ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風(おうごんのかぜ)とは、カプコンより発売されたPS2用ゲームソフトである。
概要
2002年にカプコンより発売された『黄金体験アドベンチャー』。2007年にはBest版が発売。
名前の示す通り荒木飛呂彦の漫画「ジョジョの奇妙な冒険」第5部を原作としており、同社から発売された2Dアクション格闘ゲーム「ジョジョの奇妙な冒険(以下、『3部ゲー』と記述)」の続編にあたる。
ゲームの「黄金の旋風」というタイトルは、原作者の荒木自身が命名したという。他にもロード画面などに用いられているイラストを提供するなど、3部ゲーに引き続き原作者がゲーム製作に少なからず協力している。
今作ではゲーム内容が3Dアクションゲームへと変更になり、さらに1人用のゲームとなった。
3D化の実現にあたり、カプコン独自の技術「アーティストゥーン」が用いられる事でキャラクター達が立体化され描かれているのが大きな特徴。
原作のストーリー内容(ゲーム化にあたる、年齢制限などへの配慮)や、戦闘演出が困難などの都合からか何人かのキャラクターや名場面・名台詞などがところどころキング・クリムゾンされているため、原作を未読の人にとってはストーリーが理解しにくい(原作を知っている前提で製作されていると思われる)。それ故、原作を知っているプレイヤーからは「何故このシーンを消し飛ばした」「このキャラも出すべき」等といった意見も多く、同社が過去に製作した原作再現度の高さに定評のある3部ゲーと比較された結果相対的に低めの評価を下されている傾向にあるようだ。
しかし一方、3部ゲーにも存在した「本体モード / スタンドモード」などの基本的な戦闘システムや敵のスタンドを調べたりステージに配置されたギミックを利用して戦闘・ミッションを有利に進めていくなどといったトリックバトルの再現度は3部ゲーにも引けを取らず、ストーリーの舞台であるイタリア(ヨーロッパ)を彷彿させる壮大かつ美麗なBGMの数々と合わせてプレイヤーの間では高い評価を得ている。
原作のストーリーに準拠したミッションをクリアしていく「スーパーストーリーモード」や、原作と異なるキャラクターの組み合わせでif戦闘を楽しむ「アナザーストーリーモード」が存在。これらのモードで『ジョジョアビリティ』を獲得していくと、ギャラリーモードにドラマCDや設定資料などの要素が解禁されていく。
また、ミッションでは戦闘中に原作の場面(展開)を再現したり敵の能力を調べるなどすると「シークレットファクター」が解禁され、ジョジョアビリティが得られる他にも戦闘が様々な形で有利に働くことがある。
ストーリーモードでのナレーションは置鮎龍太郎が担当。
ストーリー
ストーリーは原作と同様。詳細は「黄金の風」及び下記の人物記事をそれぞれ参照。
登場人物
本稿ではゲーム中に登場する人物のみを記載。未使用のボイスデータがゲーム内のデータに存在する(=登場予定だった)などのキャラクターについては、混乱を防ぐため割愛させて頂く。
ブチャラティチーム
本作でプレイヤーが使用可能なキャラクター(協力者含む)。
- ジョルノ・ジョバァーナ (CV:朴璐美)
- 第5部の主人公。ゴールド・エクスペリエンスによるスタンド戦闘は他のキャラクターと比べても安定感があり、使いやすい。ボスとの最終決戦ではゴールド・エクスペリエンス・レクイエムを操り戦う。
- ブローノ・ブチャラティ (CV:櫻井孝宏)
- ジョルノの所属するチームのリーダー。スティッキィ・フィンガーズは戦闘のみならず敵の足止めや回避・移動にも優れるオールマイティーな能力を持つ。本作のストーリーモードでは何気に、ジョルノを差し置いて最も出番が多い。
- レオーネ・アバッキオ (CV:稲田徹)
- ブチャラティチームの一人。流石にアバ茶のシーンはゲームには実装されてない。
プレイヤーの間では専ら、スタンドよりも本体自身のガチバトルの強さに定評があるらしい?
- ナランチャ・ギルガ (CV:瀧本富士子)
- ブチャラティチームの一人。彼のスタンドモードはエアロ・スミスを操作してステージを飛び回りながら戦うという変わったスタイル(エアロ・スミスが飛んでいる間はナランチャ自身の操作は一切できない)。
- グイード・ミスタ (CV:伊藤健太郎)
- ブチャラティチームの一人。セックス・ピストルズを操りながら自前のリボルバー式の銃で戦う。
弾丸切れは勿論、弾丸が残り4発にならないように常時気を配ろう。(直接のデメリットは特に無いが)
ギアッチョ戦の後のアレやらトリッシュと入れ替わって女言葉で喋るやら、本作では何かとネタキャラな感が漂う。
- パンナコッタ・フーゴ (CV:三浦祥朗)
- ブチャラティチームの一人。殺人ウイルスをばら撒くパープル・ヘイズを操り戦う。
本作のプレイヤーキャラで屈指の攻撃力を持つ反面、ウイルスカプセルは切れる前に補給を。
- トリッシュ・ウナ (CV:夏樹リオ)
- 組織のボスの娘。スタンドは殴ったものを柔らかくするスパイス・ガール。
スタンドガード中に相手を弾き飛ばしたり、倒れた相手にハイヒールや鉄パイプで追い撃ちを掛ける事もできる。
協力者
- ジャン=ピエール・ポルナレフ (CV:根岸朗)
- 我われはこの男を知っている!いや、この眼差しとこの髪型を知っている!
