・ザンスカール」、「ザンスカール・マリア」がある。
やや地味だがベスパの軍服には多数のバリエーションが存在する。
通常のカラーはカーキーだが、一部のMSパイロットが身に付けているワインレッド、学徒兵などが身に付けているブラックが存在する。また宰相カガチが着用しているものはパープル、失脚して復帰した後のタシロ大佐はネイビーのものを着用している。
機体デザインは、ゾロやゾロアット、ゲドラフなどの数体を大河原邦男が、それ以外のほぼ大部分を石垣純哉が担当した。近年の石垣氏のインタビューによれば「子供向けを意識しシルエットで分かるデザインを考えた」「言い方は悪いが少しふざけたようなデザインが多い」とのことであるが、ザンネックやゲンガオゾや後述のサンドージュなど、監督富野由悠季が描いたイメージラフボードを前提、或いはほぼそのまま踏襲した機体もある。
これらデザインに関しては、従来のガンダムファンからは受け入れがたいデザインとする声もある一方、好意的なファンも存在し、近年ザンスカールMSを多く商品化している食頑ブランド『MSアンサンブル』の開発担当者もザンスカールMSやVガンダムに親しい人物であるなど、一定の評価を得ている。またカテジナ役の渡辺久美子も「モビルスーツに関しては正直あまり良く分からないんですけど、ザンスカール帝国のモビルスーツは何となく猫目というか可愛い感じなので好きですね。」と好意的に評価している。
没となった機体や設定も数多く存在する。これらは書籍『NT100%コレクション機動戦士Vガンダム』『それがVガンダムだ』などに設定画やラフが掲載されているが、「ザンコック」というザンネックの前身となった超巨大MSをはじめ、富野氏自らがラフに描いたバイクにまたがる様なMSや、石垣氏の前述のインタビュー内での「戦艦の砲塔に擬態しているMS」などが存在していた。また初期デザイン案においてもジャバコの装備として巨大な実体ブーメランがあったり、リグ・シャッコーの背面にビームカッターがあるなど、様々な独創的かつ奇抜なデザイン案があったとされる。
なおシャッコーは、当時若手で後々ガンダムAGEやビルドファイターズに至るまで数多くのガンダムシリーズに参加する事となる石垣氏が、初めてデザインしたMSである。『NT100%コレクション』では7~8種類にも及ぶシャッコーのデザインが掲載されており、難産な作業だったのを伺わせる(一番初期のデザインの頭部はゴッゾーラに流用された)。氏の画集の最初のページを新規書き下ろしで飾っているなど、思い入れ深さも伺わせる。
なお、この時期のMS運用はビームローターやミノフスキーフライト、ミノフスキードライブを搭載する単独飛行を標準的に可能とした第二期MS(小型MS)が中心の為、重力下での運用の際には必ずしも戦艦を必要とする時代ではなく、イエロージャケットなどラゲーン基地所属の部隊では戦艦を必要としなかった。
これにはザンスカール帝国の規模や地球降下時の活動範囲が、かつてのジオン公国ほどではなくヨーロッパの地域にのみ留まっていたことや、相手が地上部隊を中心とした特定の防衛拠点を持たないゲリラ組織リガ・ミリティアであったこと等も要因として挙げられる。
掲示板
106 ななしのよっしん
2024/01/05(金) 06:40:39 ID: 7Xjh1VxXPN
ベスパの母体が元連邦軍とはいえ、開発したMSの装甲がクロスボーンと同じチタン合金ハイセラミック複合材なところを見ると、クロスボーンの技術も使われているようだな。
以前のガンダム関連の雑誌でベルガ・ギロスからゾロアットに発展したという記事があったそうだが、それなりに説得力はあるかもしれない。
ザンスカールの猫目もクロスボーンの丸眼鏡から発展したとか?
107 ななしのよっしん
2024/01/05(金) 12:14:04 ID: 7Xjh1VxXPN
108 ななしのよっしん
2024/04/12(金) 20:23:55 ID: QW3iuHY0nL
マリア主義ってイスラム教のジハードに似てる気がする
イスラム教のコーランには「戦争と殺人を神は望んでいない」と記されてるが、同時に「大切な物(身内や大義)を守る為には戦うべき」とも記されている
タリバンやイスラム国といったイスラム教過激派はこのジハードを曲解して「自身や国を脅かしかねない物は先んじて潰す」としてテロを起こしたりするという
ザンスカール帝国も元々は「女性中心の戦争が起きない社会」を目指してたけど、後に「国を守る為には戦う力が必要」という発想に行き着き、それがやがて「国が責められない為には、先に他勢力を攻撃して潰す」という過激な考えに至ったのかも知れん
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最終更新:2024/04/19(金) 09:00
最終更新:2024/04/19(金) 09:00
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