シルヴァコクピットとは、2002年の凱旋門賞馬である。元ネタは2ちゃんねるの競馬板。
実際には凱旋門賞など勝ってはいないが、リアルにきさらぎ賞と毎日杯の重賞を2勝している。
名前の由来は父シルヴァーホークのシルヴァーとコックピット(航空機の操縦室)だと思われる。金子さん的にはシルヴァーコックピットにしたかったんだろうけど、JRAで登録できる馬名は9文字までなのでシルヴァコクピットで妥協したと考えられている。
この馬のデビュー頃にはナリタトップロードと調教を互角にするほどの能力だったという噂もあるほど能力が高く、グラスワンダーと同じシルヴァーホークを父に持つので3歳重賞を連勝したときには怪物ではないかと話題になった。
この後にNHKマイルカップを目指していたが骨折が判明し9ヶ月間ターフを去ることになる。復帰初戦は12月のディセンバーステークスで2番人気に押されて5着となり、この馬にとって掲示板に乗るのはこのレースが最後になった。
その後も日経新春杯、京都記念、ダービー卿チャレンジトロフィーなど重賞に挑戦するも掲示板に乗ることすらなく凡走が続いた。
そして年が明けて2002年になった。
この年の最初の出走は1月14日のニューイヤーステークスだった。
その日の前日に2ちゃんねるにあるスレが彗星のように現れた。
スレタイは「現役最強馬シルヴァコクピット圧勝→いざ凱旋門賞へ」というものだった。
(詳細は元ネタに記載)
このスレの内容のインパクトが強すぎたのか、シルヴァコクピットには凱旋門賞馬という代名詞がついてしまった。
しかし、蓋を開けてみれば、ニューイヤーステークスの成績は10番人気の10着であった。その後も中央競馬で活躍することは出来ずに、2003年の7月に船橋競馬への転厩が発表された。しかし地方競馬で3戦するも勝ち星を挙げることが出来ずに引退。福島県で乗馬になったらしいが2007年の11月に死亡。
競馬板を騒がせた名馬だが、亡くなったことさえもあまり話題になっていない。
引用元:http://curry.2ch.net/keiba/kako/1010/10109/1010931204.html
- 現役最強馬シルヴァコクピット圧勝→いざ凱旋門賞へ
- 1 名前: 凱旋門賞馬コクピット ◆C05HtbHw 投稿日: 02/01/13 23:13 ID:OrqNAE1l
- シルヴァコクピットは1月14日、東京11Rのニューイヤーステークスを圧勝した。
そのタイムはなんとオグリキャップのレコードを上回る1、31、9
場内にいた誰もが目を疑った。そしてこう思った。- 「これは夢か幻か?このままいけば今年の凱旋門賞は文句無しだ」
- 12 名前: 凱旋門賞馬コクピット ◆C05HtbHw 投稿日: 02/01/13 23:20 ID:OrqNAE1l
- そしてシルヴァコクピットは高松宮記念に駒を進めた。「いくらなんでも1200mは無理じゃないか?」
場内にいた誰もがそう思っていた。関係者でさえも・・・。しかしその不安はスタート後、一掃されることになる。
中団から中舘は進めていった。後ろには1番人気のトロットスター。前には2番人気のカルストンライトオ。そう、シルヴァコクピットは3番人気だった。
中京の直線は短い。中舘は直線一気に大外に持ち出した。道中最高の歯ごたえ。みるみる先行馬、逃げ馬を交わしていく。
そしてそのままゴールイン。2着に入ったシャワーパーティーに8馬身をつける圧勝だった。誰もがニューイヤーステークスはフロックではないと思った。
しかし伝説はここから始まっていくのである。
- 28 名前: 凱旋門賞馬コクピット ◆C05HtbHw 投稿日: 02/01/13 23:31 ID:OrqNAE1l
- 高松宮を制したシルヴァコクピットはぶっつけで安田記念へ行くことになった。
厩務員は言う。
「京王杯SCは使うまでもない。この馬の能力を舐めてもらっては困る。いいかげんにしてくれ」
競馬記者は今度こそシルヴァコクピットは負けると思っていた。なぜなら外国からフェアリーキングプローン、サキーが来る事になっていたからだ。
