ジム・キャノン(RGC-80)とは、メカニックデザイン企画『MSV』に登場するモビルスーツ(MS)である。
初出は1981年の2つのムックで、デザインはTV版ストーリーブック3、設定はセンチュリー。ただしこの時点では本機の量産化は否定されている。量産設定はMSVキット展開前の82年ポケットカードが初出と思われる。
RX-77「ガンキャノン」の簡易版として位置付けられた中距離支援機。
ジムの名が付くが、本機の開発はジム系とは別枠で進行している。これはジム・キャノンの開発初期段階ではガンキャノンの純粋な量産化を目標としていたからである。しかしガンキャノンの量産はガンダム同様コスト問題が付き纏い、そのまま量産するのは難しかった。そこでジム系パーツを流用した「簡易量産機」が開発される事になる。
ジム・キャノンはコスト削減のために前期生産型ジム系とガンキャノンのパーツを組み合わせて設計されたのだが、その内ジムのパーツ占有率が半分以上(約60パーセント)を占める。分かりやすい部分だと最初に製造されたジム・キャノン1号機のみガンキャノンと同型の頭部ユニットを採用しており、本機がジムではなくガンキャノンの量産機であることを強調したような機体であった。
名称と改良後(2号機以降)の外観からRGM-79の派生機と誤解されることも多いが、上記の通りガンキャノンの開発計画から枝分かれした機体なので、正確にはガンキャノンの派生機である。
型番 | RGC-80-1 |
---|---|
頭頂高 | 18.0m |
重量 | 48.9t |
兵装 | 360mmキャノン砲×2 |
『MSV』『MSV-R』に登場。先述したガンキャノン頭のジムキャノン。
MSVに文章設定だけ存在したが、SDガシャポンでの商品化が決定し、SDデザインが描き興された。後にMSV-Rのバリエーション機として紹介されている。
RX-77の量産にはガンダムのお約束問題点として高コストが従属した。そこでコストカットの為に、前期生産型GM系のパーツを多数流用した本機が生まれた。
RGM-79はRX計画で提唱された「コアを中心とした多用途変換構想」を採用している。しかしRX計画で開発された機体の中核となる可変戦闘機「コア・ファイター」は、MSの簡略化と大量生産が急務の当時の連邦は余分な機能と判断し、脱出&変形機能を廃止した「カセット(差し替え)式のコア・ブロック構造」に変更されている。
このジムキャノンもカセット式を最大限に利用した多用途変換構想で開発されたMSである。当初の設計だと「低反動360mmキャノン砲を2門装備した非可変ボディに変える」だけの単純な改修行程だったが、0079年10月にロールアウトした試作1号機の射爆実験において、重量バランスや地上での安定性の低さが発覚している。
GM CANNON ジム・キャノン(制式仕様) |
|
---|---|
型番 | RGC-80 |
頭頂高 | 18.0m |
重量 | 53.5t / 76.8t(全備) |
出力 | 976kw |
推力 | 63,500kg |
搭乗者 | リド・ウォルフ ホワイト・ディンゴ隊 不死身の第四小隊 他 |
兵装 | 頭部60mmバルカン砲×2 |
M-79E-1 「240mm低反動キャノン砲」 |
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100mmマシンガン | |
380mmロケット・バズーカ | |
ビーム・スプレーガン | |
ビーム・ライフル |
『MSV』に登場。1号機の問題点を踏襲、改良した2号機以降の制式採用機。
一見分かりやすいのはジム系の頭部と、重量バランスを整える為に肩部キャノンを単砲式に減らしている事。また脚部は左右分割式(簡易装着型)の増加装甲を採用し、腰部前面・股関節のベンチレートボックスも元のガンキャノンと同等サイズの板厚に揃えている。
肩部キャノンは単装式に減りはしたが、従来の物から銃身の延長が図られ、外装式弾倉(マガジン式)に変更された事により運用性は向上。 腰部リア・アーマーに弾倉用ラッチを設け、予備マガジンを2つほどマウント出来る(構造上自力での換装は難しい。恐らく僚機に交換して貰う必要があるのだろう)。
肩部キャノンの他にも腰部マウントのビーム・スプレーガン、ホワイトディンゴ隊仕様の100mmマシンガン、宇宙戦仕様向けのバルザック式380mmロケットバズーカ等を装備する。配備は間に合わなかったがRX-77仕様のビーム・ライフルまでもが予定されていた。
