シリアスな笑いとは、大場つぐみ(原作)・小畑健(作画)の漫画「バクマン。」内で説明された表現方法である。
「シリアスな場面なのに笑えてしまう場面」のことを指す。よく、シュールなギャグと混同されやすい。作中では、劇中漫画「ラッコ11号」のワンシーン(大場・小畑コンビの前作「DEATH NOTE」の夜神総一郎がトラックでテレビ局に突っ込むシーンのパロディ)を例に挙げており、「思わず笑ってしまうが、本来は真剣にカッコいい場面」「作者は笑いを取りにいってるつもりはないはず」「少なくとも子供は笑わないし感動すらする」と説明している。
作者の意図せざる部分で読者の失笑を誘う場合もあれば、色んな意味で微妙で苦笑を招く場合がある。シリアスのつもりで描いていた場面が、ただのギャグシーンと取られかねない場合がある等の問題点がある為に、計算づくでシリアスな笑いを成立させる事のハードルは高い。
この単語が生まれた週刊少年ジャンプにおいても、シリアスな笑いを誘われる作品は多く、代表例としては、「HUNTER×HUNTER」「DEATH NOTE」「テニスの王子様」「BLEACH」等が挙げられる。だが、個人によってシリアスな笑いと感じる場面は違う為、上記の作品は相応しくないと考える者もいる。
この言葉自体は「バクマン。」で初めて提唱されたが、その概念自体はもっと古くから気付かれており、ネタに活用された事例がいくつか存在している。例えば、1980年代に放送された「スーパージョッキー」の1コーナーで、テレビ黎明期~発展期に数多く放映された特撮作品の迷場面を集めて放映し、それに対してビートたけしがツッコミを入れまくる、というコーナーがあったが、これも「シリアスな笑い」を応用した事例のひとつと言える。
該当例:ニンジャスレイヤー、競女!!!!!!!!、魁!!クロマティ高校、日常
作中人物は至ってシリアスであるが、作品の傾向としてはギャグを志向しているケース。彼らは笑いを取っているつもりは毛頭なく、生死を賭ける勢いでやっているのだが、シチュエーションがどうしようもなく馬鹿馬鹿しいので、傍からは余計に面白く見えてしまう、という表現である。ニンジャスレイヤーについては、トンチキ日本観とシリアスど真ん中のサイバーパンク要素が混在しているため、特に議論が尽きない。
「作者は笑いを取りにいってるつもりはないはず」に該当しないので、シリアスな笑いではないと考えられる。
とはいっても、作中キャラについ感情移入してしまった場合、ギャグなのに真顔になり、時には感動すらしてしまう。これはどちらかというと「謎の感動」に類するものだが、方向性は真逆なれど、笑いと感動の境界線上という意味ではシリアスな笑いに近いと言えなくもない。
該当例:テニスの王子様、彼岸島、バキ
最初のうちは大真面目に描いていたのだが、読者の反応を認識し、需要に応えるようになってしまったケース。
天然モノ以外は認めない、というスタンスだと悩みどころであるが、これはこれで作風が確立した、と言うこともできる。しかし、あまりやりすぎると「ギャグテイストである」の方に行ってしまいがち。
該当例:NARUTOの一部コマ、魔法少女まどか☆マギカ、ひぐらしのなく頃に
描かれた時点ではまごうことなきシリアスなのだが、動画やコラで弄られてしまい、そのせいで笑いしか沸かないケース。風評被害シリーズとかミーム汚染とかに該当する。普通に作品を楽しみたい人にとっては単なる迷惑にもなりかねないので、自重が求められる。
内閣総辞職ビームや死ぬしかないじゃないシリーズが顕著であるが、あまりに衝撃的なのでネタ化しないと語りたくても語れない、というようなパターンが多い。とはいえストリングプレイスパイダーベイビーのように絵面が面白いからコラ素材になる、というケースもあり線引きは曖昧である。ストリング(ry についても、原作では普通に真面目なシーンである事を付け加えておく。
該当例:鉄血のオルフェンズ(止まるんじゃねぇぞ…)、エルシャダイ
作者は真面目にやったつもりでも、表現がうまく行かずギャグに見えてしまったケース。「シリアスかつ笑い」のうちシリアス要素が意図せずすっぽ抜けて、要らない笑いが発生してしまった失敗例である。感じ方は人それぞれで、普通にその作品を楽しんでいる人もいるので節度を持って楽しむ必要がある。単にシラケるのでなく思わず笑ってしまったという事は、作品自体の惹き込む力が優れていた、という事でもある。
エルシャダイについては、最初からネタのつもりだったと制作サイドは主張している。仮面ライダー剣もオンドゥル語に限ればこれに該当してしまうが、それはそれとして同作品には他にも笑いを誘う熱いシーンが多々ある。このように、元々シリアスな笑い要素があるからこそ、作りの粗さすら笑いに昇華されるのである、たぶん。
ネットでネタにされる等、多くの人がシリアスな笑いだと感じた作品を挙げる。
掲示板
792 ななしのよっしん
2023/06/22(木) 09:33:33 ID: 61kJUQPdXK
水星は意図して変なシーン混ぜてるタイプじゃない?
コラボ商品のチョイス見る限りネット受けをかなり狙ってる気がする
793 ななしのよっしん
2023/09/07(木) 12:25:27 ID: NsFKy/7a4c
>>791
逆に言えば狙ってやった場合でも視聴者にそれを悟られさえしなければシリアスな笑いとして成立しうるのよね
それを実行するには相当なバランス感覚が要求されるんだろうけど
794 ななしのよっしん
2023/09/18(月) 12:03:04 ID: 5rPQLca3fy
今は読者・視聴者を置いてきぼりにさせないよう、受け手目線の登場人物を置いたり、「これはギャグです」って分かるようにツッコミ役を入れたりするから、「純粋なシリアスな笑い」は少ないんだよね。
まだギャグ漫画以外で明確なツッコミ役がいなかった時代、あとは80年代以前の「劇画」に相当する作品だとよく見かける印象。
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最終更新:2023/09/30(土) 19:00
最終更新:2023/09/30(土) 19:00
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