奇跡は2度とおきない。それはオッズに表れていた。シルヴァコキピットの単勝オッズは6、8倍の5番人気。
誰もが今回は厳しいと思っていた。そしてレースは始まった。なんとコクピットは先頭に踊り出る。逃げるはずだったサーガノヴェル、ゴーストスズカ、エイシンルーデンスを抑えて先頭に出た。
「もうダメだ・・・」
その時、馬主はそう感じたと言う。
そして最後の直線。11万の観衆の注目点はいつシルヴァコクピットがバテるかの1点に注がれていた。
しかし残り200mを切っても2番手以下を突き放す突き放す突き放す。
捕まるどころかどんどんどんどん離れていく。フジテレビのカメラには彼の勇姿しか映らなかった。
そのままゴール板を通過したコクピット。上がり3ハロンは驚愕の32、8。
タイムは1、31、7。圧勝したニューイヤーステークスのタイムをさらに縮めていた。
もう日本に敵はいない。そう思った関係者一同は目標を即座に凱旋門賞へ向けることにした
- 51 名前: 凱旋門賞馬コクピット ◆C05HtbHw 投稿日: 02/01/13 23:44 ID:OrqNAE1l
- 季節は夏。コクピットは夏を有意義に短期放牧していた。そしていざ凱旋門賞のスタートとなる。
このレースにはあのエルコンドルパサーを破ったモンジューの弟が出走していた。シルヴァコクピットは燃えていた。
「俺がエルコンの借りを返す。待っていろよ、エルコンドルパサーよ」
そう思い、道中はなんと最高後から進める。テン乗りとなった田中勝春の頭にはもう迷いはなかった。
「最後はこの馬のしたいように走らせてやろう」
そう思い勝春はムチを使うのをやめた。場内はもちろん日本のテレビを見ている人々は混乱した。
「勝春、何をしている!ムチを使わないか!」
しかしシルヴァコクピットは偉かった。もう凱旋門賞とはなんたるかを理解していた。
勝春は馬にまたがっているだけだった。何もしない。いや、何も出来ない。
コクピットの闘志が何もさせなかった。どんどんゴボウのように馬を交わしていく。
そしてラスト50mで1番人気のモンジューの弟と並ぶ。そしてラスト2cm、ついに夢はかなった。
ハナ差コクピット優勢だった。この瞬間シルヴァコクピットは世界の頂点に立った。
日本人の皆の目には涙が溢れていた。感動は止まらない。フィーバーになった。
そして日本に帰国したコクピットはさっそく凱旋パレードを行い、大いなる祝福を受けた。
しかしこの馬の視線にはすでに次走のジャパンカップが視野に入っていた。
- 91 名前: 凱旋門賞馬コクピット ◆C05HtbHw 投稿日: 02/01/13 23:58 ID:OrqNAE1l
- そしてジャパンカップ。最大のライバルであるジャングルポケット、マンハッタンカフェ、ナリタトップロード、エアエミネム、バランスオブゲームも出走していた。
人気は6番人気の11、3倍。凱旋門賞馬に対してこの評価はあまりにも低かった。まだ凱旋門がフロックだと思っている輩がいたからである。
そしてレースは始まった。コクピットは後方3番手からレースを進める。逃げるのはウィズアンティシペイション。
後ろにはまだ勝負付けのすんでいないジャングルポケットとペリエ、前にはマンハッタンと蛯名、斜めにはナリタトップロードとデットーリ、
左横にはエアエミネムと松永幹、右横にはバランスオブゲームと木幡がいた。
この強敵ぞろいの相手にどこまで凱旋門賞馬の意地が炸裂するのか、皆の焦点はそれだった。
ラスト直線、今年は中山競馬場のジャパンカップ。この時点でジャングルポケットは相手から消え、ずるずる後退していった。
つられてエアエミネムとナリタトップロード、マンハッタンカフェも坂で疲れて後退。
最後の坂を登りきった所でバランスオブゲームが故障して見事1着入選。場内が静まらない。
夢ではない現実。観客の誰もが目を疑った。残すは夢のグランプリである有馬記念。
この時シルヴァコクピットはすでにダンシングブレーヴを超えていたという説もあった。
