ショウナンナデシコ単語

ショウナンナデシコ

5.5千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

ショウナンナデシコ(Shonan Nadeshiko)とは、2017年生まれの日本競走馬栗毛

史上7頭(ホクトベガを含む)の古混合ダートGI級を勝ったである。

な勝ち
2022年:かしわ記念(JpnI)エンプレス杯(JpnII)マリーンカップ(JpnIII)スパーキングレディーカップ(JpnIII)

概要

オルフェーヴルショウナンマオダイワメジャーという血統。
は説明不要の三冠馬種牡馬としても多産駒を送り出しており、ダート戦線でもマルシュロレーヌを筆頭に活躍は少なくない。
ダートで3勝。本従兄(半ショウナンアネーロ産駒)に重賞キョウヘイがいる。
マイル~中距離で活躍し、種牡馬としても2~3歳のマイル戦を中心に堅実な成績を挙げている。
*サンデーサイレンスの3×3、*ノーザンテーストの5×4×4というわりときつめのインブリード

2017年2月6日日高町の牧場で誕生。オーナーショウナンパンドラショウナンカンプなど「ショウナン冠名を用いる本哲秀。

名意味はそのまま「冠名+撫子」。

湘南撫子

2歳~4歳・臥薪嘗胆の撫子

東・須尚介厩舎に入厩し、2歳9月デビュー新馬戦(阪神ダート1800m)は単勝15.5倍の6番人気とさほどの評価ではなかったが、デビュー1年でまだ減量騎手だった岩田望来上に、逃げて7身差の圧勝デビューを飾る。

しかし、昇級初戦のもちの木賞で後に重賞戦線で戦うことになるレーヌブランシュの4着に敗れ、を被ることを嫌がる点や脚元に不安があったこともあり勝ち味に遅く、1勝クラス脱出は6戦、3歳4月場の条件戦だった。その間には一度だけ芝も試されている(6着)。

その後、青竜S(OP)に出走し、が多数出走する中で紅一点となったが4着に健闘。後に勝ちデュードヴァン重賞でも好走し、2・3・5着オープン入りしていることからレベルの高い1戦だった。

相手にこれだけやれるならと関東オークス(JpnII)を標にするも、4頭のの内2を芝に埋められた上にショウナンナデシコと同じ2勝も多かったことから除外。勝ちはレーヌブランシュだった。

仕方なく2勝クラスに出走するも3着に敗戦。さらに繋靭帯炎を発症して5か間の休養に入った。

復帰後も2勝クラスを抜け出すのは時間がかかり、前回の勝利から実に1年2ヶ後の4歳6月場の条件戦を勝ち、ようやく準オープンに昇格を果たす。ちなみにこの間、後にJBCレディスクラシック優勝するテオレーマ2勝クラス西湖特別で敗れている。

3勝クラスの休養後、2戦西脇Sを内の狭いところから差し切って突破。を被っても慢して好位先行から抜け出しという競馬ができるようになり、4歳にしてようやく本格化。ここから今までの憤をらすような快進撃が始まる。

11月カノープスS(OP)も52kgの軽ハンデも活かし、好位先行から内の狭いところを抜け出して快勝。このレースから騎手吉田隼人となる。
続く年末のベテルギウスS(L)は55kgを負うことになったこともあり、逃げたアイオライトに突き放された2着に敗れたが、オープンでも相手に充分勝負になることを示したショウナンナデシコは、翌年から満を持してダートグレード競走戦線に参戦することになった。

5歳春・進撃の撫子

5歳となった2022年、初戦は重賞初挑戦となる1月TCK女王盃(JpnIII)。内の4番手から上手く立ち回って直線抜け出したが、外から飛んできた前年のJBCレディスクラシック勝者テオレーマの末脚には追いつけず2着。しかし女王相手にクビ差にまで迫り、一気にダート戦線の第一線に躍り出た。

それまでダート戦線の役だったテオレーママルシュロレーヌが相次いで引退する中、続く3月エンプレス杯(JpnII)は前走の内容も評価され1番人気。このレースも前走同様好位の内で仕掛けを待ち、直線で逃げる8歳の古サルサディオーネと追う戦線の常連レーヌブランシュが叩き合っているところを、ぽっかりいた内を掬って一気に抜け出すと、そのまま1身半突き抜けて勝利。念願の重賞制覇を果たした。

