ジャンプ(フィギュアスケート) 単語

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ジャンプ

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フィギュアスケートにおけるジャンプとは、演技を構成する要素の1つである。
その美しさや迫力ゆえに、「フィギュアスケートと言えばジャンプ」という人も多いと思われる。

この記事では、各ジャンプ概要と、その見分け方について記述する。

概要

スケート連盟(ISU)が認しているジャンプは全部で6種類。エッジの使い方、踏み切り方、ポジション、回転数により細かく分類され、それを基に採点が行われる。 

回転数は、1回転をシングル、2回転をダブル、3回転をトリプル、4回転をクワドと呼ぶ。日本では回転数をそのまま言うことも多い(例:「トリプルアクセル」、「4回転トウループ」)。

採点時は、各ジャンプごとに定められた基礎点に加え、出来栄え点(GOE)を足して算出される。

分類

回転方向が反時計回りの場合、着氷(スケーティグレッグ)は右足となる。フリーレッグとは、氷に着いていない(体重が乗っていない)足をす。

主要ジャンプ

難易度が低い順に記述する。

トウループ Toe loop (略記:T)

後ろ向きに滑りながら、着氷時のスケーティグレッグバックアウトエッジ側に、フリーレッグのトウピックを突いて後ろ向きに踏み切る。6種類のジャンプのうち難易度が最も低く、基礎点も最も低い。

コンビネーションジャンプの第2、第3ジャンプにもよく用いられる。

1920年アメリカプロケーターだったブルース・メープスが初めて跳んだ。

トーループ、トゥループの表記も見られる。

4回転トウループ初成功者(ISU公認大会、以降同じ)

サルコウ Salchow (略記:S)

後ろ向きに滑りながら、着氷時のスケーティグレッグとは逆足のバックインエッジ踏み切りフリーレッグを振り上げたときの遠心力で回転する。上体やエッジが、離氷前におよそ1/2回転する。

1909年、スウェーデンウルリッヒ・サルコウが初めて跳んだ。

4回転サルコウ初成功者

ループ Loop (略記:Lo)

後ろ向きに滑りながら、着氷時のスケーティグレッグアウトサイドエッジで踏み切る。エッジが離氷前におよそ1/2回転する。原理はサルコウとほぼ同じだが、重心を保つためにフリーレッグを軸足の前でクロスさせるため、サルコウより難しくなる。

コンビネーションジャンプの第2、第3ジャンプにもよく用いられる。

1910年ドイツヴェルナー・リットベルガーが初めて跳んだ。

4回転ループ初成功者

フリップ Flip (略記:F)

後ろ向きに滑り、着氷時のスケーティグレッグとは逆足のバックインエッジに乗り、フリーレッグのトウピックを突いて踏み切る。アウトサイドエッジで踏み切るとGOEで減点される(通称:リップ Lip)。

6種類のジャンプのうち、一発案者の記録が残っていない。

4回転フリップ初成功者

ルッツ Lutz (略記:Lz)

後ろ向きに滑り、着氷時のスケーティグレッグとは逆足のバックアウトエッジに乗り、フリーレッグのトウピックを突いて踏み切る。インサイドエッジで踏み切るとGOEで減点される(通称:フルッツ Fluz)。
6種類のジャンプのうち、「助走のときに体にかかっている回転の力の方向」と「中での回転方向」が逆になる一のジャンプであるため、難易度が高い。

1913年オーストリアアロイスルッツが初めて跳んだ。

4回転ルッツ初成功者

アクセル Axel (略記:A)

前向きに滑り、着氷時のスケーティグレッグとは逆足のフォアアウトエッジに乗り、フリーレッグを振り上げて前向きに踏み切る。
一の前向き踏み切りであるため、難易度が最も高い。また、着氷は後ろ向きなので他のジャンプよりも半回転多く回る必要がある。よく「~回転半」と呼ばれるのはそのためである。

1882年、ノルウェーアクセル・パウルゼンが初めて跳んだ。

ISU公式競技会で4回転アクセルの成功者はまだいない。

ちなみに、単に半回転するジャンプは「スリージャンプ」または「ワルツジャンプ」と呼ばれ、初心者ジャンプ入門として教えられることが多い。新採点方式の競技会では回転アクセルとみなされ、得点はつかない。