- 125 名前: 凱旋門賞馬コクピット ◆C05HtbHw 投稿日: 02/01/14 00:08 ID:JyZAfMU1
- ジャパンカップ後、陣営に衝撃が走った。なんとシルヴァコクピットの前足が複雑骨折していたのである。
いわば競走馬にとっては致命的な怪我。もう複雑すぎて現役復帰は誰しも不可能だと思っていた。もちろんコクピット自身もそれには気付いていた。
しかし最後まであきらめない。コクピットの事情を察知した厩務員は急きょ、叩き台としてステイヤーズSに出走させることにした。
単勝オッズはそれでも1番人気の1、1倍。骨折していて1番人気になるのはJRA史上初のことだった。
そしてレースは始まった。
- 148 名前: 凱旋門賞馬コクピット ◆C05HtbHw 投稿日: 02/01/14 00:16 ID:JyZAfMU1
- シルヴァコクピットは逃げまくった。ツインターボのごとく逃げまくった。最後方待機では馬が潰れる。
そう思った勝春の見事な作戦かに思われた。しかし残り310m。中山の直線なら勝てると思われた。
ラスト100mみるみるうちに馬が失速していく。3頭、4頭、5頭、6頭・・・。
こんな光景は誰しも見たことがなかった。そしてラスト20m、ついにサニーサイドアップにも交わされドンジリ敗戦。
もう誰しも復活はありえないと感じていた。- 181 名前: 凱旋門賞馬コクピット ◆C05HtbHw 投稿日: 02/01/14 00:32 ID:JyZAfMU1
- そして有馬記念当日。どしゃぶりの大雨だった。
1番人気は有馬記念連覇を狙うマンハッタンカフェ。
2番人気にはめきめき頭角を現してきた3歳馬、モノポライザーが推されていた。
そしてレースは始まった。1週目。ホットシークレットが逃げていた。2番手にアメリカンボス、3番手にはラスカルスズカ、ペインテドブラックなど有力馬が顔を揃えていた。
そして第3コース手前でコクピットの反応が鈍る。ずるずると後退していく。
「もう駄目だ・・・。いままで伝説をありがとう、コクピット。君のことは一生忘れないだろう」
観客、関係者、厩務員、競馬記者、勝春。
皆そう思った。
最後の直線。逃げ粘るマイネルデスポット。しのぎを削って争うマンハッタンカフェにラスカルスズカ。
この3頭で決まり。誰しもそう思った。しかし大外から飛んでくる黒い影。
「あれはなんだ?」
場内は騒然となった。その時、観客の一人が大声をあげて叫んだ。
「シルヴァコクピットじゃんかよぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
大外からすべての馬を交わしていく。そして時は止まった。皆凍りついた。
1番先にゴール板を通過していた馬。それは紛れもなくシルヴァコクピットだった。
場内が揺れた。地震ではない、惜しみない歓声と拍手で・・・。そしてアンコールの大合唱で。
「コクピット!コクピット!コクピット!コクピット!コクピット!コクピット!
コクピット!コクピット!コクピット!コクピット!コクピット!コクピット!
コクピット!コクピット!コクピット!コクピット!コクピット!コクピット!
コクピット!コクピット!コクピット!コクピット!コクピット!コクピット!
コクピット!コクピット!コクピット!コクピット!コクピット!コクピット!」
その涙声は中山12Rの3分前まで続いていた。オグリをも越えた奇跡の復活。
中山競馬場の大雨はすっかりやんでいた。
シルヴァコクピットが勝ったレース。君はこの馬の走りに凱旋門賞馬の風格を感じることができるか?
掲示板
提供: 青蛙(あおかえる)
提供: ちゃむ
提供: ゲスト
提供: スマートなトーマス
提供: E.A.Crowley
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最終更新:2025/03/29(土) 09:00
最終更新:2025/03/29(土) 08:00
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