4月マリーンカップ(JpnIII)は初の57kgを背負わされたこともあってか、前走2着に下したサルサディオーネ(ちなみにこっちは58kg)と分け合って2番人気。しかし逃げサルサディオーネを2番手でマークし、直線々に競り落とすとあとは独壇場。2着にったサルサディオーネを実に8突き放しての圧勝劇を見せる。なお、前走も今回も3着はレーヌブランシュで、2戦続けて同じ面子の同じ着順でワンツースリーという結果に。

この圧勝で、営は強気にかしわ記念(JpnI)への出走を決定。パワーの要る日本ダートの実差が大きく、中央・地方交流が始まった1995年以降、古の混合GI級を勝ったはここまでホクトベガを含めても、他にファストフレンドゴールドティアラネームヴァリューコーリンベリーサンビスタの合計6頭しかいないかしわ記念交流重賞となってからの勝ちは1頭もいないのだが、前走の圧勝ぶりと、メンバーが手薄ということもあって、前売り段階では1番人気に支持される。最終的にはフェブラリーS2着のテイエムサウスダンに次ぐ2番人気となった。
この日は最内から好スタートを決めると、吉田隼人は抑えずに久々ハナを切る競馬を選択。テイエムサウスダンからぴったりとマークを受けるポジションにはなったが、中緩みのないラップを刻んで逆に相手のスタミナをすり潰し、4コーナーで迫ってきたテイエムサウスダン々に振り切って、逆に差を開いていく。入れ替わって外から前年の同レース2着リストサンダーが追い上げたがこれも寄せ付けず、1身半差をつけて逃げ切り勝ち。3連勝でGI制覇を成し遂げた。

オルフェーヴル産駒の交流GI制覇はこれが初。マルシュロレーヌJBCじゃなくてBCに行ったからね。そして何より、サンビスタ2015年チャンピオンズカップ以来7年ぶり、史上7頭による古混合ダートGI級制覇(厳密にはホクトベガGI格付け前の勝利なのでそれを除くと6頭)という快挙を為し遂げ、ダートの名として歴史に名を刻む勝利となった。

次走は帝王賞には向かわず、翌週のスパーキングレディーカップ(JpnIII)に出走。初めて58kgを背負うことになったが、単勝1.3倍の圧倒的1番人気に支持される。
レースはいつも通り逃げる2番人気サルサディオーネを2番手でマーク。直線入口でサルサディオーネを競り落とすと、後方からは3kg軽い3番人気レディバグが猛然と追い込んできたがきっちりぎきり、58kgもなんのそので貫重賞4連勝を飾った。

5歳秋~6歳・落日の撫子

11月3日JBCレディスクラシック(盛岡)を標に、前レディスプレリュード(JpnII)から始動。出走一の57kgながらも、当然ながら単勝1.4倍の圧倒的1番人気に支持される。
上の吉田隼人逃げるつもりはなかったというが、先行集団から押し出されるように逃げる形に。向こう正面で江田照男テリオスベルが捲ってきて先頭を譲り、3コーナーからは外のフラーレンと並んで2番手につける形になった。最内を回して直線でテリオスベルを捕らえて一度は先頭に立つも、外から伸びてきた2番人気リティチャンスにかわされ、さらに内を突きすぎたか伸びを欠き、テリオスベルにも差し返されてまさかの3着。

そして迎えたJBCレディスクラシック(JpnI)。前戦でまさかのを喫したとはいえ、絶対的大本命の地位は揺らがず単勝1.7倍の1番人気。22番だったが1番のゴールデンヒーラーが出走取消になったため最内、しかも隣の33番がサルサディオーネなので、これまでのように外からサルサディオーネマークするという位置が取りにくいで、中の位置取りが焦点という感じだったのだが……。
いつも通りサルサディオーネハナを切り、外から3歳ヴァレーデラルナが2番手でマークする形。ショウナンナデシコはサルサディオーネの後ろで3番手につけた。が、サルサディオーネペースがいつもより遅い上に、レーヌブランシュやグランブリッジ、プリティチャンスらにガッチリマークされ内に囲まれてしまう。4コーナーでは全に前が壁になって身動きがとれない。直線に入ってサルサディオーネが沈んだが、進路はの深い最内にしかなく、そこに突っ込んだものの前を行くヴァレーデラルナに追いつけるだけの伸びはなく、さらに外から同じく3歳グランブリッジにもかわされ、なんとか3着に残すのが精一杯だった。
吉田騎手によれば返し馬の時点からいつもより元気がなかったそうなのだが、内容としてはサルサディオーネが飛ばさないという想定外の展開に加え、内とキツいマークとで全に蓋をされてしまった形。普段のレースができないまま、ナデシコの勝ちパターンヴァレーデラルナにやられてしまった感じの悔しい敗戦となった。

