シングスピール(Singspiel)とは、1992年生まれの英国の元競走馬・種牡馬である。
父In the Wings、母Glorious Song、母父Haloという血統の愛国産馬。父も英仏米でGI3勝を挙げた活躍馬で、母は米国でGI4勝を挙げ、母としても名種牡馬Rahyなどを産んだ名牝。母父は言わずと知れた*サンデーサイレンスなどの父という超良血である。
2歳時は3戦1勝と平凡な成績。3歳になってもGIIIで2着、4着。初GIのパリ大賞と続くGIエクリプスSも2着、続くGIIグレートヴォルティジュールSも2着と善戦はすれど勝てない競馬が続く。なにせ相手が同年のGI愛チャンピオンSを勝つ*ペンタイア、伊ダービーを制するLuso、GI5勝馬となるHallingなど活躍馬揃い。なんともついてなかった……という感じである。秋に3頭立てのリステッドで2勝目を挙げたところでクラシックシーズンは終了する。
4歳初戦のゴードン・リチャーズS(GIII)ではあのピルサドスキーをちぎって重賞初制覇を挙げるが、GIコロネーションカップではまたも名馬Swainに当たり、競り負けて2着。続くGIIプリンセスオブウェールズSもGI馬Posidonasにぶつかり2着と勝ち切れない競馬が続いた。どうにも叩き合いになると弱く、実力はあるけど根性がないと言われてたとかなんとか。
しかし秋になり、GIIIセレクトSでの勝利を足掛かりに北米遠征に出ると、GIカナディアン国際Sで後に来日する*チーフベアハートらを破り2馬身差の快勝。念願の初GIを手にする。続くBCターフは春に破ったピルサドスキーに切って捨てられ2着に敗れたシングスピールだが、次戦には招待されたジャパンカップを選択する。凱旋門賞馬*エリシオ、前述の*ペンタイア、GI2勝のストラテジックチョStrategic Choiceなどの遠征馬に加え天皇賞馬バブルガムフェロー、エリザベス女王杯を勝ったダンスパートナーなど地元馬もなかなかのメンバーが揃ったが、鞍上の天才ランフランコ・デットーリの好騎乗もあり伏兵の秋華賞馬ファビラスラフインをハナ差振り切ってGI2勝目。エクリプス賞最優秀芝牡馬も受賞する(エクリプス賞は北米の表彰だが海外馬でも受賞できる。欧州のカルティエ賞も同様)。
5歳初戦はアラブ首長国連邦に飛び、第2回ドバイワールドカップ(当時は格付けなし)に出走。初ダートでメンバーも強力だったが、2着Siphonに1馬身1/4差をつける快勝。本格化を印象付ける。まあ、日本のファンとしてはホクトベガが散った悲劇のレースという印象が強いが……。
英国に凱旋し、コロネーションCは5馬身差の大楽勝。前述の*エリシオ、*ピルサドスキー、Swainなど豪華メンバーが揃ったキングジョージは4着に敗れるが、愛二冠馬*デザートキング、英ダービー馬Benny the Dip、前年の英チャンピオンS馬Bosra Shamという超豪華な4頭立ての英インターナショナルSは楽勝。この後BCターフを目指し渡米するが調整中に骨折し引退となった。
引退後は種牡馬となり、ドバイWCを制し日本に輸入された*ムーンバラッド、自身同様世界を飛び回り3ヶ国でGIを制したDar Re Miなどを輩出し父として大成。自身は2010年に蹄葉炎のため18歳で死亡したが、死後も2015年にマイルGIを5連勝し欧州最優秀古馬となったSolowが出ている。日本でも安田記念馬アサクサデンエン、快速を武器に活躍したローエングリンなど産駒が活躍している。後継種牡馬がローエングリン産駒のロゴタイプくらいしかいないのは気がかりだが、先述のDar Re Miが母として活躍しているほか日本でもオークス馬シンハライト、2歳女王ローブティサージュなどの母父となっており、そちら方面では今後も活躍が期待できるかもしれない。
In the Wings 1986 鹿毛 |
Sadler's Wells 1981 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Fairy Bridge | Bold Reason | ||
Special | |||
High Hawk 1980 鹿毛 |
Shirley Heights | Mill Reef | |
Hardiemma | |||
Sunbittern | *シーホーク Sea Hawk |
||
Pantoufle | |||
Glorious Song 1976 鹿毛 FNo.12-c |
Halo 1969 黒鹿毛 |
Hail to Reason | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Cosmah | Cosmic Bomb | ||
Almahmoud | |||
Ballade 1972 黒鹿毛 |
Herbager | Vandale | |
Flagette | |||
Miss Swapsco | Cohoes | ||
Soaring | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Hail to Reason 5×3(15.63%)、Herbager 5×3(15.63%)、Almahmoud 5×4(9.38%)、Mahmoud 5×5(6.25%)
辛くなる人は見ない方がいいかも
掲示板
1 ななしのよっしん
2019/02/20(水) 23:38:43 ID: vEWDjfXgJC
イギリス版アグネスデジタル
これほどまでに条件問わずあらゆるレースで強さを見せた馬もそうそういない
2 ななしのよっしん
2021/12/29(水) 20:44:27 ID: VeNK6goqLE
いわゆる「ヴィンテージ世代」の生まれで95~97年の欧州競馬黄金期を飾った一頭
一緒に走った同期だけでもピルサドスキー、スウェイン、ペンタイア、セルティックスウィング、オスカーシンドラー
前後の世代の相手にもエリシオ、ホーリング、ボスラシャムらと名馬中の名馬の名前がずらり
ちょい下のレベルまで名前挙げればチーフベアハートやアワッドやストラテジックチョ(略)とキリが無い
おかげでシャントゥーやデザートキングやダシャンターらもっと評価されていいはずの馬たちが陰に隠れて不当に低い評価に甘んじることになってしまった
急上昇ワード改
最終更新:2023/12/09(土) 01:00
最終更新:2023/12/09(土) 01:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。