頭部はジム系だが、実際にはガンキャノンの設計も反映されている。
RXタイプに採用された物のマイナーチェンジ品(スーズ79-A式アンテナ)と後頭部の設計は、十中八九ガンキャノンを模した物だろう。
再設計で開発が遅延したため量産開始時期がずれ込み、58機(または48機)の生産に留まった。
その内の14機が連邦第2連合艦隊、つまりティアンム艦隊と共に宇宙に上がって空間戦仕様として改修を受けた。
地上に残った34機は、戦線の拡大に伴いそれぞれ別地域に配備された。内訳はジャブロー9機、北米南下ルートを辿った戦線の6機、アフリカ戦線に送られた19機。アフリカ戦線では12月初旬のジオン地上軍一掃作戦に投入されたとのこと。TCG設定では『不死身の第四小隊』にもこの機体が配備されていた模様。
グリプス戦役時にはコックピットをリニアシート式に換装し、ジムⅡと同タイプのビームライフルを装備したキラービー隊所属機がジャブローに配備されている(Ζガンダム登場機)。
一般的に北米戦線やホワイトディンゴ隊のグレーカラー、アフリカ戦線でのサンドカラーが確認できているが、この戦場でもノーマルカラーや異なるカラーの機体が存在したようだ。
特に有名なのは連邦が誇るトップエース、リド・ウォルフ少佐のジム・キャノンである。北米戦線において1週間で21機もの撃墜スコアを記録し、「踊る黒い死神」の異名で恐れられた彼の専用機は黒色だった。
型番 | RGC-80S |
---|---|
頭頂高 | 18.0m |
重量 | 44.9t |
兵装 | 360mmキャノン砲 |
60mmバルカン砲×2 | |
ビーム・スプレーガン | |
380mmロケットバズーカ |
『MSV-R』に登場するジムキャノンの宇宙戦仕様。型番:RGC-80S
宇宙に上がった14機のうち、正確な数は不明だが少なくとも5機はこの仕様に改修された。カウンターウェイトである脚部増加装甲を取り外し、ジム・スナイパーカスタムと同型のバーニアを脚部に装備する。
通常色以外に宇宙軍第一連合艦隊・サラミス級29番艦「アイガー」所属の青色の機体が存在する。
連邦軍でも甚大な被害を被ったレビル艦隊のMSであり、ア・バオア・クー攻防戦で全機が失われたと言われる。
ガンキャノン系の機体は終戦までに少数が生産されている。「量産型ガンキャノン」の名を冠するRX-77Dは、後期生産型ジムのパーツを流用しているため、RGC-80の事実上の上位機と呼べる機体である。
RGC系列の発展機として、戦後に開発されたRGC-83「ジム・キャノンⅡ」が存在する。こちらはRX-77Dをベースにガンキャノンとの設計統合・純粋な量産化を目標としていたが、当時は中距離支援機の火力とレンジを上回る「携行ビーム兵器」にシフトしつつあり、量産はされなかった。
第一次~第二次ネオ・ジオン戦争期にはRGC-90(もしくはRGM-90)「ジェガン重装型」が開発されている(ジェガンのベースとなったRGM-88X「ジェダ」の改良機・量産機という説が有る)。
長射程キャノン装備には一定の需要が有り、以降ガンキャノンのコードやコンセプトを反映した量産型は形を変えて世に出ているが、ジム・キャノンⅡを最後にジム・キャノンとの連続性は失われている。
掲示板
1 ななしのよっしん
2020/07/07(火) 11:51:11 ID: 2I4qXcYBil
レビル艦隊直掩部隊仕様のジムキャノンがあるそうだが、レビル艦隊直掩用ならジムじゃなくガンダムタイプにした方が良かったのでは?
ガンダムタイプにしたところでレビルごとソーラレイで焼き払われる運命は変わらないだろうけど。
2 ななしのよっしん
2021/09/18(土) 20:07:37 ID: +m0hxlgCCA
ジムキャノンがレビル艦隊(とかティアンム艦隊とか)に配備されたというのは最初のMSVからある設定だからね
その頃にはガンダムタイプ自体が例の8機しかなく、実戦参加してる2,4,5号機は配備先がすでに確定している
んで後付けでガンダムタイプが増えたところで、旧設定を無造作に書き換えてジムキャノンを削除して置き換えるわけにもいかんだろう
ジムキャノンにさらに追加ってのはあるかもしれんけど
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最終更新:2024/04/24(水) 04:00
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