シスタープリンセス (正式表記はシスター・プリンセス、Sister Princess。通称シスプリ) とは、雑誌「電撃G's magazine」に連載されていたイラスト付き小説である。
原作は公野櫻子、イラストは天広直人、SDキャラ作画は霧賀ユキ。
一人のお兄ちゃんに12人の妹がいて、みんな「お兄ちゃん大好き」だったら、という設定で話題を呼んだ。
元々は電撃G's magazine誌上で1999年3月号から読者参加企画として開始されたが、開始後すぐに大人気となり、その後イラストストーリーの連載に切り替えられ2003年8月号まで掲載、その間に漫画、テレビアニメ、ゲーム等も製作された。
2019年に20周年を記念したプロジェクト「VTuber可憐」が始まり2021年10月まで活動、2024年に25周年記念プロジェクトが開始されている。
「シスプリ」には12人の妹たちが登場する。当初は9人であったが、途中から3人が追加される。G's時代は彼女たちのお兄ちゃんは「妹」ごとに設定されていた。ところがPS/DC用ゲーム「Sister Princess」の場合、この設定では色々と都合が悪かったのか、一人のお兄ちゃんに12人の妹たちがいる、ということになる。以後、この設定が基本的にアニメにも引き継がれていくことになる。これによって、シスプリの世界観・設定は、基本的に以下の3つのいずれかで描かれている。
原作初期から存在する。兄ひとりにつき、妹は12人の誰か一人だけの、一対一の関係であり、他の妹は基本的に登場しない。基本的に「お兄ちゃんの日」にしか会えない。リピュアキャラクターズはこの設定を用いている。
ゲーム版はいずれもこの設定。兄と12人の妹はそれぞれ別の家で暮らしており、「お兄ちゃんの日」以外でも会うことは比較的容易。リピュアストーリーズはこの世界観。
アニメ一期(無印)で用いられた設定。文字通り、兄と12人の妹が同じ屋根の下で暮らしている。意外にも、公式作品ではアニメ一期でしか使われていないが、当時流行したシスプリのSS(二次創作)では、この世界観が最も多く採用された。
妹が12人もいるハーレム物が多いと思いきや、一期を彷彿させるドタバタギャグのコミカルな話が多かった。但し、アニメの設定(兄が海神航、住んでいる場所がプロミスト・アイランドなど)をそのまま使った作品は少なく、兄の名前や舞台はほとんどオリジナルである。アニメのオリジナルキャラクターもあまり登場せず、アニメでは眞深が担っていた妹達へのツッコミ役はだいたい兄の仕事である。
1999年3月号から2000年2月号まで連載。当初は可憐、花穂、衛、咲耶、雛子、鞠絵、白雪、鈴凛、千影の9人であり、「兄1人に妹1人」の関係であった。当初は2ヶ月に1回の予定であったが、大好評のために毎月連載となった。
2000年3月号から2001年4月号まで。春歌、四葉、亞里亞の3人が追加登場し、更に公野櫻子と天広直人によるイラストストーリーが開始となる。
この間にゲーム版(シスプリ1)の制作が発表され、2001年3月にゲーム版が発売され、2001年11月にシスプリ1の番外編である「ピュア・ストーリーズ」が発売された。この時に「兄1人に12人の妹」というシスプリ1の設定が大きな話題を呼んだ。ファンがゲーム版開発のオーバーフローに対して遺恨を残すことになったのは別のお話。
2001年5月号から2002年4月号まで「兄1人に妹12人」というシスプリ1の延長線上の設定でイラストストーリーが展開された。
一方、2001年4月から9月まで放映されたアニメ1期(無印)は色々と物議を醸した(詳しくは後述)。また、2001年10月から文化放送で「シスター・プリンセス~お兄ちゃんといっしょ」を放送開始。2002年10月に「電撃G's Radio」としてリニューアルし、おおよそ2002年12月までシスプリに関するラジオドラマを放送した(その後は原作・公野櫻子によるパピー・ガールズという企画に移行した)。
2002年5月号から2003年8月号まで掲載されたイラストストーリーは「兄1人に妹1人」という形式に戻り、「お兄ちゃんへの手紙」というテーマで展開された。