失ったダート女王の権威を取り戻すべく、引き続き11月末のクイーン賞(JpnIII)に出走。しかしハンデ戦のこのレースで57.5kgを背負うのはまあ仕方ないとして、JBCで先着を許したグランブリッジが3歳ということもあって54kg。この斤量差でグランブリッジ人気を分け合う形になり、ギリギリまで2番人気だったが最終的は2.2倍で同オッズの1番人気に支持される。
サルサディオーネがいないこともあり好スタートから先頭を伺うが、外からテリオスベルが上がってきたのでハナを譲り、そのままテリオスベルを2番手で追走する。しかし4コーナーでもうテリオスベルについていけなくなり、グランブリッジにかわされるとあとは突き放される一方。結局逃げ切ったテリオスベルからは9身、2着グランブリッジからも7身離されての3着。年内8戦の疲れか、テリオスベル捲りによる乱ペース相性が悪いのか、あるいはそもそもピークを過ぎてしまったのか……。女王の落日という言葉がちらつく敗戦であった。

ファンの心配をよそに、営は年内9戦として東京大賞典(GI)への参戦を表明。上には新たに横山武史を迎えた。4連覇のオメガパフュームチュウワウィザードら実績勢が引退テーオーケインズジュンライトボルトクラウンプライドチャンピオンズカップ組も回避したためいささか手薄なメンバーではあるものの、帝王賞メイショウハリオJDDノットゥルノ、転向からの上がりウシュバテソーロらに紅一点として挑んだ。15.0倍の5番人気
レース立った逃げがいなかったこともあり、好スタートから果敢にハナを切る。向こう正面で外から捲ってくるがいる中でもハナを譲らず最内を回って直線を向き、後続を振り切りにかかる。残り200mまで先頭でったが、最後は尽きて6着。見せ場は作ったものの及ばず、であった。

明けて6歳、引き続き横山武史とともにフェブラリーステークス(GI)へ。有勢がほとんど海外に行ったため、上がりレモンポップと4歳ドライスタウト人気を分け合う手薄なメンバーではあったが、29.1倍の7番人気
今回も他に逃げがいないのでスタートから押してハナを切り、ミドルペースで直線まで引っぱったが、最後は直線で沈んでいきブービー15着。横山武史騎手も最後はあまり理をさせていない様子だった。

進退については営から特に明言はされていなかったが、レース後、生産牧場牧場の代表がTwitterで「全27戦 お疲れ様でしたナデシコ!exit」といたのを伏線として2月24日に登録抹消。現役引退、故郷の牧場で繁殖入りすることになった。通算27戦9勝。

最後はややすぼみな感じに終わってしまったが、5歳重賞4連勝、を撃破してのかしわ記念制覇は紛れもないの名である。今後はとして、そのを嗣いだたちの活躍を楽しみにしたい。

血統表

オルフェーヴル
2008 栗毛
ステイゴールド
1994 黒鹿毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ゴールデンサッシュ *ディクタス
ダイナサッシュ
オリエンタルアート
1997 栗毛
メジロマックイーン メジロティターン
メジロオーロラ
エレクトロアート *ノーザンテースト
*グランマスティーブンス
ショウナンマオ
2009 鹿毛
FNo.8-c
ダイワメジャー
2001 栗毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
スカーレットブーケ *ノーザンテースト
スカーレットインク
*ショウナンハピネス
1995 黒鹿毛
Kris S. Roberto
Sharp Queen
Rambling Barb Cormorant
Bouncy Barb

クロス:*サンデーサイレンス 3×3(25.00%)、*ノーザンテースト 5×4×4(15.63%)、Hail to Reason 5×5×5(9.38%)

関連動画

関連コミュニティ

関連リンク

関連項目

この記事を編集する
関連記事

親記事

子記事

  • なし

兄弟記事

掲示板

おすすめトレンド

急上昇ワード改

最終更新:2024/03/29(金) 01:00

ほめられた記事

最終更新:2024/03/29(金) 01:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP