シンハラ語とは、インド・ヨーロッパ語族のインド語派に属する言語のひとつである。
スリランカ人口の7割を占めるシンハラ人が用いる言語で、同国の公用語のひとつ。南インドはドラヴィダ語族が多数派の中、2000万人程度の人数がこの言語を用いる。
基本的には音節がCVが大半を占めており、強勢アクセントもないなど日本人には親しみやすいが、ブラーフミー系文字の中で完全にガラパゴス的な進化を遂げた丸みを帯びたシンハラ文字と格変化が鬼門となっている。
また口語体と文章体が明確に分かれており、学ぶときは教材がどちらに属しているか注意する必要がある。
詳しくはシンハラ文字の記事を読んでくれ。
前舌母音 | 中舌母音 | 後舌母音 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
長 | 短 | 長 | 短 | 長 | 短 | |
狭母音 | [iː] | [i] | [uː] | [u] | ||
半母音 | [eː] | [e] | ([ə]) | [oː] | [o] | |
広母音 | [æː] | [æ] | [aː] | [a] |
唇音 | 歯音/ 歯茎音 |
そり舌音 | 硬口蓋音 | 軟口蓋音 | 声門音 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
鼻音 | [m] | [n̪] | [ɳ] | [ɲ] | [ŋ] | ||
破裂音 | 無声音 | [p] | [t̪] | [ʈ] | [tʃ] | [k] | |
有声音 | [b] | [d̪] | [ɖ] | [dʒ] | [ɡ] | ||
前鼻音化 | [mb] | [n̪d̪] | [ɳɖ] | [ŋɡ] | |||
摩擦音 | [(f)] | [s] | [(ʃ)] | [h] | |||
R音 | [r] | ||||||
接近音 | [ʋ] | [l] | [j] |
南アジアのインド・ヨーロッパ語族によくみられる有気音と無気音の対立はまったく見られない。
名詞は単複の区別のほかに生物か無生物かを区別する(外来語はまた独自の活用が行われる)。この区別は格変化において極めて重要な影響を与えている。というのも口語体においては生物は主・属・与・対・奪の5格なのに対し、無生物は主・属・与・具の4格だからである。
生物 | 語尾 |
---|---|
主格 | - |
属格 | -gē |
与格 | -ṭa |
対格 | -va |
奪格 | -gen |
無生物 | 語尾 |
---|---|
主格 | - |
属格 | -vala |
与格 | -valaṭa |
奪格 | -valin |
文語体になるとこれに男女の区別がついたりするのでさらに難しい。
シンハラ語の動詞は自動詞、他動詞、使役動詞の3種類に大別できる。口語体では動詞は現在と未来が同形の-navā、過去形は-āか強調したい場合は-ē、完了形は-lā、と人称・数の区別が行われないので楽ではある(なお文語体)。
動詞は形容詞化されるときの末字韻の変化で7種類に分けられる。
このように動詞の活用がほとんど行われないため、表現力を上げるためには名詞の活用と文構造を覚えていくのが一番の近道だと思われる(なお文語体)。
掲示板
掲示板に書き込みがありません。
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/26(金) 02:00
最終更新:2024/04/26(金) 02:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。