スクリーントーン 単語

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スクリーントーン

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スクリーントーンとは、マンガなどを描くとき等に使う模様パターンの入ったフィルムである。

単純にトーンと呼ばれる場合もある。(例:トーン貼っといて)

等間隔に配列された模様を使い、手間を省くだけではなく表現の幅を広げる事が可

概要

白黒で描かれる漫画などでは灰色に見える部分に使われているパターンが多い。

※基本は透明フィルムとなっているため、模様パターン以外は印刷に反映されない。

よく見ると大量の点々(ドット)が規則的に並んでいるのが確認できる。
手元に漫画雑誌や単行本がある方は探してみると容易に見つけることができる。

スクリーントーンは(点々以外にも)様々な模様パターンが発売・使用されており、グラデーションのように濃度が徐々に変わるグラデトーン、多種多様の小さな模様がある柄トーンなど、色々な種類があり、装や背景などの表現から特殊効果まで作者アイデア次第で非常に様々な用途・表現手法として用いられる。

例として迷彩など、迷彩柄を模したスクリーントーンもある。

同じパターンの模様や複雑な模様を手描きで描いていては大変な手間が掛かる。そんな時に便利なのがスクリーントーンである。近年は書店の文房具売り場で売られている場合も多い。

「これ全部手で書いてるの?」「たくさんの点々を描くのは大変じゃないんですか?」といった質問は稀に来るらしい。(近年は不明)

スクリーントーンがくとも、均等な行線などで描いてしまう手もなくはない。

似て非なるもの
  • 単純に灰色で塗ってしまうものはスクリーントーンではない。
  • 単純に黒色で塗ってしまうものはベタ(→ベタ塗りと呼ばれる。

使用方法

原稿の上にトーンフィルムをかぶせ、必要な部分だけを残してカッターナイフで切り取って使用する。フィルムの裏には粘着剤が塗布されているためそのまま貼り付いてくれる。

またトーン自体を重ねて模様を変えることもできる。アタリ下書きでは使用されない。

欠点

トーンを貼るのも細かい描写に打ち込むのも好きな人にとっては楽しい作業であるが…

  • 細かい作業が苦手な人には地獄
    • 時間がかかるため、漫画家などはベタと共にアシスタントに任せる場合が多い。
    • カッターを使った細かい作業が必要になり、細かい場所などはさらに繊細さも必要。
    • 加減を間違えると原稿まで切れる。
    • 誤って貼ってしまうと後に剥がしにくい。
  • 縮小印刷時に模様が潰れてしまい、模様が変わったりベタ塗りに近くなる場合もある。
  • スクリーントーン自体が消耗品。
  • フィルムを貼り付けるため、貼り付けたあとでフィルム下の修正ができない。
  • フィルムを貼り付けるため、消しゴムカスゴミが挟まらないよう綺麗にする必要がある。
    • この辺りは刷毛ブラシなどを使用するといった対処法がある。(→消しゴム
  • トーン自体の図柄は拡大縮小できず、シーンによっては模様が大きすぎたり小さすぎたりする。

※一部の欠点はデジタル描きにはい。

スクリーントーンを使い始めると際限がくなってしまうといった問題もある。装や背景など1ページ/1コマだけトーンを使うのも違和感が出やすく、他のページと整合性を持たせる必要があるため。

際限がなくなる=時間がかかることを嫌い、スクリーントーンを使わない漫画家は必要な所以外は本当に使わない場合もしくない。(週刊少年ジャンプなど)

デジタル描きの場合

パソコン等を使用して描く場合、点々のテクスチャなどを定範囲に貼り付けることで疑似的に同様の塗り方をする事は可で、単純な塗りとは異なる雰囲気を出しやすい。オリジナルのスクリーントーンなどをあらかじめ作っておきそれを適用することもできる。

レイヤーを分け任意の定範囲に貼り付けたり元に戻しやすいなどかなり使いやすい。結果的に前述の多くの欠点が消滅する強な利点があるため、元からデジタル描きを行う作家さんも。

というか特別な表現がなければ定色で単純に塗り潰してしまうほうがい。

歴史

元々はグラフィックデザインに使用されていたが、1950年代に漫画家が使用を始め、一気に業界に広まっていった。作画には膨大な手間と時間が掛かるので、少しでも手間を省きたかったことが大きな要因と思われる。

NHK朝ドラ「半分、い」の主人公が、マンガに挑戦したのはよいがスクリーントーンを知らずに一生懸命手描きするシーン話題になった。

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最終更新:2024/10/06(日) 14:00

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