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この記事では植物のスイカについて解説しています。 |
スイカ(西瓜)とは、ウリ科の植物。球形の大きな実が成り食べることができる。日本の夏の風物詩。英名は"Watermelon"。
ニコニコ大百科:植物 スイカ |
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分類? | スミレ目ウリ科スイカ属 | |
学名? | Citrullus lanatus Citrullus→ミカン属+(縮小辞) lanatus→軟毛のある |
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ウリ科 Cucurbitaceae? | ||
このテンプレートについて |
時に果物なのか野菜なのか問われることがあるが、農林水産省の定義では「果実的野菜」に分類されている。実際的には、甘くてデザートになるので果物として扱われることもある。
2007年にアメリカ合衆国・オクラホマ州の「州の野菜」に制定されているが、議決するまでには「スイカは果物だ、野菜ではない」という反対意見もあったという。
夏につく球形または楕円形の果実は時に15kgにも達する。果皮は緑色の地に黒い縦縞の模様を持つものが多い。果皮は黄色や黒のものもある。ちなみに、スイカを切るときには縦縞模様の間の部分で切ると断面に種があまり現れない。
なお、改札にかざしても通れません。というか、バズワードだよね、これ
日本では普通生で食べる。塩をかけて甘味を増すことがあるが、これは塩の味によって感じる甘味が強調される「対比効果」によるもので、塩自体が甘味に変わっているわけではない。砂糖をかけたり、皮をくりぬいて洋酒を注いで食べたりする人もいる。ジュースやシャーベットにすることもある。
日本には種子を食べる習慣はないが、世界的には種子を食べることは一般的である。種子にはタンパク質や脂肪などの栄養分が豊富に含まれる。また、未熟な小さいスイカを漬け物にすることもある(日本にも源五兵衛といって奈良漬けの材料にする品種が存在し、和歌山、鳥取などで連綿と作られている)。
熱帯の地域では安全・衛生的な冷たい水の確保が難しい場合にスイカが冷えた水分源として重宝される。
主に果皮に、利尿効果のあるシトルリンを含む。シトルリンは1930年に日本でスイカから発見され、スイカ属の学名から名づけられた。シトルリンは体内で変化して酸性窒素を活性化し、バイアグラと同様の効果をもたらすといわれるが、6切れ以上食べないと効果がないとされている。[1]
日本では南北朝時代から栽培されているといわれているが、渡来した時期については諸説ある。少なくとも、普及するのはそれよりずっと遅かった。
江戸には1662年に伝わったというが、その前年に慶安事件が起こっており、江戸の人々は球形の果実に真っ赤な果肉を見て「(その事件で処刑された)由井正雪の頭」と思い(あるいは由井正雪のたたりによって果肉が赤くなったとして)気味悪がったという。スイカを切る音が首を刎ねる音に似るともいわれたという。かつてスイカには甘味がなく、甘いスイカが登場したのは明治以降であり、さらにそれが一般に普及したのは大正時代である。
スイカは日当たりと乾燥を好み、水はけの良い土地が適している。気温に関しては元々熱帯性植物なので高温を好むが、5℃以上なら耐えられ、南は沖縄から北は北海道まで育てることができる、数少ない作物である。ただ、連作障害が起こるので、産地では接ぎ木などをして栽培している。根が湿気を嫌うので、多雨な場所はあまり適していないが、梅雨時に適度の降水がないと実が大きくならないらしい。
スイカはメロンなどのように追熟を行わないので、収穫した時期が食べ頃になる。そのため、旬が南西から北東へ、前線のように移動していくのが特色である。具体的には、熊本→5月から、鳥取→6月から、千葉→7月から、山形→8月から、北海道→9月からと最旬の産地が移動していく(よって、この旬の産地を追っていけば、毎回美味しい西瓜にありつけるわけである)。だが、これはあくまで露地栽培における旬の変遷であり、実際はハウス、トンネル栽培などを使って出荷時期を調整している。