この間にアニメ2期(リピュア)とゲーム版の続編(シスプリ2)の制作が発表され、Repureは2002年10月から12月まで放送され、シスプリ2は2003年3月に発売し、2003年11月にシスプリ2の番外編である「プレミアムファンディスク」が発売となった。なお、リピュアの世界観をベースにしたゲームも2003年3月に発売している。
本誌での掲載は終了したもののシスプリが残した影響力は大きいものであった。
2007年には「シスプリの後継作」として企画「Baby Princess」が開始された。
メディアワークスの記念祭にシスプリ声優の登場および新作の単行本の発刊(後に電子書籍で一般販売)を行っている。また2007年にはDVD、2017年にはBDでのアニメ版の販売、2018年には堀江由衣、リピュアの主題歌を歌ったcan/goo、Prits(桑谷夏子、望月久代、小林由美子、水樹奈々)らがライブへの出演、2018年の『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』第1話では監督である古川博之氏の機転により、12人の妹+眞深の13人のキャラクターがゲスト出演した(古川氏はアニメ1期のスタッフとして参加しており、ゲスト出演を提案したとのこと)。
2019年3月号では20周年ということもあり、久々にシスプリが本誌に登場(同時期に新作の単行本を電子書籍販売を開始)。9月9日にはYoutubeに専門チャンネルを開設。そして、告知の中には可憐がVtuberになることも発表。9月23日(ちなみに可憐の誕生日)に初登場となり、初回配信では累計で4万回以上も再生となり、未だにシスプリの人気が衰えておらず、そして今でもシスプリを愛してやまないお兄ちゃんが大勢いることを知らしめた。当初は1年間の期間限定プロジェクトとして始まったが最終的に2021年10月まで活動した。
「シスタープリンセスの登場人物の一覧」を参照
まず2001年4月から9月にかけて、一期(無印)が全部26話で放送された。本作は原作やゲームと異なり12人の妹と同居する設定のコメディものになっているが、後述の作画崩壊や超展開もあって、放送当時から良くも悪くも色々話題となった。
無印では「お兄ちゃん」にも名前がある。主人公、海神航(みなかみわたる)は非常に学校の成績が良い秀才だったが、残念なことに高校受験に失敗してしまう。紆余曲折の末、プロミスト・アイランドで高校生活を送ることになった彼は、実は自分に12人も妹がいることを知る。本作は、主にこの「お兄ちゃん」である航の視点から描かれており、12人の妹はヒロインという立ち位置になっている。
第二期アニメ、「Repure(リピュア)」は、2002年10月2日から12月まで全13話で放送された。リピュアでは、本編が2分割され、Aパートがストーリーズ、Bパートがキャラクターズパートに分けられており、それぞれ全く異なる世界観となっているなど直接的な繋がりは無い。このうちキャラクターズパートは原作になっているG's時代の「お兄ちゃん」の設定が使われており、妹一人ごとにそれぞれ別々の「お兄ちゃん」が存在している。
一方、ストーリーズパートの「お兄ちゃん」無印の海神航と同じ容姿だが、しっかりした頼りがいのある存在になっている(声優も異なる)。この設定だけならば原作と大して変わらないのだが、こちらの場合は一人のお兄ちゃんに12人の妹がいることになっており、ゲームの「お兄ちゃん」に近い設定となっている。
前作とは異なり、12人の妹の視点から描かれており、妹達が主人公となっている。そのため、「お兄ちゃん」はストーリーズ・キャラクターズ共に、妹達から見て理想の兄という意味合いが強く、意図的に人物像は掘り下げられていない(キャラクターズでは顔もぼかされている)。
無印シスプリを表現するものとして「ウニメ」という言葉がある。無印では元々荒唐無稽な展開が多く、視聴者を混乱させることもしばしばだった。(ちなみに編集者が初めて最初から最後まで通しで見たアニメがこの無印である。しかし混乱するような事もなく無事に見終えることが出来た。感想をいうと、シスプリは無印こそが本物である。うん、まあ色んな意味で。)
