ジ・Oとは、『機動戦士Zガンダム』に登場するモビルスーツ(MS)である。
パイロットはパプテマス・シロッコ。
型番 | PMX-003 |
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所属 | ティターンズ |
開発 | ジュピトリス |
生産形態 | 試作機 |
全高 | 28.4m |
頭頂高 | 24.8m |
本体重量 | 57.3t |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
ジェネレータ出力 | 1,840kW |
スラスター推力 | 135,400kg |
センサー有効半径 | 11,300m |
武装 | ・ビーム・ライフル ・ビーム・ソード×4 |
搭乗者 | パプテマス・シロッコ |
ティターンズに所属するパプテマス・シロッコが巨大輸送船ジュピトリスにて自ら開発した試作機体。型番PMX-003。機体名は「神の意志」を表す。人型ではあるものの、これは他の機体と戦う為にやむを得ず四肢を備えているだけであり、設計コンセプトはむしろモビルアーマーに近い。エゥーゴ、ティターンズ、アクシズの三つ巴の戦いが激化したグリプス戦役終盤において最終決戦に臨むためのシロッコ自身の専用機体として投入された。
全高28.4m、本体重量57.3t(全備重量86.3t)と巨体で構造も一般的なものとは大きく逸脱しているが、バックパックのスラスター推力はMAにも匹敵し、大推力のバーニアや50基ものスラスターを有しているため機動性は非常に高く変モビルスーツに対抗できるほどであり、全身に備えたアポジモーターによってグリプス戦役時トップクラスの高い機動性・運動性を誇る。
四肢もAMBACによる質量移動よりは、もっぱらスラスターのベクトル変位に活用され脚部も脛に相当するパーツが存在しない独自の構造を有しており、歩行脚というよりは巨大なバーニアスラスターモジュールそのものである。ちなみに、脚は重力下では一応「歩行脚」として使えはするが、そもそも「歩行」することに向いていない。そもそも本機は宇宙空間での運用に特化している機体である。
装甲はガンダリウム合金の塊とも呼べるものを備え、それぞれに独立したバーニアスタビレーターとしての機能を備えている。ボディユニットはそれのみでMS1機を凌駕する出力のジェネレーターを内蔵し、巨大なプロペラントとスラスターの集合体とも呼べる構造を有しており、上半身単独でもMAとして成立する程である。また、大型艦に匹敵する大型核熱融合炉を搭載しているため、高出力を維持したまま安定稼働が可能になっている。
コックピットにはシロッコが独自開発した準サイコミュシステムであるバイオセンサーを搭載している。といっても、Zガンダムなどに搭載されたバイオセンサーとは似て非なるものであり、機体制御や索敵および光学的情報に依存しない周辺状況の把握を可能とするためのものである。これによってジ・Oは物理的な操作以外にも感応波による脳波コントロールを行う事ができた。これは、索敵や対ビット兵器に対して有効に発揮し、更にニュータイプ能力を持たない者にもプレッシャーを与える事も可能であった。しかし、カミーユのように搭乗者を凌駕するニュータイプ能力者や複数の思念と対峙した際は機体管制を乗っ取られるという欠点を有しており、最終的にこの欠点がシロッコにとって命取りとなった。
武装はビーム・ソードとビーム・ライフル、およびフロントアーマーに内蔵された2本の隠し腕のみとスタンダードな物にとどまっている。シロッコ自身は作中トップクラスのニュータイプ能力を有しているが、ビット兵器に代表される遠隔誘導端末の制御機能を有してはいない。本機が基礎ステータスに全振りした機体であることを物語っている。
作中ではテレビ版アニメの第46話で初登場し、ハマーン・カーンの操縦するキュベレイとニュータイプ同士の高度な戦いを演じた。
最終決戦においてハマーンのキュベレイと共にクワトロ・バジーナの百式を追い詰めたのち、カミーユ・ビダンのΖガンダムと対決するが、死者たちの意志を取り込んだΖガンダムによって制御不能に陥り、スイカバーウェイブライダーでコクピットに突撃され爆発、消失してしまった。
ちなみに、デザインを担当した小林誠はジ・Oを大変気に入っており、自分の息子に同じ名前を付けたほどだとか。
本機を開発するにあたってシロッコは「MSに必要なのは『変形機構』でも『多種多様な重火力』でも『広い視野』でもなく、自分自身の能力を最大限引き出せる『インターフェースと機体本体』」という結論に至っており、そのまま本機の機体コンセプトとなっている。独自に開発したサイコミュデバイスも機体の操作性や追従性に特化したいわば補佐的なシステムである。とはいえ、全てが高い能力を持つシロッコに合わせて調整されていることからシロッコ以外の者の操縦はほぼ不可能となっている。シロッコがコックピット内でもノーマルスーツを着用しないのは、本機のインターフェイスを完全に稼働させるためである。
このようにジ・Oのコンセプトは傲慢なシロッコらしい自信に満ち溢れたものとなっているが、実は後の第二次ネオ・ジオン抗争においてアムロ・レイはνガンダムを開発するにあたって機体に汎用性や信頼性、耐久性に重点を置き、単純かつ堅牢な構造に仕上げており、このジ・Oの開発コンセプトと合致した考えとなっている。さらにサイコミュを操縦レスポンス向上に使うという考えはνガンダムの他にもユニコーン・ガンダムやシナンジュといった後の時代の代表的なMSに使用されている。いかにシロッコが天才であり、先見の明を持っていたかをうかがえる。
さらに言えば、『機動戦士ガンダムF91』の時代である宇宙世紀120年代のMSは可変機能や内蔵型大火力兵器を排除しており、ジ・Oのように高い基本性能と操縦性、手持ち火器による戦闘に主軸を置いている。言うなればジロッコがいかに革新的であり、自らを天才と称しているのはけっして自惚れというわけではないことを証明している。
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最終更新:2025/05/21(水) 18:00
最終更新:2025/05/21(水) 17:00
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