このトランペットの旋律から始まるBGMに、聞き覚えがあるッ!
第3部完結後にディアボロとの戦闘に敗れ、再起不能となり現在は車椅子に乗っている。シルバーチャリオッツを操りディアボロの襲撃を凌ぐミッションがあるのだが、実は再起不能どころか本作でも屈指の強キャラとの噂。
カプコンが製作した双方のジョジョゲーに、ただ1人プレイヤーキャラとして出演を果たせた人物でもある。
パッショーネ・暗殺チーム
本作の敵キャラクター。後述のパッショーネの人物を含め、プレイヤーは使用できない。
- ホルマジオ (CV:岸祐二)
- トリッシュを狙う暗殺チームの、最初の刺客。スタンド能力で小さくされたら、ひたすら逃げに専念。
- イルーゾォ (CV:根岸朗)
- 暗殺チームの第二の刺客。鏡の世界は操作が左右逆になる事もあり、現実世界と鏡の中の2つのステージを行き来しながら戦うミッションは実質的に本作における難関ステージの1つとして知られる。
- プロシュート兄貴 (CV:うすいたかやす)
- ペッシと共に列車を襲撃。「老化能力に対抗するために、氷を補充しながら戦う」という都合上か、本作では食堂車での戦闘となった。続くペッシとの戦闘でも、残った力を振り絞りスタンド能力でペッシを援護してくる。
- ペッシ (CV:西村朋紘)
- プロシュート兄貴の弟分。本作では釣竿に喰らい付かれたらボタン連打・レバガチャで振り解く仕様になっている。
決着はもちろん「アリーヴェデルチ!」の一声と共に。
- ギアッチョ (CV:西村朋紘)
- 氷を操る暗殺者。シークレットファクターを満たすと、原作と同じくあの台詞を喋る。正面からの銃撃は通用しないが、原作と同様の展開で鉄柱へぶち込めば正面からの射撃でダメージが通るようになる。
- リゾット・ネエロ
- 暗殺チームのリーダー。へんじがない、ただのしかばねのようだ。
パッショーネ構成員
- ポルポ (CV:岸祐二)
- ブラック・サバスのスタンドを持つ組織の幹部。本作では広瀬康一が登場しないので彼の助力を得られず、ジョルノ1人でブラック・サバスを倒さなければならない。
- カルネ
- ボスが差し向けた刺客。飛行機でサルディニアへ向かおうとする一行の前に現れ、呆気なく射殺されたが・・・
- チョコラータ (CV:石野竜三)
- ボスがセッコと共に差し向けた、最後の刺客。原作と同じくカビをばら撒き、時折自身の身体を分裂させ襲ってくる。
グリーン・ディは近距離パワー型のスタンドだが、本作の場合はステージ上をランダムに徘徊しながらカビを撒いているのみであるため、遠隔操作型のスタンドっぽく映る感じがある。
- セッコ (CV:うすいたかやす)
- ボスがチョコラータと共に差し向けた、最後の刺客。原作と同じく地中に潜りながら、ブチャラティ一行を襲う。
村からの脱出ミッション然りブチャラティとの戦闘ステージ然り、多くのプレイヤーを散々に苦しめたことだろう。
- ディアボロ / ヴィネガー・ドッピオ (CV:宮本充)
- ギャング組織「パッショーネ」のボス。途中も何度かミッションに登場するが、最後は原作と同様に本作のラスボスとして登場。キング・クリムゾンの戦闘力はゲーム中でもやはり圧倒的で、戦闘では時間消去攻撃以外にも血飛沫による目潰しでプレイヤー自身の視界を奪うという技も披露(ポルナレフやジョルノを相手に繰り出した、例のアレ)。
恐らくは本作で一番の功労者かもしれない。一体この作品だけで何回時間を消し飛ばしたんだろうか?
その他
- レクイエム
- スタンド。ストーリー終盤で、ポルナレフのスタンド「シルバーチャリオッツ」が矢の力によって進化した姿。
正式には「シルバーチャリオッツ・レクイエム」と表記する。
スタンドの力で登場キャラクターたちの魂が入れ替わるゲーム終盤では、入れ替わった互いの役を演じ分ける声優の本気が見られる。特にミスタ。戦闘ステージでは、プレイヤー(ブチャラティinディアボロ)の動きに合わせ逐一移動するレクイエムの影にも注目。もっとも演出上の都合か、レクイエムが操作するものと合わせてスティッキー・フィンガーズが2体出現するという奇妙な状態となってはいるが。
ピコカキコ
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