日本では江戸時代には薩摩・肥前などが、明治以降は宮崎県・高知県・奈良県・和歌山県などがスイカの産地として有名だった。現在は熊本県(特に旧植木町、今は熊本市北区)で最も盛んで、千葉県(特に富里市、それと八街市)・山形県(特に尾花沢市、夏スイカは日本一)がそれに次ぐ。そして、鳥取県、新潟県、長野県が次の椅子を争っており、あとは北海道、青森県、秋田県、茨城県、神奈川県、石川県、愛知県、長崎県、大分県、鹿児島県などが主産地である。
熊本県北区(旧植木町)は全国の若いスイカ職人が集まり腕を競うほどで、スイカの名産地として真っ先に名前が出てくるトップブランドであり、スイカの里植木という道の駅もオープンした。熊本市北区=植木町なので植木区にする話もなかったわけではなかったらしいが…。また、植木以外では山鹿市、益城町(4月出荷で、大産地としては最も出荷が早い)なども盛んで、くまモンも産地宣伝に一役買っている。
千葉県で二大産地といわれているのが富里市と八街市であるが、知名度は断然前者である。富里が同県の八街を寄せ付けないのは、皇室に献上されたという誇りを持っているから。富里市では、給水所ならぬ「給スイカ所」のある富里スイカロードレースが毎年開催されている。また、スイカの名産地という有名な電波ソング童謡が指している名産地はどうやら富里のようである。また、八街市、山武市、芝山町もスイカ栽培が盛ん。
尾花沢市はフルーツ王国山形においてスイカの名産地代表として知られているが、スイカ産地としては後発である。だが、スイカが最も食される8月の夏真っ盛りに食べ頃を迎えるという何とも羨ましい生育条件が産地の成長を後押しした。チャグチャグ馬コで有名な岩手県滝沢市も似たような条件で、スイカ産地となっている(でも、知名度に反して規模はそこまで大きくないのだが…)。
鳥取県もスイカ産地として有名。中でも、名探偵コナンの町として有名な鳥取県北栄町(旧大栄町)は、戦前から今日まで続く歴史の長い、西日本随一のスイカの名産地である。西瓜を持ったコナンのグッズが多いのはこのためで、スイカを頬張るモニュメントもある模様。でも、彼の好物ってレモンパイじゃなかったっけ?それに、実際はコナンじゃなくて作者の青山剛昌の出身なだけだよね…?こまけーことはいいんだよ!
岩手県滝沢市・千葉県富里市・熊本県熊本市にはスイカ模様にペイントされたガスタンクが存在する。他にも名産地はこんな場所がある。
北海道にある共和町もらいでんスイカという道内随一のブランドスイカの産地である。けど内地での知名度は微妙なところで、むしろ富良野市の方がスイカ産地として知られているような気がする。また、当麻町の皮が黒いタヒチ種のスイカ「でんすけすいか」や月形町の巨大スイカ「ゴジラのたまご」なども有名である。ただ、どこもメロンに押され気味なのだが…。
新潟県の南魚沼市(旧大和町)にある八色原は糖度15%以上という極甘の八色(やいろ)スイカという高級スイカが作られている。でも、魚沼というだけで、コシヒカリ一辺倒にされてしまい、これも知る人しか知られていない。また、新潟市西区の沿岸部でも栽培は盛んであり、砂丘スイカ(赤塚スイカ)と呼ばれる名産地があり、新潟県は熊本県と並ぶ、全国屈指のスイカ消費県でもある。
長野県の松本市波田(旧波田町)という所の下原(地元ではしもはら…と読むらしいが、なぜかしもっぱらという呼び方も浸透している)という場所もスイカマニア垂涎の名産地である。今は町域だけでなくJAまで松本に吸収され、松本ハイランドスイカとして販売されている。つまり、県内では下原すいかであり、県外では松本ハイランドスイカと名を変えるが、ほぼ全くものは同じ。
富山県の入善町は重さ15キロ以上のジャンボスイカで有名である。
萩市の相島は人口200人弱の小さな島だが、一面にスイカ畑が広がる、まさにスイカの要塞である。ここのスイカは萩相島スイカとして市場評価が高い。