ジャンプコンビネーション

ジャンプを着氷した後、ステップやターンをせずに連続してジャンプを跳ぶことをジャンプコンビネーションという。最大で3連続まで跳ぶことができ、それぞれファーストジャンプセカンドジャンプサードジャンプと呼ぶ。

跳ぶことができるのはISU認の6種類のジャンプのみ。かつては、セカンドサードは前のジャンプで着氷したときのスケーティグレッグ(反時計回りならば右足)と同じ足で踏み切るトウループループに限定されていたが、ロシアアルトゥール・ドミトリエフが左足で着氷してフリップジャンプを成功させ、これが認定された(2018年ネーベルホルン杯)。このため、現在セカンドサードともに6種類のジャンプが跳べるが、彼以外に成功させている選手はいない。

セカンドジャンプハーフループを跳び、左右のスケーティグレッグを入れ替える方法もある。このハーフループオイラージャンプ(Eu)と呼ばれ、通常のジャンプと区別される。

得点は、各ジャンプの基礎点をそのまま加算したものとなる。

ジャンプシークエンス

複数のジャンプの間を、その他のジャンプホップリズミカルにつないで跳ぶ連続ジャンプジャンプシークエンスという。

ジャンプコンビネーション較すると難易度が低く、セカンドジャンプ以降のジャンプの制限がない反面、得点は各ジャンプの基礎点を加算して0.8を掛けるため低くなる。

ジャンプシークエンス中は、ターン/ステップ、ストローキングなどの動作を含んではならない。

スロージャンプ

ペアにおいて、女性ジャンプ男性が補助し投げ上げるものをスロージャンプという。略記にはThが付く。

ジャンプシングルと同じ6種類で、女性踏み切り時のエッジポジションによって区別される。

簡単な見分け方

ここまでの記述では、素人ではなかなか判別が難しい。そこで、簡単な見分け方解説する。
足の左右は反時計回りを基準とする。 

  1. 6種類のジャンプは、つま先のトウピックを氷に突いて跳ぶ「トウ系ジャンプ」と、エッジを使って踏み切る「エッジジャンプ」に分けられる。
  2. アクセルは、一の「前向き踏み切りジャンプであり、最も判別しやすい。
  3. エッジジャンプのうち、サルコウ踏み切り時に両足が「ハ」の字になる。一方、ループ踏み切り前に足をクロスさせる動作が入る。
  4. トウ系ジャンプのうち、トウループ左足で氷を突いて踏み切る。
  5. フリップ左足を内側に傾け、右足で氷を突いて踏み切る。跳ぶ直前に後ろを向くのが特徴で、助走はCの字を描く。
  6. ルッツ左足を外側に傾け、右足で氷を突いて踏み切る。後ろ向きのまま、S字を描いて助走する。

ね、簡単でしょう?

得点

ジャンプの種類・回転数別に基礎点が付けられていて、そこに出来栄え点(GOE)が加えられる。
効と判定された要素は0点。転倒は「エッジ以外の部分で体重の大部分を支える」という違反行為にあたり、1回につき1点が総合得点から減点される。

回転不足

ジャンプの回転数は、「踏み切り動作から着氷までの間に何回転したか」によって決まる。回転が足りない場合は「回転不足」となり、得点は以下のようになる。

例えば、4回転トウループに成功すると基礎点10.3が与えられる。しかしアンダーローテーションと判定された場合は、トウループの基礎点の70%にあたる7.2が、ダウングレードの判定ならば3回転トウループの基礎点4.2がそれぞれ与えられる。

踏み切り違反

ルッツフリップ踏み切りエッジが正しくない場合、基礎点の70得点として与えられる。

回転不足と踏み切り違反が同時に起こった場合は、さらに減点となる。

無効要素

効要素と判定されると、その要素は0点となる。以下に一例を示す。

またザヤックルールの記事に詳細な解説があるので参照いただきたい。

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