父親は大手金融グループ「元大金控集団」の元董事(理事)で投資会社の会長。母親は有名高級クラブの経営者というまごうことなき上流社会の血を継いでいた。
だが両親は入籍しておらず婚外子であったため親類に預けられ蔑まれ冷遇されていたという。しかし11歳の頃に父方の祖母によって「李」姓を継がされると生活が一変、年間700万台湾元(約1960万円)もの支援を受けて米国の大学にも留学する御曹司になったという。
しかし2012年、ある女性が「リーに酒や薬を飲まされてレイプされた」と警察に訴え出た。リーは2009年から台北にあるクラブで出会った女性をレイプしており、手口は酒や薬物を使用して女性を暴行し、その様子をビデオに撮りだめるというものだった。さらにこの事件でリーが録画した動画はネット上に流出しており、台湾の芸能人の女性も被害にあっていたことが判明した。検察も削除をはかっていたが拡散は止まらず、一部の動画サイトでは有料で公開され何十万人ものユーザーが動画を視聴したという。
当のリー本人は事件発覚後に逃亡し、しばらくしてから警察に出頭した。本人は「女性たちとは同意があった」と主張しているが、その訴えは他の証拠と食い違い退けられている。さらに「動画が何で流出したのかはわからないが申し訳ない」(意訳)、「みんなで遊び、気に入ったらすぐ寝るのが台湾のクラブ文化だ」(意訳)と言い放ったため、世間からも検察からも反省していないとの非難を浴びた。
ちなみにジャスティン・リーは裁判の結果、懲役39年の判決が出た。本来なら合計すれば懲役200年以上になるところだが台湾の法律では執行の上限が30年とされているため、実際の服役期間は短くなる見込み。また、被害者17人に計2745万台湾元(約9600万円)の賠償金を支払うことも合わせて命じられた。70万円ほどの見舞金で示談を提示され、当然ながら拒否する被害者もいた。被害女性の中にはスキャンダルで芸能人生命が終わること自体を恐れている芸能人もいた。また一部の女性タレントはコラージュと主張して否定している。
被害者は起訴の内容だけでも30人以上いる。しかしセカンドレイプ被害を避けるために訴え出られない女性もいると想像されるため正確な人数は不明。実際は60人以上はいると言われている。ちなみにこの事件に映画化の話まであるらしいが、被害者感情を配慮しているのかが危ぶまれる。
レイプに遭った被害者が、その後において更なる副次的被害を受けることを「セカンドレイプ」と呼ぶ。警察に訴えた際や裁判の場で証言する際に、あるいは病院で治療を受ける際などに、プライバシーに配慮しない、あるいは精神的な傷をえぐるような不適切な扱いを受けることなどが典型的な例とされる。それ以外でも好奇の目で見られたり、経済的あるいは社会的立場上の不利益を被るなど様々なセカンドレイプ被害が存在すると言われる。
被害者の一人で女優・モデルのトップだった人物が動画も写真も撮られており、写っているのが自分であるのを認めたところ活動休止に追い込まれ、出演していた映画は本人のシーン全カットされ、復帰したときも足元見られて安ギャラに落とされるという憂き目にあっている。典型的なセカンドレイプ被害と言えるだろう。
それだけではなく、この事件では動画が流出し、それを見たユーザーが多数存在した。レイプの犯行を映した動画であると知りつつ性的好奇心からそれを視聴した人々もまた、セカンドレイプの加害者と言えるかもしれない。
被害者とされる人物の「リスト」を称するものもネット上に出回っている。これらの被害者のリストを調べようとする人も居る。だが被害者たちにとっては、自分が被害に遭ったこと知られることを嫌がる人間が多数含まれることは容易に想像がつく。被害者とされているタレントの中には悪質なコラ呼ばわりして否定している人もいる。
にもかかわらず被害者が誰であったのかを興味本位で調べようとするならば、それだけでもある意味ではセカンドレイプの加害者に堕していると考えることもできるだろう。
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最終更新:2024/03/28(木) 23:00
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