スキャンプ(艦これ)とは (スキャンプとは) [単語記事]

あんたがAdmiral? ん〜、そっか。あたいはGato級潜水艦、Sc ampさ。
割りとできるよ。まあ、よろしく。

スキャンプ(艦これ)とは、艦隊これくしょん～艦これ～のキャラクター（艦娘）の１つである。
アメリカ合衆国海軍ガトー級潜水艦の１つ「USS SS-277 Sc amp」を擬人化したものである。
イラスト：しずまよしのり、担当声優：榎吉麻弥。

USS Scamp, sally go!(概要)

スキャンプ(艦これ)は2021年秋イベント「海上護衛！本土近海航路の防衛」E-3（最終作戦海域）突破報酬として実装されたアメリカ合衆国海軍ガトー級潜水艦「Sc amp（スキャンプ）」をモチーフとした艦娘である。大東亜戦争時下多くの商船や艦船がこのガトー級潜水艦により撃沈されており、艦娘の中でも多くの者がトラウマレベルで恐れるであろう艦級がついに実装されたことになる。

担当絵師はしずまよしのり氏。氏の担当艦が最終作戦海域突破報酬となるのは艦これ2期に入ってからは同じくアメリ艦娘のアトランタ以来2人目である。また、氏の潜水艦娘としては伊13・伊14 姉妹に続いて3人めとなる。無論アメリ艦娘初の潜水艦娘であり、その容姿はエメラルドグリーンのワンポイント入り競泳水着＋白ホットパンツ。胸元に「Gato cl ass / USS Sc amp / SS-277」と（すっごく小さな字で見にくいが）書かれている。

星型キャンディと、はちまきにあしらわれた★は、史実でスキャンプが獲得した従軍星章（バトルスター）の数を元にしている。

セリフでは改以前は搭載魚雷の性能が悪かった史実を踏まえてか「Tor pedo^[1]? あぁ、ちゃんと調整したやつくれよ、頼むぜ」といった調子であるが、改(初期に実装された伊号潜水艦らと同じLv50で改装可能)になると件の魚雷が改良されたのか「ん、魚雷もだいぶまともになってきた。Admiral, thanks!」といった調子になる。

時報で登場する既存艦娘は、仕留めた相手である伊168("あの伊号"という形での言及。22年春実装の花見ボイスでは直接「イムヤ」と呼びかけている。)とスキャンプを撃沈した第四号海防艦が登場。特に海防艦に撃沈されたためか、普段の雰囲気から明らかに動揺したセリフになっている。他に間宮で遭遇するイタリア重巡洋艦に対し「やばくね？　関わらんとこ…」という。

史実概略

1943年に実戦投入された米海軍ガトー級Sc ampは都合8回の哨戒任務につき7つの従軍星章を獲得した。彼女の手に落ちた日本海軍の艦艇は特設水上機母艦君川丸や伊号潜水艦伊168及び4隻の輸送艦があり、また撃沈には至らなかったものの第十戦隊旗艦阿賀野(阿賀野型軽巡洋艦)に手傷を負わせている。

1944年 11月11日、Sc ampは八丈島北方沖の海上で輸送護衛任務中であった第四号海防艦より爆雷制圧攻撃を受け撃沈された。

もう少し詳しい史実

アメリカ海軍で第二次世界大戦時の主力となったのがガトー級潜水艦である。
1939年度、1940年度に、アメリカ海軍はタンバー級潜水艦をそれぞれ6隻ずつ建造し、翌年度になる1941年度にもその改良型（タンバー改級）を6隻造って終わらせる予定であった。
しかし、風雲急を告げる。日米関係の悪化に伴い、情勢は開戦必至となりつつあった。

「そろそろ戦争始まりそうだから、もうちょっと潜水艦作ってくれん？」
「それじゃ2隻追加でどう？」
「足りない、もっとくれよ」
「おけ、それじゃあと65隻造るわ」

こうして建造されたのが、タンバー改級改めガトー級で、結局翌年にも少し建造され計77隻、そしてその改良型であるバラオ級は100隻以上（実は終戦に伴う建造キャンセルとか色々あって隻数が確定してなかったりする）が建造されている。これだから米帝は。
詳しくは→ ガトー級潜水艦

そんなガトー級の1隻がSS-277〈スキャンプ〉である。ちなみにアメリカの潜水艦は水に関連する生物（主に魚）から付けられることが多く、スキャンプもハタの一種である。
建造はポーツマス海軍造船所で行われ、進水は1942年 7月20日、竣工は同年9月18日と、ガトー級としては後期の建造艦である。
就役後、半年ほど大西洋側で訓練を行った後、パナマ運河を抜けて太平洋側に出たのは1943年になってからであった。その後は真珠湾でさらに訓練を重ね、同年3月以降、太平洋で実戦に投入される。

3回目の哨戒である1943年 7月27日の夕方、パプアニューギニアのビスマルク諸島近海で、浅い深度を航行中だった〈スキャンプ〉は、浮上航行中の日本の潜水艦を発見。しかし逆にこちら側の潜望鏡を向こうからも見つけられてしまい、魚雷攻撃を受けたが、急速潜行してそれをかわした〈スキャンプ〉はそのまま息を潜めてやり過ごした後で、浮上して4発の魚雷を放ち、そのうち1発を命中させ、相手の潜水艦を撃沈した。
この相手の潜水艦は〈伊24〉だと思われていたが、戦後になって日本側の資料と照合してみたところ、実はあの空母〈ヨークタウン〉を撃沈した〈伊168〉であったことが明らかになった（ちなみに〈伊24〉はキスカ島で撃沈されているので、南太平洋にいるわけがなかったりする）。

1943年 11月には、同じく哨戒中にラバウル空襲で損傷を受けてトラックへ待避中だった〈阿賀野〉を発見し、魚雷を命中させるが取り逃がした。

その後も哨戒活動に従事していた〈スキャンプ〉だが、小笠原諸島方面で哨戒中だった1944年 11月9日の報告を最期に消息を絶った。その後の捜索も11月26日には打ち切られ、喪失が認定された。

こちらも戦後に日本側の資料と照合して、初めて〈スキャンプ〉の最期が明らかになった。1944年 11月11日（上記の最期の連絡の2日後）、父島から千葉館山に向かっていた第4108 船団を護衛していた第四海防艦が、潜水艦を探知し、そちらに向かったところ、魚雷を撃たれるがそれを回避した上で爆雷を70発投射し撃沈した。この撃沈した潜水艦こそが〈スキャンプ〉だった。