事件がおきたのはメディアワークスの公式サイトでの12話の予告である。文中に「…その時ウニの中から千影の声が…」というくだりがあり、全くどういう状況なのか視聴者が理解できなかったという事態が起きた。しかし視聴者を待っていたのは、それは誤植ではなかったという事実だった。本編で予告文の通りに起き、視聴者の混乱はピークに達した。この事件がきっかけとなり、無印は「ウニメ」というあだ名を付けられる事になった。
結果として設定からシナリオまで全てにわたって荒唐無稽であったのだがそれ故にインパクトの強い作品である。
無印からおよそ1年後に放送された二期・Repure(リピュア)は、物議を醸した無印とは違い、概ね好評であった。
前半はストーリーズパートで後半はキャラクターズパートに分けて放映された(ただし、最終回である第13話は全部ストーリーズパート)。ストーリーズパートは「兄1人に妹12人」の設定で原作3期や『ポケットストーリーズ』に近い雰囲気で展開し、キャラクターズパートは原作2期の期間中に発売された『キャラクターコレクション』を原作に「兄1人に妹1人」で放映された。
女性アニメーターである宮崎なぎさはリピュア(キャラクターズパートのみ)にて自身初の監督を務める事になる。その後も「D.C.」の監督として実績をつんでいく。ただ彼女は低予算短納期という苦しい状況で成果を出し成功してしまったため、「アテにできる監督」として既に破綻した現場に放り込まれることも多く、その後も苦しい状況が続くことになった。
役を務めた声優陣の当時は2~3年目の人が多く、今回が初メインという人もいたが、多くの人はその後有名声優として活躍していった。神崎ちろは麻雀の方で有名になったけど
Repureでは岡崎律子がキャラクターズパートのOP/EDおよび作中BGMを担当し、特にEDは毎回主役のキャラが違うこともあり曲を主役ごとに作った。この事が視聴者に深い印象を与えることになったのはいうまでもない。岡崎氏は、リピュア放送からわずか1年半後、敗血症性ショックによって44歳の若さで他界したが、今なお本作のED曲は高く評価され続けている。
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掲示板
244 ななしのよっしん
2023/03/06(月) 20:45:08 ID: tWjvi8SLtq
小学生の頃の俺が生まれて初めてプレイしたギャルゲー、PS1のギャルゲーは時代的に90年代的な絵柄が多くて、今の時代に慣らされた目で見ると流石にキツいけど、シスプリは90年代から脱却した、謂わば次世代のゼロ年代的な絵柄で今見ても遜色無いのが凄い。
推しは花穂かな、一番最初に攻略した衛もけっこう思い入れが深い、こういう作品こそアーカイブスで出してほしいんだけど、ホント痒いところに手が届かないんだよなぁ。
245 ななしのよっしん
2024/04/07(日) 16:49:09 ID: Kr0ddlhhx6
246 きんど
2024/05/17(金) 03:27:14 ID: I5ldLbBNNF
シスプリのことは、当時『12人の妹で話題となった』ぐらいしか知らなかったんだけど、この記事を読んで、かなり詳しくわかった。さすがニコニコ大百科。
当初は、妹ごとに別の兄だったんだね・・・でもやっぱり「ある日突然12人のかわいい妹が出来た!」っていうインパクトが当時凄かったよね。
周年で復活企画をやってるのも人気の根強さを感じるし、多くの声優さんたちが今ではベテランになって活躍しているのも嬉しいし、時の流れを感じるね。
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最終更新:2024/10/15(火) 06:00
最終更新:2024/10/15(火) 06:00
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