トロピカルフルーツを除く果樹不毛の地沖縄県において、スイカは例外的に栽培が盛ん。今帰仁村がスイカの名産地で、なんと12月から出荷され、真冬にコタツに入りながらスイカを頬張ることもできたりする。
秋田県羽後町には、何を思ったか血迷ったような二次元ライクなスイカが売られている…と思ったら、羽後町はこの手の町おこしで少しは名を知られていたようだ…。
他に青森県つがる市(旧木造町)、秋田県横手市(旧雄物川町)、茨城県筑西市・牛久市、神奈川県三浦市、石川県金沢市・羽咋市、静岡県函南町、愛知県田原市・豊橋市、和歌山県印南町、広島県尾道市(旧因島市)、愛媛県大洲市、高知県香南市(旧夜須町)、長崎県島原市、大分県日田市、鹿児島県曽於市(旧大隅町)など産地が全国に広がり、まさしくスイカがゴロゴロ♪である。
だが、このスイカも家族構成の変化に伴い従来の大きさでは持て余すようになり、加えて水分が多いことによる加工品への難しさ、そしてスイカ自体重いので高齢化する農家の負担になること、国民の嗜好の多様化(昔は、子供のおやつとして定番だった。昔の漫画でおやつのシーンにスイカが多いのも世相を反映)、それからスイカと同じ土壌条件で育ち、スイカよりずっと儲けが良く軽量なメロン栽培への転作が進んできている(ただし、メロンの生産も激減している)こともあって、ピークの3割程度まで生産が減少している。…それでもやはり夏の風物詩といえばスイカであり、スイカのない夏なんて日本では考えられないのであり、連年の猛暑による熱中症対策の食品としても注目を浴びている。なお、スイカの自給率は100%以上であり、熊本や鳥取などでは輸出も始めている(「ドバイの太陽」が有名)。また、従来のスイカである大玉スイカに変わり、流通しやすく、独り暮らしでも食べやすく、小型冷蔵庫にも収まる(これが重要だったりする)、小玉スイカにシフトした産地も多い(専門化した産地もあり、茨城県筑西市、和歌山県印南町、熊本市東区などが有名)。
話は変わって、かつて「四角いスイカ」が話題になった。香川県善通寺市の特産品で、四角形のガラスケースの中で栽培し、徐々に箱を大きくしていくことによって四角いスイカができあがる。2001年当時、きれいな四角形に出来上がる確率は約5%で、1個9,000円くらいで売られていた。四角形になった分だけ皮が厚くなるので品質は劣るが、何しろ見た目のインパクトがある。ピラミッド型のスイカもあり、理論的にはどんな多面体でも可能とされている。だが、このスイカは致命的な弱点がある。それは観賞用であり、食べられないことである。
日本一スイカ生産の少ない都道府県は、意外にも山梨県であり、メロンも山梨県である。フルーツ王国山梨といわれているだけにこの統計は意外であるえっ、果物じゃなくて野菜だから気にしない?。
世界的には熱帯~温帯で広く栽培されており、生産量世界一は圧倒的に中国。欧米には16世紀に伝わり、楕円形の品種が多い。ベトナムのテト(旧正月)では縁起物とされるスイカを供える習慣があり、町中でスイカが売られる。また、カラハリ砂漠に生育する野生のスイカは、狩猟採集民のブッシュマンや野生動物にとって重要な食料であり水資源である。
通常のスイカの芽をコルヒチンという物質で処理して得たスイカを通常のスイカと交配させることにより、不思議なことに種をつくらない種なしスイカが完成する(詳しい仕組みを話すと難しくなるので割愛する)。この技術は日本の木原均らにより発明された(禹長春とする説は誤り)。
1935年に開発が始まり、戦後にそれが成功すると、国内で話題になっただけでなく、画期的な技術として世界的に有名になった。しかし、種なしスイカは発芽しにくい、空洞ができやすいなど栽培が難しく、手間がかかるという欠点もあったため下火になってしまった。現在は品種改良によって、既存の品種そのままで種だけ無くすことができるようになっているそうだ。
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最終更新:2025/03/27(木) 20:00
最終更新:2025/03/27(木) 20:00
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